Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

二人のRoberto Hernandez

 2007年、Roberto HernandezはRoberto Hernandezと半年だけ、Indiansでチームメイトだった。とはいえ、当時二人が同姓同名だなんて知っていたのはRoberto Hernandezだけだった。その後、Roberto HernandezはDodgersに移籍し、通算1000登板を置き土産に現役に別れを告げ、Roberto Hernandezは残って19勝8敗、ERA3.06という成績を残し、サイ・ヤング賞投票で4位に入った。二人とも身長も体重もそっくりだったが、だからと言って名前まで一緒だとは誰一人として想像だにしなかった。

 2012年、Roberto HernandezはFausto Carmonaに別れを告げ、正式にRoberto Hernandezとして再スタートすることになった。Indiansは温情込みでチームに残留させたものの3試合に先発して0勝3敗という成績に終わった。いかんせん被本塁打が多すぎた。また、三振も14イニングでたったの2つしか奪えなかった。

 失意のシーズンを過ごしたRoberto Hernandezだったが、そんな彼には救いの手がのばされる。かつてRoberto Hernandezが所属したチーム、Tampa Bay Raysだった。Roberto HernandezがFausto CarmonaからRoberto Hernandezになり、悔い改めたように、Tampa Bayの球団もDevilを取り払い、光り輝く球団へと変貌していた。光り輝く球団はもう一人、同じように悔い改めた救援投手、Juan Oviedoにも救いの手を差し伸べていた。

 Juan Oviedoはまだ登板していないが、Roberto Hernandezはチームとして2005年以来、1207試合ぶりにFA選手として同球団で先発した投手となった。当時はまだ光の欠片も無い、海の底を、アメリカン・リーグどん底を這いつくばっているチームだった。光り輝く球団になって以来、初の出来事だった。2005年当時はもう、Roberto Hernandezはチームを去っていたけれども。それもそうだ。古いチームには古いRoberto Hernandezがお似合いなのさ。Roberto Hernandezは4月21日、TampaでのAthleticsとの試合にも先発して、6回を3安打1失点に抑えて、新しいRoberto Hernandezとしての初勝利を挙げた。

 古いチームの、古いRoberto Hernandezへの道のりはまだまだ遠い。Roberto Hernandezは古いチーム時代に8つもの勝ち星を挙げ、古いチームはおろか新しいチームになってからまだ誰もクリアしていない、驚異の101ものセーブを挙げている。

 その上、光り輝くチームにはマイナー組織にもMLBでのローテーション入りを今や遅しと待ち構える投手も、故障で出遅れている投手もいる。新星Roberto Hernandezの挑戦は始まったばかりだ。結果こそまだついてきていないが、投球内容は悪くない。Roberto Hernandezも同じTampa Bayに面した隣町、Gulfportから彼の挑戦を見守っている…かどうかはわからない。

 あーなんか柄にもない形式のことを書いてしまった。うん。別に大したことではないんですけどね。King100勝の報道を見て、じゃあTBはって思って、勝ち星を見たら最多はそういえばShiledsで87勝、じゃあと思ってセーブ数見たらRoberto Hernandezが最多の101セーブで、アレ?って思って。んで調べたら二人のRoberto Hernandezがいるらしい、と。じゃあと思って書いてみました。好評かつまた何かネタがあれば書いてみようかとも思いますが、データ扱う人間としてこれはどうなんだろうか、と…。

【Roberto Hernandez】

1964年プエルトリコ生まれ。1986年にLAAに1巡目でドラフトされ、1991年にCWSでデビュー。最初3試合以外はすべてリリーフでの登板となり、2007年までのべ11球団で登板する。通算1010登板は歴代13位、326セーブも13位。TBには1998年から2000年まで3年間在籍し、球団最多の101セーブを挙げている。

【Roberto Hernandez】

1980年ドミニカ共和国生まれ。2000年に「Fausto Carmona」として海外FAでCLEに入団し、2006年MLBデビュー。2007年に19勝を挙げ、エースと目されたものの、それ以降は期待に応えられず、2011年1月に偽名を使用していることが発覚し、逮捕される。TBには2013年にFAで入団し、ここまで5登板で1勝4敗。