Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

イラン野球の旅 6日目 リゾートを満喫!?

 前日は大変遅い時間までソフトボールの見学をしていました。イランと言う国は特に夏場だからという面もありますが、非常に夜更かしな国なイメージがあります。一方で、朝も別にそんなに遅い訳でもなく、不思議な国と言えるでしょう。

 そんなこんなで事実上の最終日です。明日の飛行機なのですが、こちらは朝4時半のフライトなのでイランで過ごせる日は今日一日しかありません。この日は特段野球関係で必要な仕事もないので、唯一のオフとなります。Seriseri流(要するに普通じゃないということか)のリゾートの満喫をしちゃいたいと思います。ようやく、イラン野球の旅、終わりが見えてきました。

 5日目の記事でも書きましたが、このホテル、正直イマイチ。。。これでもイラン基準でかなり上位の様ですが。なので熟睡もできず、さっさと目が覚めて朝ごはんに行きます。朝ごはんのメニューについてはいつものとおり。目玉焼きと、揚げたソーセージとパンとジュースと豆のスープ。ただ、ここちょっとだけ美味しかったですね。不思議と。

 さくっと終わらせ、Yaser氏に連絡しようにもつながらず、待ってても仕方がないのでさっさと動きます。まずはホテルでタクシーを呼んでもらい、「エスカレ」に行きたいと伝えます。ちなみに個々のタクシー、白のトヨタのハイブリッド(車種はわからない。ゴムタイヤで動くものに興味は無いので)でめちゃくちゃ綺麗。日本基準で見ても十分なレベルです。

 ものの数分で「エスカレ」に到着。Yaser氏を探しながら、せっかく日本から担いできた釣竿を準備します。が、やっぱり待てど暮らせどYaser氏は見当たらないし、狂犬病の犬のごとく水面を見たら居ても立っても居られない漁業民族日本人な私はさっさと「エスカレ」の先端の方に移動を開始します。そう「エスカレ」とは桟橋のことなのでした。さて、ここから「Rayを釣りたくて」史上初、釣りバカっぷり全開の釣り記事を展開していきます(笑)ちなみに休眠中のサブブログ「Rayを釣りたくて2」には結構釣り記事があったりしますのでご興味のある方はご一読を。

 で、ここのロケーションですが、いかにもリゾートと言う素晴らしい景色が展開されています。雲一つない澄み切った青空に、白い砂浜、そしてコバルトブルーにきらめくペルシャ湾。まさに思い描けるリゾートの典型的な風景なのですが、いかんせん砂浜って生命反応薄い海中の沙漠だよな…と一人落ち込む漁民seriseri。しかも桟橋には一部を除き釣り禁止と書いてあるじゃありませんか。。。なんという。が、落ち込んでいても仕方がないので、とりあえず釣りができる場所まで移動します。が…魚は見えませぬ(笑)ものすごく綺麗で透明度の高い海なので、めちゃくちゃ良く海中が見える上に、ここは5m以上は高くなっているので、本当海中がすっきり見えます。が、透明度が高い=貧栄養=生命反応に乏しいということでもあるので、かなり期待薄な上に、高度5m以上でこちらの竿は7ft(2.1m)の柔らか目なシーバスロッド(スズキをルアーで釣る竿)なので、ルアーを引いても角度がつきすぎてまともには動いてくれません。さらにペルシャ湾から陸に向かって結構な風(スカートがはためくくらい…がスカートの女性はイランにはいない)が吹きすさびます。かなり期待が薄い状況と言えるでしょう。

 それでもせっかくだからとライン(糸ね)にミノー(小魚の恰好をしたルアー)を結び、桟橋の下の柱を打つような形でルアーを投げます。やることやれば反応はすぐ返ってくる様な釣りですが、当然やることがきちんとできてないので反応無し。絶望。

 と、何やら銀色の背中をした、20㎝位の回遊魚がものすごい群れを作って回遊してきました。どうやら桟橋に居ついている回遊魚の群れの様です。とりあえずルアーをキラキラ光る、小型のルアーに付け替えて群れの先端めがけてキャストします。が…素通り(笑)というか完全に避ける感じ。敵としてみられてるし、お腹が減っている様子でもありません。これは強敵です。見える魚は釣れないの格言通りの連中です。

 何回か来てくれますが、全く食いつく様子も無し。さらにはもう少し水深の深いところを泳ぐダツの群れなんかも見かけましたが、彼らもルアーなんぞ食ってたまるか、という態度で逃げまくります。嗚呼…。

