Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

あなごさんがエイのチームにやってきたぞ

 さて、旧聞になりますが、TBがHank Conger捕手をいわゆる金銭トレードでジュース仲間のHOUから獲得しました。とりあえずMLB全体では投手陣が激しく動いていますが、懐が寒いTBは例年の様にそこには大きくはタッチせず。まぁ投手陣自体はTBは、ね。野手も今年はMillerとMorrison獲得で、結構ロースター的にもいっぱいいっぱいと言う感じ。働かない高給取り(当チーム比)のLoneyやロースターの場所塞ぎとなりつつあるジェニ辺りを上手い具合に処理したいですけど、そもそもトレードの価値も低い選手達ですからねぇ。上手いことMcGeeやBoxbergerらとセットでトレードしちゃいたい感じです。

 さて、そのCongerです。Congerは英語ではアナゴの事。日本語にしちゃえばあなごさんってな感じです。エイとの親和性はわからないですけど、とりあえず同じ水槽での飼育は可能だと思います。。。Congerはスイッチの捕手で、韓国系の捕手であることも知られていますね。高卒で06年の全体25位でドラフト指名された元々期待の捕手でした。その後はまぁ…打撃が期待通りに伸びず、さらには今年1/43という盗塁阻止率で守備方面の評価も、となり捕手地獄TBへのトレードとなってしまいました。そんな彼の成績を詳しく見ていきましょう。

□01

 基本的には強打の捕手と言うふれこみでしたが、MLBでは結果が中々出ていません。ただし、今シーズンは229打席で11本塁打とキャリアハイを記録。これが開花の予兆なのか、狂い咲きなのかは注意していく必要があります。今まではフルシーズンを正捕手としてプレーしたことは無く、2番手捕手くらいの地位を保ち続けています。

□02

 打点はまぁ置いといて。wOBAを見るとマイナー時代に比べるとMLBでガクッと成績が落ちています。彼もまた、MLBとマイナーの壁にぶち当たっている選手の一人です。WARは控え選手程度の数字しか出ていませんが、控え捕手なのでしょうがないと見れますね。また、個人的には四球に対して三振が多めなのが気になるところ。特にマイナー時代との比較をすると一目瞭然で、ここでもMLBの壁にぶつかっているのが分かる数字です。

□03

 率関係を見てもマイナー時代の輝きはMLB昇格後はありません。が、IsoDはあまり変化が無いことがわかります。上述した通り、四球に対して三振が多めだったことから考えると、四球は変わらずとも、三振が増加してしまっていることを示しています。

 今年は打率こそ低かったですが、長打率が高く、OPSが結構良い数字だったのは好印象ですね。いくらミニッツメイドとはいえ。

 □04

 確かにBB%はあまり変わらないで、K%が上昇していることが分かりますね。明らかにMLBの球に当たらないことが問題である、と言えるのではないでしょうか。P/Oは出塁率が低いので当てにならないとして、P/PAはそれなりに打席数を稼げれば4前後は有りそうです。どちらかと言うとカウントを深くして球をじっくり見るタイプだと言えます。近年は三振数の増加と四球数の減少に伴って早打ちでも強い打球を打てる打者の価値が高まっていますが、そこからすると真逆のタイプの打者となっています。

□05

 打球傾向を見ると、基本的にはフライ系の打者であることが分かります(10年12年は極端に打席数が少ない)。毎年40%を超える打球がフライとなっています。また、LD%はむしろ低くなっています。このため、彼に高打率を求めることは酷であるといえます。一方、HR/FBは高めで、標準以上。そのため、打率は低くても長打が打てる選手であるとも言えるでしょう。

□06

 そのため、BABIPも低く抑えられているのが通例となっていてます。基本的に高打率は期待できません。運要素は打席数が少ないこともあり大きく振れ回っていますが、トータルで見れば大体平均程度になっています。要するに来期以降の成績の予測が難しいということです。。。

 ちなみに左右別でみると右の方が打てているのですが(通算OPS.685/.617)、出塁率と四球率だけはなぜか左の方が圧倒的に選べてたりします。よくわからない選手ですね。

