Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

ユーティリティーとTBの選手獲得、育成方針

 さて、時間が空いてしまいましたが、前回TBの長距離砲育成方針について、としましたが、寄り道ではないですが表題を上のようにして見ていきたいと思います。

 最近はTBが育成のTBと言われるようになってきてちょっと嬉しく思っております、私でございます。しかし、じゃあTBがちゃんと育てた選手って誰なのよ?となるのでざっと見ていきましょう。

 当然全選手を網羅するなんて不可能なので、07年以降、自前で育てて目立った野手(大体レギュラー取れたくらいを目安)にターゲットを絞って見てみましょう。

 D.Young 03年1順目 通算:6年71HR34SB .288/.321/.428

 E.Dukes  02年3順目 通算:3年31HR18SB .250/.337/.393

 BJ    02年1順目 通算:7年90HR201SB .257/.342/.416

 Longo   06年1順目 通算:4年113HR34SB .274/.360/.515

 Zob    04年6順目 通算:6年72HR67SB  .257/.348/.435

 Jaso   03年13順目 通算:3年10HR5SB  .245/.340/.365

 E.Johnson02年プロ入り 通算:2年4HR6SB  .190/.247/.318

 Jennings 06年10順目 通算:2年10HR22SB .254/.351/.440

 

 TBでレギュラークラスであり、かつ自前で育てた野手となるとこれくらいでしょう(ZobはドラフトはHOUからされましたが)。他にキャッチャーのロバトンや内野のしょーん君辺りをカウントに入れても構わないのですが…まぁ多すぎると私が調べるのが面倒になるのでこの辺にしましょう。

 これを多いと見るか少ないと見るか…5年間でレギュラークラス8人(そのうち6人は現在も在籍)となるとMLBの中では多い方なのではないでしょうか?

 少しずつ詳しく見ていきましょう。

 (デビュー時の)ポジション別にみると捕手1、遊撃3、三塁手1、外野3となっています。なんと一つのチームになりますね♪…ではなくて、今は違うポジションだとしても、遊撃手が8人中3人と多数占めていることがわかります。さらに大学から3Bに転向してましたが、Longoも元々SSの選手。TBはSSの選手が好きなんでしょうか?

 その答えはYESだと思います。というか元々アメリカでは運動神経が一番良い子はとりあえずSSを任されますし、それ以外でもとりあえずSSをやらせてみます。で、その後それぞれの特性に別れたポジションに振り分けていきます。確かにSSさえできれば他のポジションに使う守備関係の能力のほとんどはカバーできてますしね。

 で、TBはそれが顕著です。元々守備重視のチーム構成もあって、マドンの意向もあるのでしょう、ユーティリティーを多く育てる、という意味でもそれが選手の獲得に表れているのがわかるでしょう。

 実際、BJはSSから始まり、3B、2Bをこなした後、外野に転向、現在は不動のCFをやっていますし、ElliotはSS以外に2B、LF、CFをこなし、Zobに至ってはバッテリー以外の7ポジションをこなせるようになってしましました。

 それ以外にもキャラ被りのしょーん君もおりますし、やたら複数ポジションをこなせる選手が多く揃っています。猫の目打線を構成する上では非常に重要な要素ではありますが…。

 逆に打撃という意味では、しょーん君も含めてユーティリティー、それもどちらかというと代走、守備固めで起用されることが多い守備型のユーティリティーが多いこともあって、あまり大きな期待できない選手が揃った感じですね。まぁ運動神経抜群のBJは置いといても覚醒前のZob、Elliot、しょーん……良く言えばスモールボール型の選手なんですね。みんな足は速いですし。

 ついでにマイナーを見ると韓国のホゼ・レイエスことハクジュ・リーや野球界のベッカム等、有望なSSが目白押し。この辺もSS好きが目に見えてますよね(ただしベッカムは見た感じBJにそっくりで将来は外野手?って思っちゃいました)。

それ以外の選手を見てみましょう。ヤングは元々長打だけでなく走塁面でも期待された、ドラフト1順目指名らしい選手。今はラッパーやってる元超問題児もやっぱり30-30が期待された俊足強打(と低打率)のアルフォンソ・ソリアーノタイプ(ただし選球眼はあった)。(本来内野だった)BJも言うまでもないでしょう。さらに期待のジェニに関しても09年はマイナーで52長打&52盗塁を放ち、今年は57長打&37盗塁、MLBでは10HR20SB。

