主砲と援護砲 ~TBの長距離砲について その1~
さて、今年はめでたくPO進出したTBですが、今年もTBは典型的な投手力を中心とした守備型のチームでした。
TBの今後を考える意味も込めて、今回はTBの長距離砲について軽い表面的な分析でもしてみたいと思います。
え?内容が野手ばかりですって?仕方ないです。打つ方が好きなんで、私。
まぁ投手に関してもボチボチやっていきたいと思いますが、正直個人的には投手は奪三振力が高くて怪我が少なければ何でもいいかな、と。
なので今回も懲りずに野手について
まず、基本のデータ
チーム打率.244(両リーグ23位)、出塁率.322(同12位)、長打率.402(同13位)、本塁打172(同9位)、得点707(同15位)
まぁざっと見ると打率は置いといて(あんまあてにならないし)、それ以外は程々に平均的な力があるように見えます。特に長打率、本塁打なんかは打撃のチームという印象のCINなんかとあんま変わらないんですね。これはちょっと意外です。
得点は去年の803に比べると約100得点の減少…これでよくPO出れました。本当にBOSの大滑落が無ければ無理もいいところでしたね。
それはともかく…
これで長距離砲がいない、というのは意外に思われるかもしれません。
が
以下を見て頂きたいと思います。
Longo .244/.355/.495 31HR 3SB
BJ .245/.332/.430 23HR 37SB
Zob .269/.353/.469 20HR 19SB
Joyce .277/.347/.478 19HR 13SB
Demon .261/.326/.418 16HR 19SB
これがTBの本塁打トップ5人です。ついでにチーム首位打者のコッチマンは11HR。こう見るとやはりLongoは立派でしょう。今年は怪我もあり不調でしたが、9月には調子を上げてキャリア2度目の30HRをクリアしました。主砲の役割を果たすことができた、と言えるかと思います。しかし問題はここからです。打率は.244しかない(もともと高打率を記録する選手ではないですけど)のに出塁率は.355、四球は133試合しか出ていないのにキャリアハイとなる80個、IsoDは.111と1割を超える値が出ています。そして長打率はキャリア最低かつ初の4割台となる.495。ここから何が見えてくるかというと、明らかにLongoを警戒し、マークが厳しくなった、ということ。
ASにもファン投票で選ばれるなどマイナーな球団であるTBにしては珍しく認知度が高い選手です。当然マークは厳しいでしょう。しかし去年まではここまでマークが厳しくはなかっただろうことがわかります。では去年とは何が違うのでしょう?
それは後を打つ打者。去年まではTBはぺーな先生がおりました。07年には46HRを打ちチームのシーズン最多本塁打をマーク、09年は骨折しながら39HRでNYYのテシェーラと並んで本塁打王を獲得しました。その長距離砲がFAで移籍してしまったのです。そしてぺーなはいわゆる主砲と呼ぶにはちょっと違和感がありました。
ぺーなはもともと低打率で三振が多く当たれば飛ぶけど基本的に当たらない、という選手です。彼にチャンスで期待するにはちょっと無理があったのです。しかし、彼を主砲Longoの援護砲と考えると途端に輝きを増しました。
当然ぺーなはパワーヒッターですから、当たれば飛びます。だったら彼の前にランナーを溜めたくは無いですよね?とすると、その前を打つ主砲には極力余計な死四球は与えたくないし、ストライク優先の勝負になります。ってことは打てる球が来る、ということでより好成績が残せることになるでしょう。逆にぺーながいなければマークがきつくなって、長打を浴びるなら最悪四球でもいいや、ってなっちゃいます。つまり主砲<援護砲+ランナーのイメージを植え付ける訳です。
これが主砲と援護砲の考え方です。主砲へのマークを減らすために後ろに一発が怖い選手を置いておいておき、主砲に本来の能力を存分に発揮してもらうようにするわけです。
実際にMLBの他球団でもこのような例はたくさんあります。有名どころだとMILのブラウン-フィルダーのラインなんか典型的ですよね。ブラウンへの四球は過去3年で平均57、フィルダーは110.3です。他にもCINのヴォット-ブルースとか、STLのプホルス-バークマン(ホリデー)とか、MINのマウアー-モアノーとか。まぁ割と地方球団に多い考え方でしょう。金満球団は主砲クラスいくらでも雇えますもんね。NYYなんて誰が主砲だかなんて考えたくないくらいですよ。
何を論じてたのかわからなくなってしまいました。
あ、TBの長距離砲ですね。ぺーなは昨年FAで移籍していくことは間違いなかったですから、その穴埋めを考えなければいけなかった訳です。
結果はご覧のようにきちんと埋まってませんね。
長くなってしまったので、その辺も併せて次回のテーマにしたいと思います。