 さて、では来季の起用を見てみましょう。TBは今年も捕手が辛く、.202/.239/.361 wOBA.260と完全に足を引っ張る形でした。但し、本塁打だけは21本。謎の大爆発をしたCasaliが113打席10本塁打、途中加入のArencibiaが73打席6本、そして正捕手Riveraが319打席5本でした。来年はCasaliとConger、Riveraの3人の起用が中心になるのではないでしょうか。今年も例年と同じようにCongerはそこそこの打席数は与えられそうです。そしてTBの捕手陣は相変わらず打てなさそうです。まるで日本の捕手の様です。

 と言う訳で彼の成績を予想してみましょう。難しいのは打席数なんですよね。

201打数45安打 本塁打8 四球19 三振55 二塁打10 三塁打0 .221/.289/.391 OPS.679 wOBA.299

 まぁTBらしい捕手の成績ですね。

 今日のまとめです。

MLBの壁に当たって乗り越えられていない打者

・特に三振の増加が彼の正捕手への道を阻んでいる。

・基本的にはカウントを深くしたい打者

・フライ系の打者で、打率は低いが長打力はある。パワーもそれなりにある打者

・TBの捕手らしいともいえる。来期は3捕手の併用が中心と思われる。

・15年はミニッツメイドが本拠地の事もあり、ちょっと良い成績を残した。これを維持するには三振率の改善は必須である。

・あなごさん(27歳)

☆本日のおまけ その1

 Congerはアナゴの事ですけど、世界的に見てCongerというと日本で寿司屋で出てくるいわゆるマアナゴの事は想像されません。普通はヨーロッパアナゴやアメリカアナゴ、日本だとダイナンアナゴやクロアナゴと言った種が想像されます。こいつらはせいぜい7-80㎝でトイレットペーパーの芯くらいの太さのマアナゴとは違い、未使用のトイレットペーパーの太さから太腿の太さ位ある大型種なのです。日本のマアナゴはむしろ小型種なのですね。

 ついでにEel。ウナギですが、これまたいわゆるニホンウナギは小型種で、一般的には未使用のトイレットペーパーくらいの太さがあるオオウナギの方が世界標準のサイズのウナギなんですよね。理由は知りません。そういうものだってことです。まぁ食べるには日本のウナギ・アナゴサイズが良さそうですし、味もこいつらが良いみたいですけどね。

 ちなみに下あごが突き出てて受け口なのがウナギ、上あごが突き出てて鼻高なのがアナゴです。簡単な見分け方。

☆本日のおまけ その2

そう言えば契約時35歳に3年33Mの契約は出しすぎかつ不良債権化待ったなしだったはずのKyle Lohse(スペル難しい)。ドラフト指名権の絡みもあって3月末まで契約が決まりませんでした。

が、結局

13年 198.2回 11勝10敗 防御率3.35

14年 198.1回 13勝9敗  防御率3.54

15年 152.1回 5勝13敗  防御率5.85

で、結局ほぼ不良債権化することなく、むしろ普通に良さげな成績で投げ抜いて今年FAになりましたね。ミラーパークが本拠地なので立派です。最後はちょっと息切れしましたが、まぁ3年契約で2年まともに働いたのでむしろ成功じゃないかと思います。今年は年齢もあって話題にはなっていませんが、素晴らしいですね。野球選手の成績予想の難しさを感じさせます。それと誰もこの契約を褒めることも無く、貶めていたことを忘れているのも面白いです。まぁ地味な球団の地味な選手ですから。。

☆本日のおまけ その3

 我らがNYJはジャイアンツとのなんちゃってNew York対決(@New Jersey)をOTで制して7勝5敗に。色々あって現状は第6シードとなっていますが、例年通りこのワイルドカード争いは僅差の戦いで、負けられない戦いが続きます。このまま行くと16週の本拠地でのNE戦、17週の@BUF戦が本当に最大の山場になるのではないでしょうか。怪我人が多く、安定しない戦いが続きますが、何とかNEを倒したいですね。POで。それでもう満足だよ。。。

 それにしてもMangoldは本当良い選手ですわ。彼がいるといないとではOLの安定感が段違いですね。