Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

それやっぱりフォークだよね?用法用量を守ってお使いください。

 ご無沙汰をしております。そして遅ればせながらあけましておめでとうございます。本年も「Rayを釣りたくて」をよろしくお願い致します。釣りバカながらまだエイを釣ったことがございませんでして。。。毎年のお約束なのですが、本記事から今年や今シーズンは2016年シーズンのこと、去年や昨シーズンが2015年シーズンのことを指します。ご注意ください(書き手の私が)。

 いやはや。今年のTBは先発投手もリリーフも野手もロースターは良い具合に埋まってる一方で、流動的な起用が多くなりそうで、中々選手の成績予想が大変でやってないんですよね。NFL見ちゃってたし。そんなこんなでご無沙汰な記事の更新です。

(前座はもうちょっと続きます。Odorizziの記事を期待してた人はもうちょっと待ってね)

 我らがNYJは最終戦BUFに敗戦して10勝6敗でシーズンエンド。最後の最後まで期待を持たせてもらえたシーズンでしたが、本当にあと一歩のところで届かず。シーズン当初の期待値に比べればはるかに良いシーズンで100点満点をつけられると思う一方、それでもやっぱり悔しさも満点です。FitzpatrickやMarshallがあそこまでチームにフィットするとは思わなかったし、シーズンが進むにつれてチームの熟成が進んで、最後は良いチームになったなぁという感覚でした。そういう意味でもあと1試合か2試合、できればPOでNEを倒す姿(まぁ彼らも第2シードだったんで勝ってもそうそう簡単には戦えない)を見ていたかったなぁと思いました。チームはまだまだ層も薄いし、FitzpatrickはFAだし、なのにドラフトは20位だしで課題は山積みですけど、来年も頑張って欲しいですね。

 POはどうしようかなぁ。とりあえずHOUとCALでも中心に見てみようかなぁと思います。NE(とPITとSEA)が負ければ何でもいいですけど。来年はGame Passも契約ですかねぇ。家にテレビないし。

 さて、では本題に入りましょう。今日のターゲットはOdorizziさん。昨年は細かい怪我での離脱はありましたが、チームの中核としてローテーションを維持し、チーム2位の28先発、3位の9勝をあげました。この彼の課題等を確認していきましょう。

□01

 面倒かつかえってわかりにくいので昨年のマイナーの成績は省略してあります。怪我の影響で14年よりも3つ少ない28試合の先発でしたが、イニング数はむしろ増加。これは彼が長いイニングを投げられるようになったことを示しています。ですが、勝利数は9つに留まり、9敗もしたせいで、今年も貯金は0。デビューから4年連続で勝ち越ししておりません。日本ならそろそろリリーフに転向させられちゃいそうです。ちなみにここには載せませんが14年はP/In(1イニング当たりの投球数)が18.02を記録していましたが、昨年は16.27と1割程の削減に成功しました。この結果が長いイニングを投げられるようになったことにつながりました。ちなみに1試合当たりの投球数は97.68→98.39と1球弱の変化でしかなく、イニングの増加は効率の様投球だと言えるでしょう。

□02

 イニング数は増えましたが、被安打、失点、自責点、被本塁打、与四球、奪三振が軒並み減少しました。被安打も奪三振も減少は珍しい傾向ですが、これらが相まってイニング当たりの投球数の減少につながりました。

□03

 奪三振と与四球がいずれも減少し、バランスは13年に近いものになりました。とはいえ、14年に身に着けただろう三振を奪う能力が維持されているため、K/BBがかなりまともな値を示しました。被本塁打の減少は少々気になるところですね。

 今年に関して言うともう少し三振を奪いつつ、四球率を維持できると美しいのかなぁと思います。例えばK/9=8で、BB/9=2.4、K/BB3.33くらいのイメージです。

□04

 ERAは3.35。これはリーグ8位。素晴らしい数字です。(ちなみにPrice、Kazmir、Archerって先輩方がそれより上に。すげーなTBなみんな。まぁその4人で貯金があるのはPrice一人だけど。)FIPはそれよりも悪いもののキャリアハイの3.61、K/9に大きく左右されれるxFIPは昨年から下がって3.96。これだけを見るとそれなりに運に恵まれていたと考えられるでしょう。また、球速上昇などもあって奪三振が増加している現在のMLBでは三振を大量に奪ってもリーグ内での傑出度は上がりにくい一方、三振が奪えない投手はかなり苦しい立場に追い込まれそうです。

 kLOB%とLOB%で比較するとここも結構恵まれていたようです。もっとも奪三振率が上昇していて、LOB%も上昇傾向にあることは申し添えておきます。そこそこ悪くないkLOB%を持っている投手です。

□05

 WHIPはまぁ良いとして(これって投手版OBPでしょ?)、BABIPは.271と結構低目。一方xBABIPは標準で、そういう意味でも幸運だったと言えるでしょう。14年とは真逆な感じです。サンプル数が少ないため一概には言えませんが、ここまでの彼のLuckの振れ回りは結構大きめの様に見えます。逆にkLOB%の振れ回りは小さいと感じます。

□06

 昨年は今までと比較してゴロが増え、フライが減少しました。過去には強烈なフライ系の打者ではありましたが、今年はかなりマイルドでした。フライ系だと被本塁打が増える傾向がある一方、BABIP自体はかなり押し下げることが可能です。但し、LD%が高かったり、四球が多かったりするといくらゴロが少なくてもランナーは溜まりがちですから、フライ系でも失点が多くなりがちです。逆にゴロ系だとランナーは出やすいですが、一発は食らいにくく、不意の失点は少なくなりますが、どうしてもぽろぽろと失点を重ねやすい傾向はあります。いずれも守備や持ち球、コントロールなんかとのバランスが重要になりますね。効率的な投球を心掛けた結果、ゴロ率の上昇(ゴロを打たせる配球への変化)があったのかもしれません。HR/FBに大きな変化はありませんから、昨年の被本塁打減少につながったと言えます。

□07 

□08

 変化球は昨年までスライダーと判定されていた球種がカッターと判定されるようになりました。速球の上昇以上にスライダー/カッターの上昇が大きいです。また、カーブは減少を続け(個人的には好きな球種なのだが)、チェンジアップは増加しています。彼の場合、TBがスプリッター系の変化球を嫌っているため、明らかに挟んで落している球種にもかかわらずチェンジアップと呼び、ここでもチェンジアップとして分類されています。確かにめちゃくちゃ有効な球種ではあるのですが、肘への負担が大きく、怪我に繋がりやすい球種と言う認識もあります。呼び換えたところで負担は変わらないはずなので、むしろ臭いものに蓋的な対応の様な気がするのですが、怪我を避けるためにもチェンジアップの投球数を多少いじった方が良いかもしれません。個人差もあることなので、私が判断できることでもありませんが。

 見てきましたが、やはりそれなりに優秀な選手だと感じます。チェンジアップ頼みはあまり良くは無いですが、それが大きな要因でもあるので難しいですね。

 と言う訳で来季の予想をしてみましょう。怪我で全休!!!などとは言いたくないのでこうなりました。

32G 191.2IP 175SO 53BB ERA3.66 FIP3.29 xFIP3.46 HR17 H152

 これだとまた負け越しちゃうんじゃないかと思うんですよね。TBだと。せっかく投手力が良いチームなのにもったいないね。ってなところで今日はおしまい。