Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

各チームの運について遊んでみた

(目的/動機)

 前回の記事ではALEの各球団のBABIPに関連した運の差について調べてみました。その結果、BOSがある程度恵まれていたと考えられました。また、併せて読者のord0325さんからTaijuan Walkerの記事を書いてほしいとの希望があり、そのための準備をしておりました。

 その中で、例えば成績を予測するうえで、どうしても避けて通れないのが運の良し悪しの予想となります。とはいえ、運というのはその振る舞いを予想できないもののことを言います。なので、結果的には標準的な運を当てはめることが多くはなります。

 しかし、前回調べものをした結果、所属する球団の差というものが無視できない程度の差を生み出すのではないかと考えられるに至りました。で、折しもTaijuan WalkerはDiamond Backsに移籍したところでもあり、元所属のSEA、現所属のAZいずれも私はあまり詳しくないチームでもあるので、どうせなら各チームの運の良し悪しを調べてみたら良いのではないかと考えた訳です。

 なので、せっかくなので、各チームの(BABIP絡みの)運不運を色々調べてみました。

(方法)

 前回の記事と同様に、投球のxBABIP-BABIP、打撃のBABIP-xBABIPを、今回は全30球団に拡大して行います。ただし、前回のような各年度ごとの変動は調査せず、Batted Ballのデータのある02-16年の通算の成績のみを調べます。

 併せて打撃の運と投球の運の合計値も計算します。

(結果)

□01

 上記の通りの結果が得られた。投球ではKCとMINが最も悪く-0.011となり、BALとCOL、DETの3球団が-0.009で続く形となった。また、良いほうではLADが+0.005でトップ、SF、CHC、ATLの3球団が+0.004と続いた。全体では20球団がマイナス、総合では-0.087と、マイナスがかなり多く出る結果になった(理由は知らん)。

 打撃はBOSが+0.019でトップ、続いてCOLとDETが+0.015、さらにLAAが+0.011、DETとMIAが+0.010と続いた形になった。逆に下位はOAKとNYMが-0.001で最下位、SDが続いて0.000のイーブン、CIN、PHI、CWSが+0.001。これでもわかる通り、こちらはかなりプラスに傾いておりました。ちなみに通算では+0.188。投球のマイナスよりもさらに大きなプラスになっています(理由は知らん)。

 総合的にみると、1位は+0.012でBOS、続いて+0.011のATL、+0.010のSF、+0.009のCHC、+0.008のSTLと続きました。私が妬ましく思ってるBOS、SF、STLの3球団が見事にランクイン(笑)特にATL、SF、CHC、STL、8位のLADの5球団は投打ともにプラスの数字を出していて、バランスの良い数字となっています。1位のBOSは投球が-0.007と悪いところを+0.019と桁違いのプラスを打撃で出しての1位です。

 逆に下を見るとBALが-0.004で最下位、続いてCWSが-0.003、MIN-0.002、KC-0.002となりました。総合でマイナスの数字を出したのは合計7球団にとどまり、全体的に大きなプラスが出ているのがわかりますね(理由は知らん)。

 ついでにわれらがTBは投球では-0.003と14位、打撃は+0.008で10位、総合では+0.005と11位。大体真ん中くらいだとわかりますね。

(考察)

 結果をもとにいくつか考えてみようと思います。

□02

 まずはこちらから。縦軸に打撃のLuck、横軸に投球のLuckをとってみました。見ればわかる通り、かなりのばらつきはあるものの、それなりに綺麗な右肩下がりの散布図が描けました。相関係数は0.592であるので、強くはないが、それなりに相関があるということが言えます。これは球場特性がある程度効果を出していて、打撃有利な球場をホームにしていると打撃はプラスを得られる一方で、投球はマイナスを記録することになりますし、投球が優位な球場の場合はその逆になります。

 相関係数が0.592とそこそこはあるので、これは決して無視できない大きさにはなっていると言えるのではないでしょうか。ただし、球場特性がすべてを決定してしまうほど大きな影響を持っているわけではないとも言えますね。

□01

 結果の表を再掲します。これを見ると、トップのBOSと最下位のBALではL+Lの差は0.016にもなります。15シーズンの平均で0.016もの差が出るのですが、これは運なのかそれとも球団の編成(選手たちの実力)によるものなのかが、大きな検討内容になるはずです。

 結論から言うと、わからないが正しいです。おそらくxBABIPとBABIPの差が確実に運だけであることを証明できてない以上、両方が混ざってしまっているでしょう。また、本来はリーグ全体で±0、せめて投打の収支が0にならないといけないはずですが、そうはなってない以上、この計算に何らかの欠陥があってもおかしくないと思います。が、まぁそれでもそれっぽい値が出ていて、こうして遊ぶにはちょうど良いですが。。。

