Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

シーズン総括(チーム編)

 昨日でMLBのレギュラーシーズン全日程が終了致しました。TBは90勝72敗で地区3位。目標としていたPO進出はなりませんでしたが、選手達は全力で頑張ったかと思います。まずはお疲れ様です、と言いたいです。

 今日はチームの総括として見ていきたいと思います。その上で(フライングでいくつか始めちゃってますが)気になった選手、チームの中核の選手達を中心に選手の成績を見ていき、評価していきたいと思います。それと並行して、パークファクターの話やら誕生日の話やらストーブリーグならではの話題を準備でき次第提供できたらと思います。また、選手の移籍・契約に関しては後追いになりがちかとは思いますが、成績を含めて色々して考察したいと思います。また、どこかでシーズン前・シーズン中にした予想についての結果をまとめてみたいと思います。

 と言う訳で本題です。チームスタッツを見ていきたいと思います。いつもだったら表にしちゃうのですがちょっと見にくさもあるし今年の分を調べるだけなので本文ベタうちです。(MLB順位/AL順位)の様に示してあります。

攻撃系

得点697(18/11) 打率.240(27/12) 出塁率.317(16/8) 長打率.394(20/11) 本塁打175(10/8) 盗塁134(5/2) 三振1323(5/2) BB571(1/1) IsoP.155(13/8) BB%9.4%(1/1) K%21.7%(27/13) BABIP.284(27/11)

投球系

勝敗90-72(9/5) セーブ50(6/3) 失点577(1/1) 三振1383(3/1) 四球469(12/7) 被本塁打139(5/1) 被安打1233(1/1) 防御率3.19(1/1) FIP3.51(1/1) xFIP3.59(1/1) K/9=8.53(3/1) BB/9=2.89(11/6) BABIP.277(1/1)

 さて、これを見るとまぁびっくりする程投手力を中心としたチームである事がよくわかります。両リーグ1位を記録したスタッツが打撃では四球数(571)、四球率(9.4%)だけですが、投手力では失点(577)、被安打(1233)、防御率(3.19)、FIP(3.51)、xFIP(3.59)、BABIP(.277)と6つもあり、さらにリーグ1位はこれに加えて三振(1383)、被本塁打(139)、奪三振率(8.53)があり軒並み首位争いをしている事がわかります。これだけのスタッツを見れば非常に投手力に頼ったチームであった事が良くわかります。BABIPが首位と言う事で運だけに頼った、と言う見方をする方がいらっしゃるかもしれませんが、投手の力だけで産出される疑似防御率であるFIP、xFIPでも共に首位である事から相当なチームの投手力の高さが見て取れます。

 逆に得点力の方を見てみると昨年のアップにもあるように、打率.244(両リーグ23位)、出塁率.322(同12位)、長打率.402(同13位)、本塁打172(同9位)、得点707(同15位)だったものが各スタッツとも微減(まぁHRだけは最終戦で帳尻合わせ)。せっかくの大量補強が何の意味をなさず(は言い過ぎにしても)、昨年以上の不調に見舞われてしまい、PO進出を逃した最大の理由になってしまったのがわかります。また、ここ数年トップを固持していた盗塁数も首位陥落。残念。。。しかしながらそれでも四球率は両リーグトップを獲得。打てなくてもボールを見極めて少しでも出塁する意識が見て取れます。そのため例年通り打率(両リーグ27位)に対してちょっと良い得点(18位)と出塁率(16位)に現れています。三振数も多いので相手投手に対して球数を投げさせ疲労させている事がわかりますね。

 それにしてもシーズン前には前年を超えて一昨年の800得点が見える成績だって言ったのにちっともその通りにはなりませんでしたね。問題はやっぱり破壊力不足でしょうか。一応HR数は出てるのですが、ぺーな先生、Scott次長、Joystick(=Joyce stick=Joyceの打棒)には+10本期待したかったですし、Longoを始めとして特に野手陣に怪我人が多発したのが痛かったですね。。。逆に期待以上のHR数を放ってくれたのはケッピンジャー先輩、Molina、BJ兄貴辺りでしょうか。。。長距離砲が打たないで短距離打者が打っても仕方ないとも思いますが。

 詳細は今後考察予定ですがMolinaさんの貢献度は案外でかいのかもしれません。ただでさえ良かった投手力の急上昇やShields、PriceのGB%の急上昇など、リードにもよるもの?と思われるものが多くあり、まさにリードに定評のあるMolinaおぢさんの真骨頂とも言えるのかもしれません。

 さて、ここで終わらせてしまったらこのブログの存在価値が…何せ上は成績まとめただけだし。と言う訳でこのブログでもおなじみパイサゴリアン公式(ピタゴラス公式)に放り込んで今年は得点・失点からすると勝敗がどうだったかを考察したいと思います。

