GJ Price!!! ようやくやりたい野球で勝てたRays
気づけばTBは16勝23敗でリーグブービーという酷い状況でした。打線こそ少しだけ上向き調子とも言えたかと思いますが、5月半ばで本塁打数チームトップが4本、打率.280を超える打者がLoneyさん一人という状況は決して良い物ではありません。
また、投手陣の崩壊はそれ以上の危機感をもたらします。オフの段階で考えられていたTBのローテーション投手のうち、3人は怪我による離脱。先発してる人数は既に7名に上り、Odorizzi、Ramos、Bedardとあくまでバックアップ要員、あるいはローテーションにチャレンジする立場であったメンバーが18試合も登板する羽目になっています。おかげで39試合で勝ち負けが着いたのは24試合(10勝14敗)に過ぎず、投球回数214.1は6回をようやく超えるくらいとなっています。また、防御率は4.37にもなり、両リーグワースト6位相当という情けない数字です。ただ、xFIP3.88は両リーグでも中位に位置し、BABIPが.317と割かし高い数字であることを考えると今後の回復の余地はあるということも可能だとは思います。
ところがそれに輪をかけて酷いのがリリーフ陣で、防御率5.02(しかもxFIP5.70とさらに悪い)、14.1イニングで12四球と完全に劇場型と化しているBalfourを筆頭にPeralta(ERA6.60)、Bell(ERA7.27でリリース)と実績のあるベテラン陣は軒並み炎上、さらにはGomes(4.66)、Lueke(5.09)とイマイチピリッとしません。おかげでERA4.46と苦しい先発陣をバックアップできていません。たったの39試合の消化で6勝9敗、137.1イニングというのがその苦しさを物語っています。
そんな厳しい戦いの結果、地区最下位、リーグでも下にはHOUだけとどん底のTBですが、ここ最近はある種明確な戦略(なのかどうかはわかりません)が見え隠れした戦い方がなされていました。
それは相手先発投手の時は耐え忍んでリリーフ陣を叩き、試合をひっくり返すというものです。投手陣のある程度の失点を見越し、かつ、調子が悪い野手陣でもワンチャンスでひっくり返せるという戦い方です。
5月6日から8日にかけてのホームでのBAL戦にその戦略が見て取れた一方で、相手に押し切られるという非常に苦しいシリーズになりました。
このシリーズではいずれも2点差の9回裏の場面で、下位打線からの打順。ここでいずれの試合もランナーをしっかりためました。結果16打席13打数6安打2四球1犠打2三振で、打率.462、出塁率.500、長打率.538、OPSは実に1.038というとてつもないものでした。しかしながら、結果は3イニングでわずかに1点でした。Jenningsが打っていれば、などと言ってしまえばそれまでですが。
ただ、先発を降ろして中継ぎを叩く、という戦略が明確に見えたシリーズであったのも確かでした。
そのチームの努力がようやく結実したのが今日の試合でした。前日はRamosが炎上して大敗を喫したTBでしたが、この日は、エースPriceと岩隈がピリッとした投手戦を繰り広げました。結果、8回でマウンドを降りた岩隈に代わって登板したパパイヤ…いえ、Rodneyが、初っ端からDeJesusのチームトップタイに並ぶ4号ソロで追いつき、Joyceのタイムリーで勝ち越しました。最後はリリーフに不安があるためか、100球に迫るPriceが登板し、きっちりと抑え、会心の逆転勝利となりました。
Priceは9回完投109球を投げ、被安打6奪三振12、そして無四球という素晴らしい投球を見せました。初回の1点がもったいないとは言えますが。最後まで踏ん張ってようやく4勝目を手にしました。
今年のPriceに関して私は「運に恵まれる上に実力が向上中だからモンスターイヤーが到来する」と予想していました。ところが今のところ、それとは逆に、「実力があるのに、運が悪くて勝てない」という状況です。ざっと確認してみます。
今日の試合が始まる前までは8先発して3勝3敗、投球回数53.2、防御率4.53と非常に平凡でエース級とは思えない成績です。
ところが、運の要素として挙げられるBABIP、LOB%、HR/FBの三種の神器を確認すると、BABIP.344はリーグで規定投球回クリアの投手46人中ワースト5位(ちなみに4位もTBのArcherだったりする)、LOB%70.4%は下から17番目、そしてHR/FB15.8%はSabathia、マー君に次いでワースト3位と軒並み良くない数字が出ています。
しかしながら実力を示していると言われる奪三振率9.73はリーグ7位、与四球率1.01はリーグトップ。そのため投手の実力が一番わかるとも言われるK/BBは9.67(しかも今日の12奪三振無四球を入れる前)ととんでもない数字を示し、リーグトップです(ちなみにマー君が8.29で2位)。そのためERA4.53に対してFIPは3.51、xFIPは2.72(マー君に次いでリーグ2位)と徐々に優秀な数字となっています。
そういう訳で、Priceは自身がコントロールできるものは良く力コントロールしているにもかかわらず運がついてきていないので勝てていないということが言えると思います。昨年も夏以降、非常に良い成績を残しましたから、今日を起点にして、Rays、Priceともども浮上のきっかけとしてほしいですね。TBのRayは海底を這いずり回るタイプのエイでは無くて、海面を勢いよく飛び出して、表層を泳ぎ回るトビエイタイプのエイですから!!!