 群れが回遊してくるまでの間、ぷらぷらと障害物を打っていると、突然何やら黒い影が飛び出し、ルアーに襲い掛かります。が、ミスバイト(≠バイトで可愛いお姉さん)。おそらくヒラアジ系の幼魚、いわゆるメッキでしょう。これは是非取りたかったのですが、何回か攻めてるうちにスレてしまって(ルアーを見切ってしまって)、反応しなくなってしまいました。メッキはこれがあるので一撃必殺で獲る必要があるのですが、何せ強風な上に、高い足場、限られたルアーを通せるルート、軽いルアーと言う組み合わせでは満足いくアクション(誘い)を掛けられませんでした。

 が、これで一旦テンションが上がります。さらに、釣り人は別に釣り禁止エリアでもうろうろ釣りしているし、別に迷惑がっている人もいないので(幅20m、長さ400mと完全に第二次大戦機の空母サイズ)、釣り禁止エリアで良さそうな角度を探して、メッキを本命と位置づけ本格的に狙うことにします。触ったら獲る!!!でお馴染み(?)のルアー、ラパラ製のジギングラップ(アイスジグ)に切り替え、メッキがいそうな場所を狙って打ち込みまくります。が、魚が少ないんですねぇ…。貧栄養な海水ではそもそも魚の生息密度が薄いんです。蛇足ですが、基本的に海は南の方が豊かな印象ありますが、炭素量(=魚の量)で見たら北方の海の方が圧倒的に多いです。ただし、南の方が多様性=種類数は圧倒的で、北の方はひたすらタラ、とかひたすらカニ、みたいな場所が多いです。さらには両方の良さを併せ持つ日本近海です。

 と、またしても例の回遊魚の群れが回ってきたので、ダメ元でジギングラップをキャスト、そしてガツンと乗ります。

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 無視され続けたのでまさかのまさかでしたががっつり食い込んで釣れちゃいました。さすがラパラ…。なんだかよくわからない魚で、体系はサバ、体色はハガツオ系、そして口はカタクチイワシの様なプランクトン食に近い形ではありますが、さすが回遊魚だけあって小さいながらも引きはかなり強烈でした。

 そして後ろの美しい青い空、青い海をご覧ください。これがイランの本気、キーシュ島です(笑)

 群れが行かないうちにもう1匹を確保、さらには3匹目はかけてもバラします(ハリが外れる)。それにしてもなんだかんだで釣れるものです。これで漁業民族日本人の面目躍如ってもんです。

 この2匹でかなり満足度が高くなりましたが、時間はまだ10時前。かなり気温も上がってきて、この時既にホテルから持ってきていたペットボトルの水(1.5L)は空っぽになってしまいました。結構汗はかいているのですが、風が強く乾燥しているので、蒸す感じはしませんが、ダイレクトに当たる太陽光がかなりキツいです。日本へのお土産も購入していなかったので、涼しいショッピングモールの中で過ごそうと心に決め、桟橋から逃げ出しました。

 で、ここはリゾートホテルとショッピングモールと建設中の何かしか建物が無いような、とんでもないリゾートエリアなのではありますが、とにかくショッピングモールは数多くあります。とりあえず手近なところから見ていき、何かお土産になるようなものを探します。

 ところが1つ目のモールも2つ目のモールも様々な外国からの輸入品、例えば衣料品や電化製品(特にサムスンを多く見た)、食料品などは売っていますが、イランの国の物は売っていません。ついでに見かけたスポーツ用品店に入ってみます。輸入品が多いので野球の道具もひょっとして、と思ったのです。が、置いてあるのは自転車に猟銃、釣竿。。。球技ならサッカー、バドミントン、テニス、ハンドボール、バスケットボールの各種用品。思った以上に野球はこの国では認知度が低い様です。日本なら必ずあるはずの野球用品だけがくっきりとかけているのです。これは意外でもなんでもない一方、悲しくなる結果でもあります。頑張らなくては。

