Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

いろいろ敗戦(TBとかWBCとか)

 TBは昨日は敗戦。KC相手に0-1、しかも延長10回の死闘の末。まぁ仕方がないですね。打てないのは今に始まったことではないですし。Longoが復帰後初、サードでスタメン。上位打線にジェニ、BJ、Joyceと並べ、さらに下位にぺーな先生、ロバーツ、スコットらが並ぶ重量級の打線。これが機能すれば間違いなく強いです。そしてプライスは8回3安打8奪三振、無四死球無失点とエースの投球。本当に今年は信頼できますね。それだけに勝ちたかったのは事実ですが。。。

 さて、今日の本題です。スポーツ報知の記事でWBCへの日本の出場について最後通牒が突きつけられているようです。それによると、8月中に参加・不参加の結論を出すこと、不参加の場合は代替地としてアナハイムがすでにブッキングされている、ということでした。

 しかも今度こそ最後通牒です。最初は昨年の9月が期限でした。それをなし崩し的に延ばし延ばしにしてもらっていたのですよ。それもMLBIBAFが日本を重要なパートナーであると考えているからです。

 日本での世論を見る限りおそらく100%に近い確率でWBCに不参加、ということになるでしょう。日本の行動の遅さでは10日程度で出るという結論を導き出せるとは思いませんし。私はいち野球ファンとして残念でなりません。日本がいるといないとではWBC自体はとてもさびしいものになりそうです。しかも今回からIBAFのお墨付きを得て、(現時点では)名実ともに、唯一の野球世界一決定戦となるにも関わらず。日本はこれに対してその土俵にすら上がらないということですよね。

 さて、以前にもこのブログで取り上げたように、日本側の最大のネックになっていることは、スポンサー権についてですね。前回いただいたたくさんのコメントからも日本へのスポンサー権が入ってこないのが問題である、当然の権利とするべきだ、とする方がいらっしゃいました。

 しかし、まず、スポンサー料を出している企業は(仮に日本を應援したいからという理由でも)WBCの大会へのスポンサー料を拠出していたことを忘れてはなりません。つまり、日本にすべてがいかない可能性があるということを理解・了承したうえでスポンサー料を拠出していたことを覚える必要があります。

 また、一応「侍ジャパン」へのスポンサー料は認められるようですから、まぁそれで手を打つのも一つの手ですね。

 そして私が主張したい最大の点は、前回のアップでも似たようなことを申しましたが、そんなものは後回しにすべき、ということです。

 FIFAワールドカップのような大会であれば問題ないんだ、とおっしゃる方も多くいました。で、そういう人々に教えるとすると、IBAF主催のワールドカップというのが去年までありました。日本ももちろん参加しています。「名」としての世界一決定戦は間違いなく「あった」のです。それがなくなってしまい、一応WBCと統一されるということになりました。NPBはそれに対して本気で取り組まず、アマチュアにまかせっきりになっていました。それで今更かよ?と憤りを感じます。もっともそれは「実」としての野球世界一決定戦ではなかったからです。それはなぜでしょうか。まぎれもなくMLBが不参加だったからです。MLBのオーナー達にしてみれば所属選手がなんでもチームに利をもたらさない大会で怪我でもされたら損失だと感じていたからでしょうね。アメリカにはナショナリズムが育たない国ということもありますし。

 そこでIBAFはある意味仕方なく、「実」をとるためにWBCの開催に踏み切ったのです。そのために、すべての開催リスクをMLB機構とそこが設立したWBCIに押し付けることによって、MLBの選手が出場して少なくとも「実際は」野球の世界一決定戦を開催するほうがオリンピック復活や世界への野球の普及という意味では可能性が高いと判断したのでしょう。

 もちろんMLBからの出場選手はマイナー所属の選手も含めて膨大な人数(前回で200人超)になりますから、当然彼らの参加報酬としても多めにもらうのは当然ですし、会場手配やプロモーションなど実際に手を動かすのもMLBになるのでそういった意味でも彼らが多くの報酬をもらうのは当然ともいえます。さらには野球がマイナースポーツである欧州や南米の国や、中米のようになかなかスポンサー企業が付きにくい国家も多くありその場合、彼らの報酬という面でもより均衡した条件にするためにWBCへのスポンサーという形を採ったわけです。