Priceの成績概要
表面上の成績: 先発8 投球回53.2 3勝3敗 防御率4.53(34位/46人中)
実力を示す指標:K/9:9.73(7位) BB/9:1.01(1位) K/BB:9.67(1位) xFIP2.72(2位)
運を示す指標: BABIP.344(42位) LOB%70.4%(30位) HR/FB15.8%(44位)
過去のPriceについての考察記事は以下のとおりです。
2014/2/20 David Price ~TB最終年?の集大成を~
2013/5/15 David Priceに何が起こっているのか
2012/11/16 CY賞はPriceその価値はPriceless
2012/10/2 サイ・ヤング賞 行けるか??
2011/11/7 不完全燃焼のエース D.Priceを考える
下記のとおり、色川さんのイベントが今週末に迫っています!!!
貴重な機会ですからご来場をお待ちしております。なお、事前に連絡を頂ければ安くなりますのでご連絡をお願い致します。
告知 ~Baseball Bridge主催 色川冬馬トークイベント~
■国際野球支援団体Baseball Bridgeは、当団体で推薦した野球のイランユース代表監督、色川冬馬氏を迎えて、トークイベントを開催致します。
詳細:http://baseballbridge.blog.fc2.com/blog-entry-31.html
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
■トークイベント概要
現在、仙台を中心に精力的に活動を続ける色川冬馬氏がなぜイラン代表監督になり得たか、その経歴、活動を通じて探るトークイベントです。イラン野球代表監督の人物像に深く迫ります。
当日は、そもそもイランという国がどういう国なのか、本で読んだだけでは、ニュースを見ただけではわからない、実際にイランを歩いてみないとわからない実情を紹介し、その後、質問形式のトークライブで、色川氏の過去、現在、そしてイランの野球との関係が中心となって行く未来を紹介いたします。
色川氏は元々タイや米国等で野球の経験があり、さらにはラテン・アメリカ野球選手権大会へ仙台の小学生を挑戦させるという活動を実施する一方、学校職員として中学校での子供たちと奮闘中です。
多忙を極める色川氏の講演を直接聴ける機会は非常に貴重です。また、イランの風を感じさせる東京・六本木のお店「ALADIN」で臨場感あふれるトークを展開します。
■詳細情報
日時:平成26年5月18日(日)15:00~16:30
場所:イラン料理店「ALADIN」 住所:東京都港区西麻布3-2-6 六本木安田ビル2階
出演:色川冬馬、配川啓史郎、田中亮多
料金:事前支払2,000円 事前予約2,500円 当日参加3,000円
参加申し込み及びお問い合わせ:info@baseball-bridge.org
■団体概要
団体名:国際野球支援団体Baseball Bridge
事業内容:特に野球が盛んではない国への野球発展活動の支援、及び日本国内での啓蒙活動
WEB:http://www.baseball-bridge.org/
■本件に対する問い合わせ先
国際野球支援団体Baseball Bridge 担当:seriseri
Email:info@baseball-bridge.org もしくはseriseri_tb@yahoo.co.jp
私が副代表を務める国際野球支援団体で主催するトークイベントです。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げています。
どうぞよろしくお願い致します。