Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

Morrisonがどこまでできるのかが問題だ

 そんな訳でMorrisonをトレードで獲得したので、成績を眺めていたら、やけに低いBABIPだなぁと思ったので、せっかくなので彼の成績を調べて、来年の成績を予測してみようかなと思います。SEAではNFA候補とまで言われ、おまけ扱いの感じがするMorrisonなのですが、実際はどれくらいの成績を残せるでしょうか。

□01

 10年にデビューし、11年には123試合の出場で23本塁打とパワーを示しました。しかし、怪我もあり、実は規定打席以上を残したのは11年と15年のわずかに2年だけでした。私の中ではこの11年の時の活躍がやたらと印象に残っているのですが、それ以外の年は350打席くらいで10本塁打ちょっとくらいの選手ですね。今年は久々の規定打席に乗り、17本塁打と頑張りました。また盗塁は8つとキャリアハイを記録しましたが、数も多くなく、CSも多いのでそこまでのものではありません。

□02

 今年は17本塁打を放ちましたが、wOBAは.298とレギュラー失格レベルな上に、守備は元々かなり悪いのでWARはマイナスを記録してしまいました。WARはキャリア6年で3度もマイナスを記録していて、これだけを見れば確かにNFA候補なのは理解できます。が、wOBAはそこまで(WARがマイナスになる程)悪い訳ではなく、これは完全に守備が足を引っ張っているためであると言えます。特に外野の守備はちょっと頂けないですね。。。

□03

 打率は低い一方、打率に対して出塁率は多少良く、パワーがそこそこあるという典型的なDunn先生タイプの打者ですが、それにしては出塁率長打率も中途半端な印象があります。またIsoDも下がってきているのが気になるところではあります。そのため、実際はそこまで攻撃力も高いとは言えないのが実情です。ちなみに出塁率は実際の数字を見ないといけないので、イチローの(全盛期の)出塁率が低いなどとは誰も言えないはずです。少なくとも全盛期のイチローなら打率だけでMorrisonの出塁率くらいは打ててましたからね。ただ、四球の方が安定して翌年も選べる率が高い(分散が打率と比べて小さい)ことと、以前は出塁率を気にして選手を獲得することが無かったため、OAK辺りの貧乏球団がそこに着目して市場価値の低い(安価で獲得できる)選手をかき集めて成功したことで、四球の価値が必要以上に高まったと言えるのではないでしょうかね。ってそれは誰でも知ってるか。

□04

 それでもBB%の高さは魅力的ですし、K%はその割には高くありません。本来はかなりバランスの良い打者だと言えそうです。しかしながら、P/PAは決して高くは無く、4.0を記録することは難しそうです。併せてP/Oも低く出ています。このことから、Dunn先生の様に徹底して甘い球以外は見逃すようなスタイルではなく、もう少し雑に手を出しやすいタイプだと言えます。中々珍しいタイプかと思います。

□05

 これまた不思議なことに、こういった低打率・高パワー・高出塁率タイプの打者にしては珍しくGB/FBが高く、ゴロ系の打者なのです。逆に本塁打が増えていないのはこれが理由なのではないかと考えられます。最近は徐々にフライが増加している傾向も見えます。また、LD%は高くも無く低くも無く。規程打席に乗っていないことが多いため、その数値は乱高下していて、打率はここらが重要になってきます。そしてTBの打者ではあまり見かけない、安定して10%を超えるHB/FBが素敵です(普通ですとの突っ込みは不要です 笑)。

□06

 ここが今日の本題ですね。トータルのLuckは(xBABIPの計算のやり直しで.015程水準を下げたのに)、なおもマイナスの数字を記録しています。元々のxBABIPが高い訳ではありませんが、それでも低すぎる感じです。ここの持ち直しを狙ったのではないかという考えは、これは実はKotchman、Keppinger、Loney、Forsytheに続く5匹目のドジョウ狙いなのです(笑)これが当たっちゃったら本当に面白いですが、実際はどうなるでしょうか。特に今年は低い値が出ているのが気になります。つまり今年は久々に規定打席に乗りましたが、それでも本来の実力までは届かなかったと考えられるのです。そこの復活があれば、悪くない数字が出てくるでしょう。ちょうどすぐFAにもなってしまいますし、この1年の動きだけを読めばよいというのも、Loney以前の3名と同様ですね(Forsytheだけは違う考え方)。ちなみにデビュー年はフルシーズンではないにせよ、高いLuck、2年目は不運になりながらもそこそこの数字をマークしてMLBにしがみついている形はLoneyそっくりです。