気づくこととしては内野も含めて、やたら足が速い選手が多いこと。それと内野陣とは違って元々長打が期待されていた選手が多いですね。まぁ外野両翼はパワーポジションですし、センターだってあまりにも打てない選手では困りますから、守備が最優先されるSSや2Bの選手とは違う、打撃の視点も入ってきてるのでしょう。そして、内野を後ろに下げて外野は良くても、打球反応の速さが求められる内野に外野手を持ってくるのはご法度…ということでいわゆるユーティリティーはいません。

 

 最後に捕手のジェイソですが、09年に長らく1番打者を務め(45試合だけど)たことでお馴染みになった選手です。彼の売りは選球眼とそこそこ速い足。パワフルな打撃はできないけれどもしっかりと出塁することができる打者です。守備面はリードは良いらしいですが、肩はそんなに強い方ではなく、データを見ると平均より若干下のレベル。捕手としては及第点でしょう。11年はショパック、シリノス、ロバトンらと併用されました。誰も決定的な決め手がないので仕方ないですが。逆に猫の目打線っぽさを構成してる要因ですね。ジェイソ自身は一応1Bもできるようです。4人の捕手の中では最もスモールボール型の選手ではありますね。チーム状況次第では結構嫌らしい2番打者をこなせるのではないかとも思ったりもします。

 それぞれのポジションの選手を見てきたわけですが、やはりTBの獲得、育成方針として「足の速さ」が一つ重要なファクターとはなっているように見えますね。そして内野は守備、そしてユーティリティー的な潜在能力、外野は長打力が獲得のポイントになってるのは間違いないでしょう。長打力と言ってもいわゆる典型的な長距離砲というよりは足の速さも絡んだ5ツール的な長距離砲ですが。ま、その5ツールを優先したあまり、性格面に目をつぶったという事実がありますが。

 ってな感じで実はTBは長距離砲がいない訳ではなかったんですね。ただたまたま外野を任されてる長距離砲がアンパイアにバットを投げつけるわ、女性問題でトラぶるわ、大麻は大好きだわ、無免許運転はするわ、暴力事件は起こすわ、…な問題児だらけでさっさとトレードに出されちゃっただけなんでしょうね。…BJの無気力プレーが可愛く見えます…

 とはいえ、TBのユーティリティー好きは間違い無いところでしょう。それに過去にもTBはユーティリティーを多く起用しています。

 例えばウィリー・アイバーは3Bや1B、代打の切り札として、エリック・ヒンスキーはパワー型の、内外野両コーナーを守る選手として、どちらも08年の快進撃に大きく寄与しました。

 このように、多くのユーティリティーの存在、というか、Longo等ごく限られた、中核選手とその他の「ユーティリティー」で構成されているチームがTBなんでしょうね。

 ユーティリティーと言えば、忘れちゃいけない存在があります。

 そう2010、2011年と2年連続で本塁打王のJose Bautistaです。え?TBじゃない?そんなの気にしない気にしない。一応(本当に一応)TBのOBでもあるし(笑)

 彼はプロ入り時は3Bやら投手やらで内野を転々とし、外野を転々とし、チームも転々とし…。2010年にいきなり開花したように見えますが、Zobと同じく前年の9月以降に10HRを打つなど、爆発の兆候が見えていました。そしてついたあだ名が「ユーティリティー・ボム」。この今じゃ考えられないニックネームも定着する事なく消えてなくなったわけですが、当時にしてみればその通りだったわけです。彼こそが究極のユーティリティーの一つのモデルでしょう。今後彼以上に爆発するユーティリティープレーヤーが出現するかどうかは分かりませんが、パワー型のユーティリティーの選手の目標となる最終進化形でしょう。まさにコイキングギャラドスとなるかのように(もともと力はある選手ではありましたが)。

 いやぁ羨ましいですよね、あんな選手がいるなんて…いやいやTBにもZobという先例があります。こっちはヒンバスミロカロスへと育ったかのように華麗なる進化を遂げましたね。パワーがないけど、足と守備で魅せるぜって選手、走力型ユーティリティーの最終進化形って感じがありますね。

 そういう意味ではこの二人の選手がそれぞれパワー型(内外野両コーナーこなす代打の切り札的存在)、走力型(SSやCFをメインにバッテリー以外のポジションこなしちゃう守備固め、代走要員的な存在)のユーティリティーの理想像に近いのかも知れませんね。

 もっともこのレベルを狙うのは万馬券を狙うのよりも難しく、宝くじの大当たりくらいの確率と思った方が良いでしょう。

 次に確変するのは…エリオットだといいなぁ。

とまぁ何を言いたいのか分からなくなった所で今回は終わりたいと思います。