Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

Millerについても見てみる

 今回は同じくトレードで加入したMillerについて見てみましょう。89年生まれの26歳の選手で、11年のドラフト2巡目、全体62位で指名されました。その後、順調にプロスペクトとして成長し12年MLBデビュー。今年3年目の選手です。ってこの辺はSEAファンの方々の方がよく知ってますかね。成績を確認していきましょう。

□01

 かなり順調なステップアップです。SSの選手ですが、そこそこのパワーとスピードを持っています。ただいずれもトップクラスとは言えないところがまた歯がゆい感じです。打席数も順調に稼いで、今年は500をわずかに欠けるくらいでした。

□02

 打点は気にしないとして、WARははそこそこかと思いきや、今年急落。これは外野の守備指標がガタガタなことが影響しています。とりあえずSSに戻すだけでよくなるでしょう。TBは何度も言及するとおり、外野の頭数は揃っている一方、SSはFranklinとBeckhamというちょっと期待外れな元トッププロスペクトコンビに頼らざるを得ない状況ですので、MillerもSSでの起用が中心になるのではないかと思います。

 TBはずーっとトレードでもやたらとSSを取って、様々な5ツール型のSSをとっかえひっかえしていますが、いずれも帯に短し、それどころか襷にも短しと使えず、せいぜい雑巾くらい?…という状況で、ネックになっています。08年全体1位の最高額ユーティリティーBeckhamが物になってればここまでの苦労は無かったのでしょうけれども。今回もその系譜に名を残す可能性もありますが、一先ずはMillerにSSを守ってもらわないと話にならないでしょう。

□03

 打率がマイナーからMLBに上がった途端に急落している気がするのは気のせいでは無いと思います。同様に長打率も下がっていて、MLBでの対応に苦慮しているのがよくわかる形になっています。一方、IsoDも若干下げているところが気になるところで、全体的にMLBに対応しきれていないのが分かります。MLBでは大体OPSが.700前後ですからまぁTB基準では十分なくらいの数字であると言えます。

□04

 事実、BB%は下がっていて、K%が上昇しています。MLBで打てていない最大の理由がここでしょう。はっきりと球を捉えられていないことが分かります。

 P/PAも全体的に低い値が出ています。これは完全に早打ち傾向を示す数字です。打率・出塁率が低いのに伴って、P/Oも低い数字が出ています。その割に、球数を食う三振は多めです。失格とまでは言いませんが、かなりあっさり凡退していく印象を持たせます。…SEAファンの方には申し訳ないですが、そろそろ地雷臭がしてきましたよ。。。

□05

 Batted Ballのマイナーの記録が無いのはちょっと残念ですけど、MLB昇格後を見ていきましょう。基本的にLD%は普通な値で、GB/FBは高い数字です。つまりかなりのゴロ系の打者であることが分かります。俊足の左打ちでゴロを多く打つのはNPBの打者みたいですね。HR/FBは平均よりも良い数字であるので、ゴロを打つことが多い割には本塁打は多い傾向であると言えます。事実14年、15年と2年続けて本塁打が二桁に乗っています。これもTBにはありがたい傾向です。

□06

 14年は不運気味、15年は幸運でした。ここで再度3枚目のスライドを見てください。幸運でも打率はわずか.258にとどまっているのです。もちろん、14年の様に不運に振れると.221と失格レベルの打率にまで落ちてしまうのです。要するに、実際は率関係を残すことがかなり難しい打者だといえます。下手にもっとできると思わない方が良いでしょう。もしここを改善するとしたら、まずは三振を減らして、四球を増やす、難しい球に手を出さずにじっくりと見ることが求められるでしょう。それが出来れば一流選手の方に振れていくのではないでしょうか。

 MLB Totalでは-0.003と出ていますが、近年はxBABIPの基になる値が下がってきていますから、実際はもっと幸運である可能性が高いですから、尚更、今後に期待することは難しいと考えます。

 そのため、ゴロ系でそこまでパワーには頼れない打者であるにも関わらず、打率も基本的には期待できず、守備もそこそこでしかない打者なのです。過剰な期待は出来ない打者でしょうねぇ彼。またしても地雷を踏んだんじゃないかと思います。TBはSSを見る目は無いですね。マインスイーパで地雷除去の訓練でもしませんか?(笑)

 と言う訳で今日のまとめです。

・ゴロ系の打者だがそこそこのパワーのある選手である。

・外野に回されたことで守備指標が悪化し、WARが下がったが、SSに戻すことで守備は改善されると考えられる。

・マイナー時代に比べると下がった四球率と三振率。

・結果的に打率は期待できない。

・四球率が下がっているので、出塁率にも期待できない。

・…地雷じゃね?

・負けトレードじゃね?

・マイナー時代の輝きを取り戻すためにはこの三振率と四球率の改善が必須。

 地雷地雷言ってばかりでもしょうがないので、成績予想もしてみましょう。とりあえずフルシーズンは厳しいとして440打席で計算しました。

396打数97安打 本塁打11 四球44 三振95 二塁打18 三塁打3 .246/.321/.390 OPS.711 wOBA.314

 ポジションが違うとはいえ、Morrisonの方が伸びしろがあるように感じます。これを裏切るような成長を、Millerには期待したいですね。

☆本日のおまけ 

 MLBのGG賞が発表になりましたね。一応間違えないようにするとGold Gloveですよ。Golden Gloveではありませぬ。TBからはKiermaierがCFで初受賞。ぱちぱちぱち。圧倒的な守備力でしたから、当然っちゃあ当然かもしれませんが、何せGGは基本的には打撃の賞(笑)ですし、地味なTBの選手が受賞することはかなりハードルが高い訳です。ですので、これは喜ばしいことですね。来年もその守備、頼んます。