 さて、そんな訳で見てきましたが、思ったよりパワーが無いことと、あっさりと凡退する打者であること、低BABIPであること等が見えてきました。問題となるのは起用法ですが、とりあえず現状でもKiermaierにジェニ、Guyer、Souza、Mahtookら外野は豊富におりますので、外野での起用は考えなくて良いでしょう。そろそろ大型契約(当チーム比)の1B Loneyが重荷になりつつありますが、とりあえずはLoneyが1Bと仮定すると(トレード先、見つかるかな)、やはりMorrisonの居場所はDH。逆にピンチになったらどこかしら守れるDHという考え方をすればTBとしては悪くない選択肢になりそうです。そもそもJasoはTBでは引きとめも難しいでしょうから、現実的な選択肢と言うところでしょう。SEAのSafco Fieldが投手優位な球場であることを指摘する方もいるかと思いますが、Tropicana Fieldもそれなりなものですから、効果は限定的だと見るべきでしょう。

 そんな訳で細かな怪我も含めて110試合位の先発出場、合計125試合くらいの出場機会を得られると考えて成績の予測をしてみました。

420打数103安打 本塁打15 四球52 三振85 二塁打21 三塁打3 .245/.328/.417 OPS.745 wOBA.328

 TBの選手にしてはぼちぼちな数字が出てきました。良いですねぇ。これくらい打ってくれれば(期待値が低い)。

 ちなみに希望的観測を入れまくるとこうなります。

512打数 135安打 本塁打19 四球63 三振95 二塁打27 三塁打5 .263/.344/.447 

OPS.791 wOBA.345

 う~ん。これはさすがに高望みな気がしてきたけど、これくらい打つと4番でしょうね(ハードルも低い 笑)

☆本日のおまけ その1

 松田が海外FAでMLBに移籍を希望だそうです。松田は私の中ではNPBの野手の中では二番目くらいにMLBで普通にプレーできそうな選手だと感じている(一番はもちろん中村剛也)ので、この判断は大賛成です。

 弊ブログでは過去にも日本人選手の成績とか見てきましたが、一つにMLBに移籍した時の成績はいわゆる違反球時代の11年12年の成績が基準となると感じています(気になる方は記事を探してみてください)。11年に25本塁打7三塁打で.282/.344/.510を、12年は95試合ながら9本塁打7三塁打 .300/.349/.492を(しかも福岡を本拠地で)記録した松田はかなり期待ができる打者だと感じます。普通の球団に移籍した場合、下手すりゃ20本塁打超もあり得るかもしれません。もう一つが右投げ右打ちであること。MLBでは右投げ左打ちの打者が大きくパワーナンバーが下がっているのに対して、右投げ右打ちの打者はそこまでではありません。スイッチヒッターはそれ以上に酷く、左投げ野手がご法度の日本では、左投げ左打ちの野手はMLBには移籍していません。

 ついでに内野手とはいえ、サードがメインポジションですから、こちらも好感度が高いです。MLBの日本人内野手はほとんどすべてが二塁手・遊撃手で肩の強さやら二塁での併殺崩しやらに苦戦していましたが、岩村はTBに移籍した07年には普通にサード守って、平均ちょっと上くらいの数字を残していましたからね。二遊間と違ってかなりハードルは低いと感じますよ。実際、MLBに移籍した場合、岩村の成績をクリアできるかが一つの目安じゃないかと思います。

 怪我が若干多い印象なのがちょっとアレですが、普通に起用されてさえいれば、ぼちぼちな成績を残せるんじゃないでしょうか。あとは年齢が心配ですよねぇ。2-3年プレーできれば御の字じゃないでしょうか。個人的にも大好きな選手ですので、MLB移籍を應援します。

 ついでながら、その違反球騒動位からですかねぇ、NPBがパワーを捨てて、極端なスモールボール時代に移行したのは。普通にスイングすれば良いと思うんですけどねぇ。。。現状パワーは完全に外国人頼みなのはよくないと思います。

☆本日のおまけ その2

 朴炳鎬はMINが落札だとか。落札額12.85Mはポスティング野手ではイチローについで2番目の数字とのこと。でも当時、ポスティングを利用した野手がいなかったことや、年俸の高騰を見ていると一概に比べられないかなぁと。というか、NPBでアレだけ圧倒的な成績残していたとはいえ、イチロー、凄いですね。15年前に既に13Mの入札ですか。。。それと、ここ10年ちょっとでMLBNPBの資金力の差は大きく開いた気がしますねぇ。ちょっと前ならMLBでも5M/年の契約は大型契約の部類でしたし。。。あーまぁフロリダ半島西岸の某チームは未だにその頃の金銭感覚が通用しますけどね(笑)

☆本日のおまけ その3

 我らがNYJは満身創痍ながらJAXを破って何とか連敗ストップ。5勝3敗でAFC East2位をキープしています。負ければ貯金が底をつくところだったので、相手の自滅に助けられた形とは言え、良かったです。しかし、左手は手術が必要な程の怪我を押して出場を続けるFitzpatrickにCのMangoldが首の怪我、さらにKのNick Folkまでが欠場するなど、本当にボロボロ。そして上を見ればにっくきNEが8連勝と突っ走っています。何とかついて行きたいけど、かなり厳しそうですね…。次は木曜日の同地区BUF戦。ここでの1勝はお互いに大きなものになりそうです。

 …それにしてもJAXのユニホームは好きになれん。。。あのヒョウ柄が駄目なんだよなぁ。