 では次の表を見てみましょう。

□03

 0.002刻みで度数分布表を作成してみました。数字が0.001刻みで出てるのをよいことにてきとーなことをしましたが、そこはご容赦ください(まぁ伝わるっしょ?)。これを見ると、特段の検定は行っていませんが、どう見ても中央値(この場合0.003くらいのどこか)に集まるような傾向が見られます。つまり正規分布に近い分布をしているのではないかと考えられますね。サンプル数はわずか30ながら、これくらいのデータが得られました。つまり、ある程度のランダム性でこの数字が動いていることがわかります。

 で、問題はこのランダム性の処遇ですが、実力がランダムなのか(数学の点数が正規分布している、みたいな)、運でランダムなのか(サイコロを複数投げた時の出た目の合計、みたいな)ということです。

 この場合、私はとりあえず運の要素がかなり強いと考えます。その理由は、もし実力であれば、下側(不運側)は切り落とされて(淘汰されて)、より切り立ったグラフになるはずで、きれいな正規分布にならないと考えられるからですね。もちろん、確かに右半分の方がデータが大きいですし、何せサンプル数が少ないので怪しいところではありますが、とりあえずは運の要素がかなり強そうだという結論にしたいと思います。

 さて、これを運の要素がかなり強いと考えた上で、全体を見てみますと、やはり15年間の通算で一番上と一番下の0.016の差というのはかなり大きなものだと思われます。単純に例えば投手のBABIPが変わらず、打者のチームBABIPが0.290と.306だとしたら、相当な差が発生しそうです。 また、運の要素がかなり強いと考えれば、やっぱりここ15年のBOSは相当恵まれているのは間違いないと思います。

(まとめ)

 では今日のまとめです。

・計算方法はちょっと怪しい数字が並んでしまった。

・各球団のホームの球場特性はそれなりに影響を与えていて、相関もあるにはある。

・この数字はかなり運の要素が強いと考えられる。

・過去15年の通算でも最上位の球団と最下位の球団とは相当な差がある。

・最上位のBOSはここ15年相当恵まれていたと考えるのは不自然ではない。

(今後の展望・課題)

 最後に今後の展望・課題を書いてみようと思います。まず、この数字が本当にランダムであるかどうかを見るために検定を行うことは行っても良いかと思います。例えば15年間通算ではなく、各年度ごとにすることで、分散は確実に大きくなりますが、サンプル数を450まで増やせるので、これを試すのはアリだと思います。ただし、これ以上の分散が大きくなると、球場特性はかなり埋没しそうな気がします。

 また、これはちょうどよさそうなので、毎年やっている成績予想には反映させて、TB以外の選手の予想でも精度が上がるようにしていこうかと思います、はい。

(感想)

 いやぁ。BOS、半端ねぇっスわ(笑)なんだかんだ言ってリーグトップの運をゲットしてりゃそりゃあ強いよなぁと。ちなみに上位5チームと下位5チーム見ると…

(ベスト5)

BOS:地区優勝3、ワイルドカード5、ワールドチャンピオン3

ATL:地区優勝5、ワイルドカード2

SF:地区優勝3、ワイルドカード3、ワールドチャンピオン3

CHC:地区優勝4、ワイルドカード1、ワールドチャンピオン1

STL:地区優勝8、ワイルドカード2、ワールドチャンピオン2

(ワースト5)

BAL:地区優勝1、ワイルドカード2

CWS:地区優勝2、ワールドチャンピオン1

MIN:地区優勝6

KC:地区優勝1、ワイルドカード1、ワールドチャンピオン1

PHI:地区優勝5、ワールドチャンピオン1

 って下位も相当頑張ってますね(笑)まぁ上位5チームで9回のワールドチャンピオン、地区優勝23、ワイルドカード13ってなんか色々おかしいですけどね。下位5チームでは3回のワールドチャンピオン、地区優勝15、ワイルドカード3ですね。

 ってかそれ以外の20チームでワールドチャンピオンは3回しかないのか(02ANA、03FLA、09NYY)。いったいどういうこっちゃ(笑)やっぱ運は重要だな…。

 それとこの形式だと文字数若干節約になっているのかな。この方が読みやすい気もする。

☆本日のおまけ その1

 ウィンターミーディングってことで結構あちこち動いてますね。大物といえばSaleのトレードでした。大好きな選手の一人でしたが、こちらはBOSへ。ただでさえ運が良いBOSがさらに実力のある選手を獲得ですね。あ~ぁ…。

 一方のTBは捕手のWilson Ramosを2年12Mくらいで獲得とか。こちらは長年の懸念だった捕手とその打撃を解決する一手になると思いますね。怪我で復帰がいつになるか、不安ではありますが、若い投手陣を引っ張るのにも悪くない選手を獲得したなと思いますね。あと16年こそよかったですが、それ以外はOPSは.700台後半の選手ってことで、打撃にもあまりに過大な期待はしないでおきたいと思います。。。バールのような者の恐怖がいつも付きまとうTBの大型FAです。。。

☆本日のおまけ その2

 Jetsは…もう見たくないですね。またFitzpatrickが先発していましたが、MNFで惨敗。来週からPettyが先発ということで、来シーズンまでに戦力を整える方に努力してほしいですね。。。