 で、輸入品しかないこのエリアでうろうろしても何もおもしろくないのですが、かろうじてありそうと思った輸入のお菓子屋さんに入って中を見ていたところ、お店のお姉さんに結構きれいな英語で(元々この国の人間が英語話せても結構なまりがあるのだ。インドほどではないにしても)、何かお探しで?と聞かれる。いやーイランのお菓子とか探しててさ、と答えれば、ここにはないから隣のハイパーマーケットへ行け、と言われる。はいぱーまーけっと???疑心暗鬼で隣の建物に行ってみると確かにHyper Marketって書いてあるじゃありませんか。何ぞや、それと興味津々で入ってみると、小売りのおもちゃやスカーフやマッサージ椅子を売っているのが半分、残りの半分がいわゆるスーパーマーケット的なお店。要するに日本のスーパーです(笑)そう!!!これを求めていた!!!ここでお土産を大量に買いこみます。

 で、お買いもの終了ですが、外に出ると絶望的に暑い(この時正午前)ので、ソッコーで隣の建物に逃げ込みます。このようにどんどん隣の建物に移って行く訳です。ちなみにこのハイパーマーケット、朝7時から夜11時まで休まずやってるよ!!!ってことをでかでかと宣伝していたのですが、まぁ確かにセブンイレブンいい気分な訳で、長めの営業時間はわかりますが、そんなにでかでかと宣伝する事か?とこの時は思っていたのです。このすごさは後程、嫌と言う程わかることになるのです。

 このハイパーマーケット、どこがスーパーよりも上等なハイパーなのかは全くわかりませんでしたが、要するに非英語圏の国々によくある、本国よりも上等な名前を付けちゃえばかっこよくね?と言うものの一つだと思います。日本のウルトラマンもこの仲間でスーパーマン(超人)の進化系ですが、何せSuperやHyperと違ってUltraってポジティブな意味はなく、過激な人、急進的な人、極端、と言うような意味で、ウルトラマンって過激論者や極端な男、みたいな意味になってしまいます。日本人の英語力を疑われる原因の一つですよね。。。その点96年発売の某ゲームではちゃんとモンスターの上位互換のボールがスーパー(600円)になり、さらにハイパー(1200円)だったところを見ると、ちょっとは進歩しているのでしょうか(笑)

 ハイパーから次の建物の攻略に向かいます。が、どうもここ、天井は低いし、照明は消えていて暗いしで、ちょっとグレードが下がる気がします。また行っても行っても全然面白くなく、同じような携帯電話を売っているショップだらけな上に、半分以上のお店がお休みしているので、つまらないのでさっさと隣の建物に行きます。と、ここも結構暗い(共有スペースが消灯されている)上に、ほとんどのお店が閉まっています。定休日なのかしら?とか思いますが、全くわかりません。その次の建物に至っては施錠されていて立ち入ることすらできず、さらにその隣に移ります。ここはどうやら昨日Yaser氏と会った建物の様です。ここも、昨日は22時くらいでしたがたくさんのお店でにぎわっていました。…が、ここもほとんどのお店がお休み。お腹が減ったのでランチにしようにも、レストランも閉まっています。ようやく見つけたファストフード系のケバブ屋さんでアジア大会の映像を見ながら(スポーツの映像は世界共通言語ですな)、ぱくぱく。と、店員さんに追い出される。そしてぶらぶらしてると警備員にも追い出される。仕方がないのでめちゃくちゃ暑い中(日本では経験できないような暑さ)、たくさんのお店がやっていた最初のモールまで戻ることにします。。。が、ここも施錠されていて閉店状態。よく見ると、17時開店とあります。そうなんです。Kishに限らずイラン全体で言えることなのですが、お店はどこも朝開店して12-13時くらいにはいったん閉店、17時くらいから再度開店して23時とか0時とかまでやっているのです。これこそがハイパーマーケットのハイパーたるゆえんであり、既にホテルをチェックアウトした観光客(seriseriと読む)殺し(多分蒸し焼き)のシステムなのです。みんなこの時間は何しているのでしょう。。。

 そんな訳で、行く当てもなくとぼとぼと人っ子一人いない貸切リゾートを歩く私。結局、売店で2L入りのペットボトルを購入し、木陰のベンチで休むことにしました。木陰に入ると乾燥している分そんなにつらくは無いのですが、荷物は重いし、暑いしで歩く気力が限界でした。。。木陰で休んでる(昼寝と読む)と、突如現れた家族が隣でわいわい。どうやらキュウリを食ってる模様。んで、話しかけられ、例によってキュウリ食え、と渡される。イランの人、食べ物渡すの好きだな。キュウリ何もつけずに食べる。まぁキュウリは世界中どこ行ってもキュウリです。普通なお味でした。

