Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

とりあえず今年のSSと来季のお話 Miller・Morrisonらのトレード込

 さて、今日のターゲットは今オフFAとなるAsdrubal Cabreraとします。今シーズンは序盤不調ではありましたが、後半にかなり持ち直し、最終的には例年通りと言えるくらいの成績を残すことが出来ました。チームとしても15本塁打OPS.743は悪くない数字で、終盤は主軸として、最後のワイルドカード争いでもかなり頑張ってもらえました。

 そして何よりも私の成績予測がドンピシャに近い数字であった選手です(笑)本塁打が1本差、打率が大正解(正確には3毛差)、三振が4個差、OPSが(結果的に)7厘差、wOBAが4厘差は、シーズン前の予想からしたら褒められるべき数字じゃないでしょうか(自画自賛)。

 今オフは契約が切れるのでFAとなります。この成績を残せる二遊間の選手はそうそういないでしょうから、TB残留の目は非常に厳しいと思います。遊撃手ではDezmondが人気株でしょうけれどもその次位に人気が出るのではないかと思います。QOが15.8Mと言うことですから、それくらいの契約額になってしまいそうですね。TBは来季のSSどうするでしょうかね。BeckhamやFranklinには荷が重いでしょうし。特にFranklinはダメですねぇ。さっさとトレードしたいです。そして誰か安価でFAを置きたいですね。例によってDH・1B・SSそしてCが課題なTBです。

 ってなことを書いてるとトレードが発表されて、Karns等を出して、MorrisonとFarquhar、Millerを獲得なんですね。SSと1Bを同時に獲得です。詳しくは後述します。

 と言う訳で、今年の成績を確認してみましょうか。

□01

 結局143試合に出場しました。これは大体例年通りで、二遊間の選手はフル出場することがあまりありませんね。特に彼くらいの実力の選手までは。打席数も例年通りで、本塁打も15本で例年通りでした。盗塁数は減りましたが、これはTBの事情や打順の関係もあるでしょうし、一概には言えません。成功率が高いと良かったですね、本当は。ちなみにこれでもチーム4位の本塁打数。三振か三振か本塁打か三振かのSouzaが上にいましたが、TBでは主軸級の成績だったと言えます。ここら辺がTBの厳しいところですね。

□02

 WARが昨年、一昨年と比較すると持ち直しています。後述しますがBABIPの上昇による打撃成績の向上と、平均以下とはいえ守備が多少持ち直したことに因ります。とはいえその数値2.2はレギュラー級の選手としてはごく普通の値でしかないですね。TBはもうずっと良いSSがいないチームなので平均的な選手ですら大助かりです。

□03

 打率は過去2年に比べるとそれなりに持ち直しました。長打率も自身の平均を超えています。一方で出塁率はそこまで高い訳ではなく、事実上の過去最低成績であることにも注意が必要です。打率とパワーとTBの求める水準の低さに助けられていましたが。。。

□04

 BB%は6.5%と大して高くない一方、三振率が20%に迫っています。BB%が割と綺麗に波型を描いているのですが、基本的にはガンガン早打ちしていきたいタイプの選手なのでしょうね。本当に打率の高さに助けられていますが、これで打率が過去2年並みだったら割と困ったことになっていたでしょうね。P/OにもP/PAにも早打ち傾向は見てとれます。今年に限ればP/Oは自身の平均よりも悪い値でしたし、これはリーグ平均程度でしかありません。

□05

 で、BABIPは上昇したと先程は書きましたが、実は今シーズンは今まで以上にフライボール系が進行しました。その結果はまた下の項目で記載します。As. Cabreraの強打のSSとしての名が知れ渡った理由がこの打球傾向の変化とパワーの向上(HR/FBの向上)にあったのです。それが今年はさらに進行し、とうとうGB/FBが0.82となりました。長打は増えそうですが、打率は下がりそうな数字ですね。また、LD%は20.7%を記録しました。これは標準的ではありますが、昨年よりは持ち直しましたね。ここもわずかではありますが、打率の向上に寄与しています。

□06

 最後はこれですね。今年はBABIPが高く出ました(とはいえ実は過去平均とあまり変わらない)。が、xBABIPは低い値が出ておりました。その差のLuckは0.025。別に特別高い値ではないのですが、運に恵まれていたことは事実です。その結果、四球減、三振増、そしてフライ増にも関わらず成績が向上したのです。但し、前述したとおり、LD%の持ち直しがあったために14年シーズンと比較するとxBABIPが向上しているのはこれも事実です。

