Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

遅ればせながら 新年あけましておめでとうございます

 大変遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。本年も弊ブログをよろしくお願いいたします。

 さて、毎年のお約束ですが、本記事以降、「今年、本年、今季」という言葉は2017年を指し、「昨年、去年、昨季」などの言葉は2016年の事を指すこととします。混乱しないようにするためにもね。

(目的/同機)

 2017年一発目の記事はトレードも行われたということで、SmylyとSmithの事でも書きたいと思います。まずはゆく年くる年…じゃなくてゆく人の事。Drew Smylyさんについて。

(Smyly雑感)

 Priceのトレードで加入したSmylyはTBでは先発として働きました。フライ系の投手で、被安打数が少なく、また平均を上回る奪三振力と与四球率の良さが光りました。怪我がちではありましたが、投げれば標準以上の成績は残せる選手だと個人的には感じています。

 昨年は大変不調に見舞われましたが、その理由として一つは低いLOB%がありました。高い奪三振力を有しながら、LOB%は70.4%と標準以下。15年以前は高かったLOB%が逆に低く振れた形でした。また、BABIPもフライ系であるにも関わらず、.291と高い値(xBABIPは.269だった)を記録してしまい、安打数を増やす結果になってしまいました。さらに、HR/FBは昨年は非常に高かったのもあり、防御率だけを見るとかなり不安定な選手のように見えてしまいました。

 SEAに移籍ということですが、これはかなり面白い移籍でしょう。本塁打はそこそこよく出るようになった球場とはいえ、フライ系投手は良いプレーができるでしょうし、キング・岩隈と良い投手の後ろでの3番手となれば良い人材です。SEAは01年以来のPO、あるかもしれません

(Smithについて)

 ではSmithについてみていきます。

(方法)

 いつものテンプレ(笑)に成績を打ち込み、それを眺めます。次にそれでちょいちょい考察していき、最後にいつもの選手成績予想システムseriseri(という名のただのエクセルファイル)に放り込んで出てきた数字を眺めてみます。

(結果)

 画像と画像からわかる内容だけを記載します。

□01

 12年からマイナーでプレーし、昨年初めてMLBに昇格しました。マイナーでは通算1,872打席で13本塁打MLBでも215打席で3本塁打とパワーには欠ける選手です。しかしマイナー通算234盗塁(60盗塁死、成功率79.6%)、MLBでも16盗塁(8盗塁死、成功率66.7%)とスピードはある選手だと理解できます。成功率はマイナーでは高めでしたが、MLBでは下がっています。

□02

 長打力はここでも不足しているのですが、MLBではむしろ上昇しています。また、wOBAはマイナーでは高い数字が出ているのですがMLBではまだまだという感じです。

□03

 打率は高く、長打率が低く出ているのでOPSは並みですが、この手の打者にしては高めともいえます。注目はマイナーでのBB%とK%で高いBB%とそこまで高くないK%の組み合わせとなっており、バットコントロールの良さ、選球眼の良さがあると見えますが、MLBではやはりまだまだ未対応と言えます。

□04

 サンプル数は少ないですけど、GB/FBは極めて高い数字が出ています。また、LD%が低いので、xBABIPが低く出ています。また、HR/FBは昨年の標準より低い数字でした。

(考察)

 まずは前情報通り、パワーレスではあるが、スピードが売りの外野手だとわかります。右投げ左打ちというところからも役割としてはKiermaierと被る感じがあります。

 全体を見た感じでは、マイナーでは優秀な打撃を見せています。パワー不足は深刻ですが、15年くらいからある程度の長打を打てるようになっており、まだ若いことからもパワーがついてきたことがわかります。MLBでも45安打に対して7二塁打4三塁打3本塁打と14本の長打を放っております。また、俊足なので三塁打の割合が二塁打に比べて高いのが好印象ではあります。Kiermaierの様にMLBでパワーがついてことを披露できればかなり面白い存在になる可能性があります。

 ただし、全体的にMLBのレベルには対応しきれていないのがわかります。まず、自慢の盗塁については72試合で16盗塁と結果を残したように見えますが、8盗塁死で、成功率は8割近くあったマイナー時代に及びません。また、選球眼が優れているマイナー時代の成績ではありますが、MLBではBB%9.3%でK%22.3%、そしてP/PA3.66と打席の中でも良いところを見せられていません。さらに、GB/FB2.68、LD%16.3%はサンプル数は少ないながらも相当MLBのレベルに苦労していることがわかります。

 ここはかなり大きな問題でして、まずBB%とK%の改善は必須ですが、近年のMLBではパワーレスの打者が高いBB%を残すのはかなり難しいです。また、リーグ全体でも奪三振率が上がっていて、生半可なマイナー上がりの選手では対応ができない可能性もありますね。