 気づいたらずいぶんと日も傾いてきました。こうなると途端に活動しやすくなるのが沙漠の良いところ。熱しやすく冷めやすいパターンですね。残る短い間、回遊魚の回遊待ちをしてもしょうがないですし、だったら橋脚の下についているだろうハタやカサゴ系の根魚を狙ってねちっこくたたくことにしました。で、やたら水深のあるこのシチュエーションは軽いジグヘッド(おもりと釣り針が一体化したもので、柔らかいルアーを付けて使う)しか持ってきていない私にはちょっと不向き。で、ここで考え方を止めたら負けです。持ってきた中で一番重たいメタルジグ(金属の塊みたいなルアー)からさらに糸を伸ばして、ジグヘッド+ワームと言う形で狙うことにしました。完全に邪道ですが、そんなことを気にしちゃいけません(笑)あわよくばどちらでも魚を狙っちゃうぜ、という形に。

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 そんなんで釣れちゃいました。たぶんエソの仲間だと思うのですが、日本のエソよりは寸詰まりで派手な色をしています。

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 しかも口から見ると余計派手、というか…なんか黒い模様があるし、非常に毒々しい…。まぁ問題ないとは思いますけど、ただのエソだし。

 ちなみに地元民からは毒があるから放せだの、危ないから触るなだの言われます。まぁまぁ漁業民族日本人を信頼しなさいって(笑)

 ワイのワイの言われながらも無事にリリースが完了すると、二匹目のドジョウならぬエソ…はちょっともういらないですけど、なんか自慢できる魚を狙って釣りを続けます。何せ魚からの反応があったことで間違った釣り方ではないことが分かりましたし、潮も効いてきたので期待ができるところです。

 で、水面直下で何やら巨大な魚がヒット!!!も一瞬で糸を叩ききられて逃げられてしまいました。未だになんだかわかりませんし、リベンジしたい気持ちはいっぱいではあるのですが。。。そんな訳で虎の子のメタルジグを失くしてしまい、同じ釣り方が困難になってしまったのと、ちょっと早いですが、そろそろ空港に向かうには良い時間なので、釣りを止めることにしました。

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 イランでの最後の夕日が暮れて行きます。とても良い旅でしたが、色々多くの課題も見つかった旅でもありました。これからイランへの支援をより多く行いますのでご支援の程よろしくお願いします。

 ってところでこの連載、終われば良かったんですけどね、この記事の中の人、まだ日本に帰ってこれていません。イランと言う国を理解してもらうためにはもうちょい、連載を続けますので、よろしくお願い致します。

☆本日のおまけ その1

 イランではしょっちゅう中国人に間違われました。イランの人にとっては東洋人=中国人と言う認識があるのでしょう。たぶん、彼らも中国と日本と韓国の明確な区別はついてないはずです。それくらい遠い国ではあります。我々日本人でもイランと聞いてイラクやシリア、サウジアラビアなどと明確に区別できる人はなかなかいないのではないでしょうか。実情は全然違う国なのですが。それと同じような感覚と思って間違いないでしょう。イランは現在はとても平和な国ですよ。変な先入観は良くないです。むしろ森薫さんの「乙嫁語り」の方が正しいイランを伝えている様な気すらします。

☆本日のおまけ その2

 Yahoo!にPettite、Posada、Bernie Williamsの永久欠番化について、NYYでつけられる背番号がなくなる、なんていう記事が載ってました。さすがにそれは言い過ぎかもしれませんが、日本では永久欠番に対する認識や扱いが酷いな、と思うところではあります。すぐに後継者だの2世だのにその番号をつけたがります。が、そもそも殿堂入りレベルの選手の2世なんてそうそう簡単に表れるものではありません。むしろそういった選手が大したことない成績で終わることの方が多く、その場合、元の選手への冒涜、と言うには強すぎますが、ちょっと扱いが軽すぎるような気がしてなりません。永久欠番はその球団にとって球団の歴史を作った素晴らしい選手であり、その選手自身の勲章でもあると思うのです。また、球団の誇らしい歴史を称えるものでもあると思うのです。ですから、本当に素晴らしい選手にはきっちりと永久欠番にしてあげたいと思うところではあります。

☆本日のおまけ その3

 先日、帯広市に出張に行ってきました。その際、帯広駅にあるエスタ帯広西館でかかっていたBGMが、英語がきちんとしているボールを取り扱うゲームのBGMでした。それも金銀バージョンのBGMのアレンジで。どなたかこの真相を知っている人はおりますでしょうか(笑)