Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

ヘリクソン新人王受賞

 で、先のブログを書き書きしているうちに新人王が発表されました。

 NLはキンブレルが満票で受賞。まぁあの化け物じみた成績なので当然でしょう。私に投票権があってもキンブレルに投票するでしょう。NLでの満票受賞はやはり現代の化け物とも言うべきプホルス以来なのだそうです。キンブレルの投球は見てて楽しいですし、今後の活躍を期待したいですね。

 そしてALの新人王は、当初から有力視されていたTBのヘリクソンが受賞しました。パチパチパチ

 こちらはチームでは08年のLongo以来の受賞となりました。前半のピネイダの独走から始まって最終的には混戦になりましたが、ヘリクソンは1位票17、2位票を5、3位票を2で合計102ポイントと思った以上に評価されました。2位には63ポイントでLAAのトランポが、3位にKCのホズマーとなり、当初ライバル視されたピネイダが5位、16勝と新人最多の勝ち星を挙げ、ウサギ年だからと割と推してたNovaは4位と予想とは大分違った順位になってしまいました。

 ヘリクソンはリーグでも最も低いBABIPに支えられての好成績という評価もありましたが、運だろうがなんだろうが新人王は今年の結果で評価される賞なのですから、まぁ文句はあまりない受賞でしょう。

 ではちょっとヘリクソンの成績を少し詳しく見てみましょう。

29試合29先発189.0イニング 13勝10敗

奪三振117被安打146与四球72被本塁打21防御率2.95WHIP1.15

 パッと見はやはり素晴らしい成績に見えます。少なくとも初めてフルシーズンをMLBですごした選手としては上出来でしょう。ただしまぁ例によってSABAR的な視点で物を見ると今年は非常に良かったものの、来年以降の成績に不安を覚えるものとなっております。

こんな感じ

K/9 BB/9 HR/9 K/BB BABIP

5.57 3.43 1.00 1.63 0.233

FIPFIP LOB% HR/FB GB/FB LD%

4.44 4.72 82.0% 8.1% 0.78 20.0%

 まず奪三振率がたったの5.57しかありません。マイナーではどんなに悪くても8.57以上あり、昨年もMLBでは8.17の奪三振率を誇っていたにも関わらずの急落。ちょっと何が起こったのかはわかりかねますが、MLBに対応しきれていないことなのでしょうか。

 また、BABIPがリーグ最低を記録した.233。どんな投手も大体.300くらいに収まるとされている数値ですから来年以降は揺れ戻しが来ることが予想されます。

 さらにHR/FBは8.1%とやや低い値を示していますから、こちらもやや揺れ戻しが来ると被本塁打が増加する傾向が出てくるでしょう。

その上LOB%は82%と80%を超える値。出してしまったランナーを返さないことが多かったということ。これも運要素が大きく、逆に今後この値が落ちると失点が増えることになります。

 さらにLD%が20%を記録しており、かなり芯で捕え易かった球であることが予想されます。

 などというかなり運に恵まれたためのこの成績だったので、逆に今後は危ない、と言われる訳です。それを示す通りFIPが4.44、xFIPに至っては4.72という値を示し、防御率2.95との差は1.77。この通り来季成績が揺れ戻したという仮定をすると防御率6.49。今年のラッキーなみです。

 逆に与四球率3.43はそんなに悪くなく、そのため5.57しかない奪三振率の割にK/BBは1.63という値が出ております。そのため、コマンドはともかくコントロール自体は安定しており、ストライクゾーンには球を集めることができそうです。ここは来季以降も期待できるでしょう。

 とまぁそんな訳で、ヘリクソンは今年は立派な成績を収めることができましたが、来季以降は若干不安…というか来年はいわゆる2年目のジンクスにハマりそうな感じがしております。ここを乗り切るのが一流投手への道ですかね。

 で

 その成績向上には間違いなく必要となってくるのが奪三振率の回復です。ここでMLBに無事対応でき、奪三振率がせめて8くらいまで戻ってくればまだ見込みはあると思うのですが。

まぁそこも含めて来年のヘリクソンに期待をしていきたいと思います。