 また、xBABIPの再計算を行ったため、彼は比較的「運に恵まれ続けている」選手の一人であることが分かりますね。もっと言うと、このたった一人の選手の生涯成績程度では、運の要素はいかようにも振れ回り、大数の法則に従って平均値に回帰する訳ではないのです。ましてや、ビッグゲームでのクラッチなどはあるかどうかを言い切ることは不可能です。たまたまかもしれないし、たまたまじゃないかもしれない。でもそれは統計学では証明することが不可能に近いのです。精神的な理由づけなどを始めてしまうと心理学などの領域に入ってしまいます。それは現在の(というか、統計学を使った)SABR的なアプローチで野球の真理を探るのとは全く別のアプローチになるので、ごちゃまぜにしないことが大切です。経済学をやっていて心理学を混ぜるな、と怒られるのと一緒ですね。気を付けましょう。

 あ、来季の成績予測です。FAなのでかなりテキトー。。。とりあえずはレギュラー予想

543打数135安打 本塁打16 四球47 三振121 二塁打27 三塁打6 .249/.309/.409 OPS.718 wOBA.314

☆本日のおまけ その1

 TBは先発の(せっかく大好きになったのに)Nathan KarnsとリリーフのC.J.Riefenhauser、外野のBoog PowellをSEAに放出して、SSのBrad Miller、右のリリーフのDanny Farquhar、そして1B/OFのLogan Morrisonを獲得しました。

 Karnsは27歳の右の先発投手。一昨年トレードでWASから移籍して来て、今年は26先発147イニングを投げました。奪三振率の高さと与四球率の高さと暴投が特徴の投手ですね。スパイクカーブ、パーム系チェンジアップ、ワンシームと中二心を刺激して止まない投手です。TBは先発投手がArcher、Moore、Smyly、Odorizzi、Ramirezと豊富で、怪我さえなければKarnsの出番がなさそうだったことが残念ながらリリースとなった理由でしょう。悲しいです。。。来期、大爆発してもおかしくない投手です。せっかく今年のアナリシス記事書こうと思ったのに。

 Riefenhauserは25歳の左腕投手で、主にマイナーでも主にリリーフでの登板が多くなっています。そんなに速い投手ではないのですが、その割に与四球率が高めな投手。まぁ中継ぎ左腕と言うのはどこでも需要はありますね。

 Powellは22歳の俊足系の左の外野手。四球率の高さと打率の高さが特徴的で、TBっぽい選手でしたがこれもトレードです。来期位にはMLBに上がる可能性はあったでしょう。

 TBが手に入れた選手も見ていきましょう。Morrisonは前述のとおり、一塁兼外野手。打率は低くてもパワーと出塁率が高いという旧来のSABR系パワーヒッターの系譜を受け継ぐ打者です。Marlins時代の23本塁打が記憶に新しいです。今年はSEAで.225/.302/.382ながら17本塁打。TBにもっとも必要なパワーのあり、一塁と外野がこなせて、ぶっちゃけDH要員でしょ?と言う打者ですね。若干BABIPが低く出ているのが気になるところです。ちなみにフライはそんなに多くない打者なので、理由は全くの不明です。昔からなので、最近流行りのシフトもあまり関係はなさそうですが。。。

 続いてMiller。26歳の遊撃手ですね。今年は144試合497打席に立って11本塁打13盗塁。バランスの良い打者と言う感じがします。守備成績が悪く出てますけど、これ無理矢理CFとか守らされちゃったからじゃないかと思います。SSでぼちぼちの成績を残してくれれば万々歳ですね。

 そしてFarquhar。28歳の中継ぎ右腕で多少四球が多くても三振をガシガシ奪う感じのTB好みのリリーフですね。もっともリリーフなので、来季初めにいるかどうかわかりませんが(笑)

 全体的にみるとTBとしては珍しく将来を売って、来季に勝負をかけられる様なトレードをしたと言えるのではないでしょうか。今後、手に入れた二人ももう少し詳しく見てみますが、課題だったDH、SSを余っていた先発投手を駒に上手く補強した感じです。彼らが来年も良い成績を残せるかはわかりませんが、動きとしては非常に納得が行く動きです。