 IBAFもその間ただ手をこまねいていたわけではありません。WBCの裏年にプレミア12という上位12か国を招いた大会を「IBAF主催で」開催することにしたのです。IBAFの将来的な構想としてはしばらくこの体制を維持し、そこで「野球の国際大会・ガチンコの国別対抗戦」を定着させ、その後徐々に各国のスポンサーが集まるにつれ、大会規模を大きくさせるとともにMLBへの依存度を減らし、そしてFIFAワールドカップがモデルとなるような、ある意味「健全な」、つまり、一つの組織に依存しない、かつ、みんなが参加できる大会を作っていこうとしていたわけです。

 では日本、NPB選手会にはそこまでを理解した上での結論だったのでしょうか。。。はっきり言ってWBCが儲かりそうだとなってから場当たり的に権利を主張し始めたようにしか思えません。しかも当初はMLBが招待する側、NPB他は招待される側、招待するほうが多くもらえるのは当然でしょうが。(これはスポーツ報知にも記載があります)

 しかもNPBが参加しなければ守銭奴NPB選手会が喉から手が出るほど欲しい「スズメの涙程度」の収入すらなくなるわけです。

 そう考えるとどう見てもNPB選手会の選択はあまりにも愚かだった、という他はないと思います。世界が全く見えていない超近視眼的思考ですよね。レーシックをお勧めしますよ、マジで。

 さて、さらにNPB主催で野球の世界大会を開きたいという気持ちもないわけではないようです。これ自体は非常に良いことだと思いますよ。オランダのハーレムやMLB主催のWBC共々国際大会が豊かになりますから。ま、MLBは参加してくれないと思いますけれども。もし出てもらうためには相当な札束を積まなきゃいけなくなると思いますよ。それじゃあ本末転倒だし、そうでないならNPB主催のただの自己満足の大会になって、少なくともガチンコの世界一決定戦にはなりませんよね。

 逆に言うと、野球が、オリンピックからすらも除外されてしまった野球が、まだ復権する可能性、メジャーになり、より盛んになる可能性は残されている、とみるのが当然とも言えると思います。

 その中でNPB選手会がとった行動は「鎖国」に近いもの。NPBさえ良ければ他には何もいらない。むしろMLBが野球を普及させると聞いて考えることはMLBが世界を草刈り場に繁栄したいだけで、日本がそれに加担するメリットは何もないとまで言う。それは確かに現在現役でいる選手にしてみれば今の年俸かそれ以上をもらえるチャンスが多くなるでしょう。しかし、より長い目で見てはどうでしょう?NPBは地上波からもどんどん追われていき、確かにパ・リーグなどファンは増えているかもしれませんが、それは能動的にファンをしている人は増えているのかもしれませんが、大半の受動的なファンを獲得する下地を失っているとも言えます。つまり、今後よりマニアのためのスポーツになり、大衆は見なくなる。ということは野球全体が盛り下がっていく、ということを意味していませんか?逆に海外も含めて野球が盛んになれば日本でだって、代表戦から始まって、リーグ戦を見る人も増えるし、少なくともそのチャンスを広げることになるでしょう。特にサッカーの代表戦や前回のWBCで代表戦に興味がある人が多いということは自明ですしね。

 また、野球界全体を見渡しても、実際にMLBオールスター軍団を2度までも打ち破って2連覇した国が、俺らもう勝手にやるもんね、といって、歩調を合わせる気持ちすらなければ、野球の普及もうまくいかないでしょう。そうすると将来的に日本に跳ね返ってくるとも考えられませんか?

 MLBに多くの選手が移籍し、NPBの空洞化とか叫んだ人々がいました。今を見てください。実際に野球は空洞化しましたか?むしろ世界のトップも見えて、あこがれたり、野球の魅力を再度発見した人も多いのではないでしょうか。SABARを日本に取り入れようとする試みも少しずつ広がっています。どれも好影響といえるのではないでしょうか。それにもし空洞化したと感じる人がいるのであればそれはトップクラスの野球に追いつくことを止め、単にコンプレックスを抱いてる料簡の狭い人ととらえられても仕方がないのではないでしょうか。大体、野球のすそ野が広がることで野球のレベルも上がり、日本だってそのおいしいところをもらえるのではないかと思います。

 そういった意味でも日本はあまりにも視野が狭く、近視眼的。長期的な戦略も何もなく単にわめいてる弱い犬にしか見えません。大好きな野球なだけに、本当に悲しく思います。もし可能であれば10日以内に考え直して欲しい。そう切に願っています。それは世界の野球のためだけを考えないで日本の野球も考えて。

P.S.

 TBはデイでKCに5-3で勝利。うっすらとNYYの影が見えてきたように思います。もっとも気にすべきは後ろでBAL、OAK、DETとは並んでると言っても良いのでここはしっかりと勝ち星を積み上げたいですね。