 そう考えると、中々今年中のMLB定着は難しいかもしれません。

 そこに加えて、よくよく成績を見てみると15年はAAではwOBA.389と対応していたにも関わらずAAAでは.328と大幅に成績を落としています。その中で16年はMLBを主戦場にしていたのを考えると、MLBクラスの実力になっているのかが不明なところがあります。正直、AAAで1年やらせてみたいというのが本音です。

 TBはこのオフに外野手の増強を図りました。Guyer外野手やJenningsはいなくなりましたが、それでも外野手はKiermaier、Souza、Franklin、Mahtook、Dickersonといて、さらにRasmusまでを補強しました。そこにまだまだ対応に苦慮しているMallex Smithが食い込めることは少ないのではないかと想像します。というか何人かDLに放り込んでおいて、さらにDHでの起用をしても明らかに外野手の人員は過多ですので、Smithはとりあえずオプションを行使しながら、AAAとMLBを昇降格繰り返す形になるのではないかと想像します。その中でMLBへの対応力を付けてもらえれば最高ですね。

 いずれにせよ、Smyly出してのメインピースですから、MLBでの活躍を望みます。来年でも良いですが。

(まとめ)

・俊足の外野手だが、パワーは欠ける。

MLBでの対応力には苦慮

・ただパワー系の数字は改善の兆し

・とりあえず今年はエレベータ?

☆本日のおまけ その1  NPBの併殺崩しのお話

 例によってMLBの後追いをしていれば良いとでも考えているNPBが、今年から併殺崩しのスライディングを禁止する方向で調整しているということです。

 これについては私は何の文句もありません。まぁルールはルールですし、不用意な怪我を防ぐルール作りは問題ないと思います。

 ただし、その運用規定にはかなり不満があります。ニュース程度しか私も調べてませんが、要するに審判が危険だと判断したものは全部危険、そうでなければセーフという内容であるとしか読めませんでした。

 MLBの場合は、・手か足がベースに届かない走塁 ・途中で方向を変えた曲線的なスライディング ・先に地面に体が接触しないスライディング(飛び蹴りはダメ) ・ベースを行き過ぎて戻れないスライディング を禁止するという明確な基準があります。NPBの場合はそれが全くなく、単純に危険っぽかったらダメみたいな規定になる可能性があります。つまり、逆に言うと内野手と交錯したらどんな形でもダメということになる可能性は高く、わざと内野手が走者と交錯する可能性もあり得ます。それはルールを逆用したことになり、本末転倒です。それを避けるために、どういう形のスライディングがダメなのかをMLBの様にきちんと明示する必要があると思います。逆に選手と交錯してもその規程に沿ったスライディングであれば不慮の事故とするのがもっともなことではないでしょうか。

 SBの川島が日ハム田中に怪我させられた事例が取り上げられていますが、アレはMLBの規程で見れば、手は明確にベースに届いているし、方向は変わらない直線的なスライディングで、もちろん先に体は地面と触れていて、ベースを抱え込んでるので行き過ぎてはいません。つまりあの事例は(MLBの基準で言えば)セーフの事例として挙げるべき事例であり、アウトの事例とすることは困難なはずです。

 そういうところを考えずに、とりあえず危険っぽいからアウトってのはやめてほしいですし、またコリジョンルールの様に骨抜きの規程ができるだけでしょう。何のためのルールだか全く分かりませんね。

 逆に基準をはっきりしさえすれば適用は問題ないと思います。例えばヘッドスライディング禁止になったとしても、足がベースに向かってなければいけないとするなどですね。接触を支持しているわけではないことはご理解ください。

☆本日のおまけ その2 MLBの殿堂入りのお話

 MLBの殿堂入り投票の結果が18日に公表されます。毎年のことながら楽しみですね。…少なくとも私は楽しみです。Bagwell、Hoffman、Ivan Rodriguezらの殿堂入りがかなり有力とみられていますね。

 さて、投票権などあるはずもない私ですが、今年はHoffmanを選ぶのであればその前にLee Smithは入れるべきだと思います。確かにHoffmanやRiveraからは見劣りのする通算478セーブにすぎません。が、彼は一時的にでもMLBの通算最多セーブ記録保持者でもあり、わずか1100イニング弱のHoffmanを選出するのであれば、同じように野球の歴史に名を遺す人物としてのSmithの功労を忘れてはいけないと思います。そういう理由でSmithは当選すべきだと思うのですが、15年目。そして最後のチャンス。そして昨年はわずか34%とかなり見込みは少ないですね…。残念ですが。

 私に投票権があるなら、今年はTim Raines、Clemens、Bonds、Smith、Sheffield、Sosa、Hoffman、Ivan Rodriguez、、Mussina、そして高知で来年プレーするらしいあの人に入れるかなぁと思います。Mannyの場合は薬物が黒の人なので、ちょっとどうしようか迷いますが。

 

 ちなみに元TBとしてはMannyのほかにバールのようなもの…じゃなくてPat Burrellというあまり思い出したくない名前があります。彼の場合5%の得票は難しそうですが。