Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

【連載】フライボールレボリューションの損益分岐 ~導入~

(目的)

 最近流行りのフライボールレボリューション。フライを多く打つ方がお得だよねという考え方であり、様々な情報の蓄積と解析が進んできたことにより、明らかになってきて、さらに実際にMLBの打者も実践するようになってきたものですね。これが革命的な内容であるほど強烈なものであることから、現在大いに議論されていますね。Seriseriもこれに乗っかっちゃおうというアレです。

 ものとしては、実際、どれくらい打てば、フライを打つことが有利になるのか、を探るのが目的になります。

(方法/目次)

 本記事は連載物としてやっていこうと考えています。現在(6/21)考えている項目は大きく以下の2つとなります。

・FBを打つことで必ず障害として現れるのが、LDの方が期待値が高いのではないか問題。これの解決を見る。

・LDだけではなくGBと併せてみることで何か見えるものがあるのではないかと試行錯誤する。

 これに対して、それぞれの記事で少しずつ話を書いていこうと思います。

 また、ここの項目を目次として活用することにします。現在連載回数は本記事を含めて4つ程度に収まるかと思います。

 データは特に断りがない限りいつものようにFGのものを活用させていただいた上で、私が勝手に加工して使います。

<目次>

(導入編)

【連載】フライボールレボリューションの損益分岐 ~導入~

(項目1:LDとFB)

【連載】フライボールレボリューションの損益分岐 ~価値の高いフライ~

(寄り道1:ステロイド時代とポストステロイド時代、そしてフライボールレボリューション←なんかこう書くとめっちゃカッコいいな)

【連載】フライボールレボリューションの損益分岐 ~寄り道~

(項目2:もう一つの損益分岐点)

【連載】フライボールレボリューションの損益分岐 ~競争相手はエリートだけじゃない~

 では本記事の本題に移ります。

(本題)

 なぜ、人は皆フライボールを打ちたがるのか…。を考える時に必要なのは、フライを打つことが見返りが大きいと考えられるからだと言えます。何をもって見返りが大きいかと言えば、野球の場合、それは勝つことであり、打席でできることは得点を増大させることであり、得点を増大させるには、1.アウトにならない 2.遠い塁まで行く の2点が重要であり。。。

 とまぁこれだけ言って何が言いたいかというと。

□01

 ぶっちゃけこれだけです。02-16年までの間の、MLB各チームのチームOPSとチーム得点を並べた散布図です。相関係数が0.953と極めて高い数字となっています。つまり、打者としては「OPSを上げるように頑張ること」が「チームの得点力を上げること」に直結することですね。

□02

□03

□04

 せっかく作ったので、これもついでに見せていきます。1.アウトにならないこと というのもチームの得点力を上げる方法の一つであり、これも.877と高い相関係数が出てきます。

 また、2.遠い塁まで行く についても.912と高い相関係数があります。それを合わせた(単純に足し合わせた)OPSがより高い値であり、どっちも重要なのがわかりますが、毎回見てもなんか騙されたような気になるのも事実です。ただOPSについては上げ方は無限大であり、ルール内である限りどのような方法を使っても構わないということを示している(=様々なタイプの打者がそれぞれ認められる)のではないでしょうか。

 ついでに総合的な打者の指標の一つであるwOBAとの相関は.949であり、こちらも総合というだけあって高い相関係数を誇りますね。

 で、フライボールレボリューションの連載でなんでこんなものを持ってきたかというと、今後の記事ではOPSを基準にフライの価値を語りたいとか勝手に思っている訳であり、なぜOPSなのかというと上の様に得点を上げることに直結する以外に、計算しやすいという理由がアリ、それはseriseriがズボラなのとも直結しており、そのために最初に確認しとかないとと思っただけでありまして…。

 あとはこれだけは言わないと(忘れないようにしないと)ですね。

 フライを打つことが目的になってしまうのではなく、あくまで(打席での)目的は得点をあげること。得点をあげる方法は無数にあり、フライを打つのはあくまで効率よく得点をあげる手段にすぎないこと。

 OPSはそれを端的に示している良い例でもありますね。だからちょっと好き。アウトにならないスタイルでも、遠くの塁に進むスタイルでも、そのハイブリットでも構わないですよね。だから今後当然このフライ以外の方法が解析技術や投手の対応等に伴って再度脚光を浴びるかもしれないし、全く違う方法が展開されるかもしれません。それはそれで楽しみですね。

 どうせ私のやっていることなど太平洋の東西で同じようなこと思ってやっている人はそれなりな人数いそうですし、もっと進んでいる人もたくさんいると思うのです。が、まぁ私は私で好き勝手数字いじって書いてみようかなぁと思います。ちょっとね、こいつ、今更かよとか思われそうですけど(笑)

 というところで今日はここまで。

☆本日のおまけ その1

 このSABRの解析と選手がそれを実践する、そこのスピード感がMLBNPBには大きな隔たりがあるように思います。野球の専門家じゃなくても、外からの意見にきちんと耳を貸して、確度の高いものならそれを実践してしまう、そういった試みを常に続けているMLBは身体能力云々を置いといても、はるかに高いレベルの技術への追求心が感じられます。

 一方、NPBはそういうのがあまり感じられないんですよね。ないとは言いませんが、どうしてもMLBの二番煎じにも感じます。また、例えば監督は過去のスター選手が多い様に、野球が上手な人じゃないと、野球の事はわからないと考える風潮があるようにも見えてしまい、外からの意見に耳を貸すようなそういった土壌が少ない様に感じてしまうのです。そこはすごくもったいないし、NPBならではなことをガンガンにやってもらいたいですねぇはい。NPBに限らず、日本全体にも言えることかもしれませんが。

☆本日のおまけ その2

 ブログでデータまとめたりしているような状況で、Twitterで似たような話とか、議論とか進んでるとドキッとしちゃいますね。