Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

実はまだフルシーズンローテーションで投げたことが無くてびっくりした

 さて、今日はDrew Smylyのお話。HOFの件などはおまけに乗っけておきますね。

 と言う訳で今日のターゲットはTBに来てから才能が開花したと評判の左腕、Drew Smylyです。PriceとのトレードでTBに加入後、先発の一角としての投球を続けています。一度彼が加入した時にちょこっと数字は追っていますが、それ以降はやっていなかったので、今年はやってみようと思います。ところで彼の場合は難しいんですよね、本当に先発でフルシーズン投げるのかどうか。怪我の心配もありますし、Cobb復帰とかの兼ね合いが合ったりなかったり。。。

 早速成績を見ていきましょう。

□01

 ね。先発数は14年の25先発が最多で、フルシーズンを先発で投げ抜いたことが無いのです。いくら良い成績を残しても不安が残るのはこのためですね。また、イニング数も最高でも153で、昨年は12先発で66.2回に留まりました。勝敗とかセーブはまぁ良いでしょう。

□02

 ここも大して見るものは無いんですよねぇ。強いて言うならば、66イニングに対して11本塁打を食らった昨年はどんな理由であれ、結構ポンポン飛ばされた印象になります。一方20与四球と77奪三振はかなり立派でしょう。ここに関してはまた後程見ていきましょう。

□03

 DET時代は先発より中継ぎで奪三振力が高く出ていましたが、昨年は(短いイニングながら)それを上回るK/9を示しました。一方で、与四球率はそこまで上げずに済んだため、K/BBもかなり嬉しい数字となりました。もっとも通算で見てもかなりコントロールの良い選手では有ります。今季はこれを維持することが出来るかどうかがポイントとなるでしょう。普通に見れば下がる可能性は大きいでしょうけれども、それでもTB移籍以降はかなり高い奪三振率を維持しているため、その落ち幅も最低限となる可能性が高いと考えます。一方、与四球率はこれくらいは維持できるのではないでしょうか。14年はこれよりも長いイニング数をこなしながらより低いBB/9でした。

□04

 K/BBが良いと必然的にERAも良くなりがちです。被本塁打が多いのでFIPは当てになりませんが、例年xFIPよりもさらに良い数字を記録しがちです。その理由が右側のLOB%とkLOB%でして、なぜか毎年ただでさえ良いkLOB%よりもさらに良い数字が出ているのです。5%程度の差はかなり大きなものです。もちろんここは運の要素だと私は考えていますから、今年以降の成績の予測は困難でしょう。一気に悪化することもあるでしょうし、まだまだ維持する可能性もあるでしょう。これ以上の上昇は正直考えられませんが(笑)ちなみにフライボール系の投手であるので、LOB%が高めに出てもおかしくないのではないかと思っています。

□05

 彼はここも面白い数字を残しています。フライボール系の投手であるため、xBABIPがかなり低い水準であり、その分Luckが毎年マイナスを記録しているのです。LOB%で相殺されていると考えても良いのですが。いずれにせよ結構不思議な動きをしているのが特徴で中々面白い投手だと思います。

□06

 フライ系の投手だと記載しましたが、フライボーラーとしてはOdorizziの方が上ではないかと思うこともあります。しかし、Smylyは単にFB%が高いだけではなく、LD%が低く、IFFB%も高く出ています。単にフライが多いというのではなく、バットの芯を外れた飛球が多い選手であることが分かります。これがGB/FBの数値以上にフライ系であると言える理由です。

 昨年はHR/FBがかなり高い数字でした。フライ系でフライが多い投手ですから個々の数値が悪化してしまうと一気に防御率なども悪くなる傾向にあります。気をつけろと言っても気を付けようも無いのですが、いずれにせよ、被本塁打には要注意な投手であると言えます。対策としてはむしろ与四球と三振でむやみにランナーを貯めることなくアウトカウントを増やすというごく一般的な内容が妥当だと考えます。

 と言う訳で来年の成績予想をしてみましょう。

24G 140.2IP 141SO 40BB ERA2.82 FIP3.00 xFIP3.27 HR11 H114

 …怪我等で先発数を抑えてみましたが、凄い成績が出てきてしまいました。ふーむ。。。成績予想は難しい。

 ちなみにSmylyの分析については私なんかよりもブログ「横浜とタンパと外為と」さんの記事がよりわかりやすく詳しく記載しているのでご興味のある方は是非に。というところで今日はここまで。あー割とテキトーな記事だなぁこれ。

☆本日のおまけ

 MLBの今年の殿堂入り投票の結果が出ました。ご存知のとおり、Griffey Jr.とPiazzaが殿堂入りとなりました。Griffey Jr.は1度目の投票で史上最高率の得票率99.3%での殿堂入りとなりましたね。さすがだと思います。

 ステロイドボーイズについてはまぁ今までも何度か書いてきて、私の立場は鮮明でしょうから良いとして。問題はリリーバーの方です。Hoffmanが67.3%、Lee Smithに至っては14度目のチャレンジにして未だに34.1%の得票率に留まっています。これは投手の分業制が確立して以降のセーブを積み重ねただけのクローザーにはもろ手を挙げての殿堂入りが約束されていないことを示しています。確かに最後1イニングだけの貢献度は先発投手程ではないですが。。。ちなみにTBでもクローザーだったPercival(歴代7位)は昨年一撃で落とされています。私はそれでも公式な記録として歴代最高を残した選手は野球の歴史の一部として殿堂入りさせてあげたいなと考えています。なのでLee SmithとHoffmanの殿堂入りには賛成です。一方、Wagnerについては大好きな投手ではありますが、422セーブは…と言う感覚です。数字以上に歴代最多を記録したことがあるかどうかの方が重要かなぁと思っています。ここら辺はもう少し議論が起こっても良いと思うのですが、何せ殿堂入りとなればステロイドボーイズの話題ばかりになってしまうので。。。

 その他TBの選手では予想とおりWinnが一撃で失効してしまった一方、McGriffは20.9%で何とか首がつながっています。とはいえ、殿堂入りは厳しいと思います。