Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

Zorilla復活への道はあるか?

さて今日はZorillaことBen Zobristについて考えていきましょう。

 Ben Zobristは04年ドラフトで6順目、全体184位でHOUに指名されプロ入りします。高校時代は打球が50mも飛ばない、と揶揄されていた選手でしたが、SSを守れ、スイッチヒッターで、さらに足も速く、小技も使えるということで当初からユーティリティーへの道が考えられていました。

 06年にA.HuffとのトレードでTBに加入、同時に3Aへ昇格しプレーします。そして8月にはJ.LugoをLADにトレードで放出したことに伴ってBJと共にMLB初昇格。当時BJは3Bの選手でした。

 07年は開幕はメジャーでしたが、極度の不振もあって3A降格。最終的には31試合で打率.155と大きく成績が落ち込みました。

 08年、怪我による出遅れ、マイナー降格もありましたが、バッテリー以外の7ポジションをこなし、マドン監督お気に入りのユーティリティーとしての立場を確立。TBのリーグ優勝に大きく貢献しました。また最終週には4HRを放ち、週間MVPを獲得、マイナーも含めて初めての年間二桁となる12本塁打となりました。62試合198打席に立ち、打率は.253の低率ながらOBP.339、SLG.505、OPS.844と大きく成績を伸ばしました。

 09年は外野で開幕スタートし、Akiの怪我の離脱後は2Bに定着、さらには再び7ポジションをこなして自身最多の152試合に出場。打率.297、27本塁打、91打点、17盗塁、OPS.948とユーティリティーとしては超がつくほどの好成績。オールスターにも選出されました。そのパワフルな打撃をマドン監督はゴリラをもじってZorillaと呼びました。打撃の良さから毎試合ポジションを変えながら出場してTBの特長ともなっている、猫の目打線の中核を担う選手、という位置づけになりました。またその急成長に薬物の使用を疑う声すら聞こえてきました。まぁそりゃ50mも打球が飛ばないなんて言われていた選手が27HR、SLG.543なんて急に残したらびっくりですもんね。

 しかし10年は再び成績が下降。というか元に戻った、と表現するのが正しいかも知れません。本塁打は10本にとどまり、.238の低打率と.353の長打率ではOPS.699も致し方ないです。ただ守備ではSSを除く内外野6ポジションをこなして4失策。走塁でも自己最多の24盗塁+3盗塁死とセンスの良さを見せつけ、四球も自己最多の92個、出塁率.346と選球眼は相変わらずでした(余談ですがこの辺りにSABAR論者の唱える、選球眼は生まれつきのもので、成績の上下にあまり関わらず一定している、というのが見えますネ)。また実はリーグ最多の12犠飛を記録しています。このように実はリーグ優勝したTBにおいて数字以上の活躍を見せてくれていました。ここがレギュラー剥奪されなかった理由でしょう。まぁ周りの打者の不調もありましたが。

 では今年はどうでしょう?同じようなSS出身のユーティリティーとしてSean RodやBrignacらがいます。特にSeanはやはり内外野全ポジションをこなせるユーティリティーで完全にキャラが被ります。

 ただし選球眼という面では3人のなかで一番能力が高いでしょうし、マドンお気に入り度も高そうです。まだ長期の契約が残っている、というのもあります。さらにこの3人をレギュラーから外すとJenningsとJoyce両方を守備につかせてもまだキーストーンコンビが埋まらないのでレギュラーでの起用が濃厚ではあります。選球眼が良いので投手に球数を投げさせればおのずと甘い球が増え、打撃も元に戻るまでは言いすぎにしてもある程度良くはなると思います。

 考えられるポジションとしては

 1B △

 Dan Johnsonをメインに起用し、Zobは守備固めで入ることが多いでしょう。ただし打撃がよければここで固定もあるかも。

2B ○

 S-Rodとポジションを争うことになるでしょう。ただどちらも守備は上手いのでそれこそ調子や投手との相性で決まりそうです。S-Rodが右打ち、Brignacが左なのでスイッチのZobはどちらかが外れた方の穴埋め的に入りそうです。

3B ×

 Longoがいるのでここをメインにこなすことはないでしょう。ただしLongoが怪我で離脱したり、休養を与えるときはZobが入るでしょう。

SS △

 まぁ2Bと同じ状況でしょうけど、2Bの方が守備が上手そうなのでS-RodやBrignacが入ることの方が多いと思います。

LF △

 Joyce、Damon、Jennings、Mannyに加えて、Dan Johnsonも無理すれば守れ、キャラ被りの二人までできるポジションで、最も層が厚いので基本的には守備固めでしか入らないでしょう。

CF ×

 基本はBJが起用されるポジションなのでZobが入る機会は限られそうです。ただしJenningsがメジャー定着できず、BJが打撃不振やトレードで放出となるとまさかDamonやMannyにCFを任せる訳にはいかないのでZobにお鉢が廻ってくることがありそうです。

RF ○

 Mannyの加入によってDHの構想もあった、昨年(再び笑)開花の兆しを見せたJoyceをメインに起用したいポジションです。しかし(再び笑)彼が打撃不振に陥ったりすればすぐにZobが定着できるポジションになるでしょう。また左投手のときはJoyceに代えてZobということもあるでしょう。

 DH ×

 Manny加入によってほぼ可能性がなくなったでしょう。さらにはJoyce、Damon、Dan Johnsonとあまり守らせたくない面子も多いので守備の良いZobをDH起用はあまりにももったいないでしょう。

まぁこんなところでしょうか。実際投手や調子次第でどこも守る可能性が大きいですし、そもそも猫の目打線なので1つのポジションに固定せず、08年、09年に続いて同じような起用法になるでしょう。

 正直打線の厚みを増すには彼の復活が重要なキーポイントになってくるので、Zobには是非復活をして欲しいですね。このままただのユーティリティーで終わって欲しくはないです。まぁ15本塁打、25盗塁、OBP.400、OPS.800くらいであればあまり高望みでもなく、またチームにも良いでしょう。

 最後に打順について考えてみます。

 理想は足が速く、小技も使えて、一発もあるので2番打者でしょう。MannyやDamonの加入によって34番の主軸には考えにくく、789番の下位打線という感じでもなさそうです。

 前回のエントリーではリードオフを提案しました。これも良いと思いますし、長打がよく出るようであれば56番で打点稼ぎをさせた上でさらに塁上で嫌がらせをして少しでも下位打線の援護をする、でも良いでしょう。

 ま、結局猫の目で色々固定せずにこなすでしょう。

 長くなりましたが以上ですです。