 SEA目線だと右の若い先発1枚と左のリリーフ、昇格の近い外野がどうしても欲しかったんでしょうね。事実上のレギュラークラス2枚を手放すトレードになりましたね。まぁ岩隈もFAですし、納得ではあります。

☆本日のおまけ その2

 NPBのFA宣言について。西武の脇谷がFA宣言だそうで、Cランクなので今オフの目玉とか。…グリンキーと脇谷の差ですか。。。大きいですね。これは間違いなく今のNPBのFAが球団への忠誠を確認する踏み絵と化しているからだと感じます。そもそも契約切れたのに、自由契約(英訳:Free Agent)にならないのはおかしいですよね。しかも外国人枠の選手に関してはこれが適用されているというのに、です。不思議なものですね、NPBって。

 それとCランクだからとかAランクだからと嫌がるのは何か不思議なものです。確かに例えばCランクとBランクの境界線上の選手で比較するのはともかく、バリバリAランクの選手とCランクの選手を比較するのはおかしいでしょう。Aランクの選手は主力として求められている一方、Cランクの選手は基本的には補助戦力なはずですしね。人的補償とか言ってますが、そんなものが開花する事を心配するのは本末転倒と言うか…数年後の将来を売って、今(来年)を買ってるのですから覚悟の上であるはずです。

 ちなみにFA選手を獲得して成功はほとんどないって言葉を聞きますが、むしろ失敗談の方が少なくないですか?気のせいですかね。。。NPBには詳しくないのですが、元服前に巨人ファンだった東京生まれ東京育ちの男の子としては工藤公康とか清原とか江藤とか前田幸長とか谷繁とか片岡とか金本とか稲葉とか小久保とか小笠原とか新井とか和田一浩とか相川とか内川とか村田とか鶴岡とか杉内とか佐々木とか新庄とか田口とか松井秀喜とか高津とか藪とか城島とか岡島とか黒田とか福留とか上原とか高橋健とか高橋尚成とか岩隈とかなんか成功例がたくさん出てくるんですけど、何か問題でもあるんですかねぇ???よくわからないですね…。逆に人的補償で大活躍しちゃった人とかいるんですか?一岡の半年くらいですか?(笑)

☆本日のおまけ その3

 タイトル詐欺…とまではいかないですけど、私のブログはタイトルを見ても中身が想像しにくいものに敢えてしています。と言うかそうでもしないとTBの個々の選手の評価なんて誰も読まないでしょうから(笑) まぁ開けた瞬間に戻るボタン押す人も多いと思いますが。。。逆に日本人選手の話題なんかは積極的にタイトルに名前などを入れるようにしています。また、過大とも言えるタイトルもよく使います。「最強」とか「史上」とかそういうのですね。結果が右の方の記事ランキングですね。1位、4位は「最強」が、2位3位6位7位は日本人の話題が、ランクインしています。そして一番力入れて自己満足してる数字系ブログはほぼランクインしないという状況が、スポナビの読者がどんなものを求めているかを表しています。

 そんなに読者数にこだわるなよって言われるかもしれませんが、それなりに読んでもらえるのは嬉しいものですよ。自己満足のブログであったとしても。でも読者の人のために書いている訳ではないので、今のスタンスは崩すつもりは一切ないですね、はい。証拠の無い議論をしても無駄と言うか不毛ですから。特に数字と言うのは目に見えてわかりやすい証拠だと感じています。その分、偽造もしやすいんですけどね。自分のブログのちょいちょい間違ってるところも見る人が見れば結構わかっちゃいますよ、と。

 ってね、今回のタイトルがすごく苦労したんですよ(笑)Asdrubal Cabreraなんてタイトルに書いた日にはほとんど誰も読まないのわかっていますから(笑)

☆本日のおまけ その4

 NYJは@NEに続いて@OAKでも敗戦。そしてその試合でQBのFitzpatrickが左手の腱を負傷、さらに復帰したSmithまで負傷。層が薄いのを騙し騙し使って好調だったNYJがかなり厳しい立場にさらされることになってしまいました。どうもFitzpatrickは左手であるから手術を先送りしてプレーを続けそうですが、辛いのは事実です。。。どうなることやら。