 さらに今回は通常のパイサゴリアン公式に加えPythago1.83と言う改良版、さらにアメリカのSABARメトリシャンイチオシのPythagoPatをそれぞれ利用してみたいと思います。また同時にNYY、DET、OAK、BAL、TEX、LAAの最後までPO進出を争ったチーム達と比較してみます。

 まずはそれぞれの公式を説明しましょう。

➀Pythagorian:(得点^2)/(得点^2+失点^2)

②Pythago1.83:(得点^1.83)/(得点^1.83+失点^1.83)

③PythagoPat:(得点^X)/(得点^X+失点^X)

X=((得点+失点)/試合数)^0.287

 パイサゴリアンはビル・ジェームズによって考案された指標で得失点から導き出される数字が疑似勝率となります。勝敗数を予想する上で非常に簡便で使いやすいのが特長です(2乗なので手計算でも予測可能)。Pythago1.83はその改良版です。PythagoPatはさらにそれを改良したものです。今度は何乗するかの数字を得失点力から換算しています。これが現時点では最も良く使われているものです。また、そこまで複雑な公式でもないのでexcelがあれば簡単に計算できるのが良いですね。

 では見ていきましょう。

    得点 失点 勝 負 勝率 得失差

TB  697 577 90 72 0.556 120

NYY 804 668 95 67 0.586 136

BAL 712 705 93 69 0.574 7

DET 726 670 88 74 0.543 56

OAK 713 614 94 68 0.580 99

TEX 808 707 93 69 0.574 101

LAA 767 699 89 73 0.549 68

 まずは基本線です。ご覧の通りTBは圧倒的に得失点が共に少ないのが見て取れます。また得失点数差はNYYに次いで2位。割と圧倒的な数字だと見ても良いのではないでしょうか。90勝というのが不当に低い数字にも思えます。逆にBALは(度々指摘されていますが)得失点数差が全然無く、全くもって不思議な数字になっています。最終的にはかろうじてプラスに転じましたがギリギリまで得失点差0付近をうろうろしてました。

 次に通常のパイサゴを見てみましょう。

    得点 失点 P勝率 想定

TB  697 577 0.593 96.1

NYY 804 668 0.592 95.8

BAL 712 705 0.505 81.8

DET 726 670 0.540 87.5

OAK 713 614 0.574 93.0

TEX 808 707 0.566 91.8

LAA 767 699 0.546 88.5

 想定の欄はピタゴラス勝率から想定される勝敗です。あー…トップですか。えーと?実際の勝ちは?えーと?下から2番目?

 まぁ結果は結果です。TBが負けた事実は変わりません。得点圏で長いこと打てなかった時期も、複数失点すると負けてた時期も長いことありましたしね。ただ、この結果は悔しいものがありますね。TBが行ってきた事は間違っていないということを証明した事にもなりますので。

 さて、より正確な結果を求めて他の式にも放り込んでみます。

    P1.83 想定 P.Pat 想定

TB  0.586 94.9 0.585 94.7

NYY 0.584 94.6 0.586 95.0

BAL 0.505 81.7 0.505 81.7

DET 0.537 86.9 0.537 87.0

OAK 0.568 92.0 0.568 92.0

TEX 0.561 90.8 0.563 91.2

LAA 0.542 87.9 0.544 88.1

 PythagoPatだとさすがに総得失点数が多いNYYに遅れを取る感じになりますがそれにしても各チームそれなりに良い的中率を誇るのはさすがです。問題はやはり東地区の2球団に絞られてきそうです。BALは想定では81-2勝と言う成績しか出てきませんしTBは95勝弱の成績が出てきます。実際と比べると大きな差が出てきたのがわかります。

 監督の手腕もあるでしょうが、今季のTBが競り合いに弱かったのに対してBALは1点差ゲームでの勝率の良さが最大の原因となるかと存じます。

 本当にTBのチーム編成の巧さはわかる結果となりました。得点力に関しては想定よりも大分低い数字になったにも関わらずピタゴラス公式の各パターンに入れても悪く無い結果が出ているだけにそれは事実でしょう。もちろん投手陣が相当頑張ったと言う結果もあります。それは非常に質の高い結果を出せていることがFIPやxFIPと言った指標や奪三振数などの生データからも理解する事が可能です。野手もBABIPがリーグでも相当低い数字になった事で打線が湿った様に取られるのがわかります。これがせめて普通な値ならって思わないでもないですがその分投手のBABIPもそれ以上に低く抑えられてるので文句は言えないですね。

 さて、このデータを持って今後各選手がこのデータにどういった貢献を果たしたのかを見つつアナリシスを行います。