Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

SSは安泰 注目は打順

 WBCが楽しみになってきました。優勝予想をするとしたら…とりあえずアメリカって言っておきます。日本は間違ってもなさそうな気がします。さすがに予選第1ラウンドは勝ち抜けられるでしょうけれども、そのあとは第2ラウンドが相当厳しいのではないかと思います。個人的にはオランダ・台湾が勝ち上がってくるのではと思うのですが、いかがでしょうね。根拠は全くありませんが、国際大会慣れしてる上にそもそも実力が相当ついてきているオランダが第1ラウンドで負けるところは想像ができません。。。

 ってな前置きは置いといて(これはWBCカテでやれって話)、TBの選手の話をしましょう。いわゆるオープン戦ははじまってますが、まぁそこは一旦置いといて。新戦力のアナリシスをしてみたいと思います。今日はSSのレギュラーを張る予定のYunel Escobarを見ていきたいと思います。

 Yunel Escobarは1982年にキューバハバナで生を受けた内野手。04年に亡命し、05年にドラフト2巡目でATLにドラフトされました。6-2/210(188㎝/95㎏)とがっちりとした体型の選手です。主にSSを守りながら、チーム事情次第で2Bや3Bも守れなくはない、という感じです。

 では彼の成績を見ていきましょう。

  G PA AB H HR SB CS

7 94 355 319 104 5 5 3

8 136 587 514 148 10 2 5

9 141 604 528 158 14 5 4

10 135 567 497 127 4 6 2

11 133 590 513 149 11 3 3

12 145 608 558 141 9 5 1

 MLBデビューは07年。以来5年間レギュラーを張り続けてはいますが、出場試合数は12年の145試合が最高。守備の評価は高いものの、負担の大きいSSということもあって出場試合数はやや抑えられている感じです。また、これを見てわかるのはスピードが彼の武器にはならないということ。6年間で盗塁は26にとどまる一方で盗塁死は18も記録。通算盗塁成功率は6割を割ってしまっています。

RBI BB K WAR wOBA

7 28 27 44 2.6 0.369

8 60 59 62 3.6 0.341

9 76 57 62 4.4 0.360

10 35 56 57 2.0 0.301

11 48 61 70 4.2 0.348

12 51 35 70 1.8 0.284

 WARではキャリアを通じて悪くない成績を残していますが、wOBAでは必ずしも高いと言える数字ではなく、これは彼の貢献度は攻撃力よりも守備力が重視されているからだと言えるでしょう。

 

  AVE OBP SLG OPS IsoD BB% K%

7 0.326 0.385 0.451 0.836 0.059 7.6% 12.4%

8 0.288 0.366 0.401 0.767 0.078 10.1% 10.6%

9 0.299 0.377 0.436 0.813 0.078 9.4% 10.3%

10 0.256 0.337 0.318 0.655 0.081 9.9% 10.1%

11 0.290 0.369 0.413 0.782 0.079 10.3% 11.9%

12 0.253 0.300 0.344 0.644 0.047 5.8% 11.5%

 OBPを見ればわかるとおり、非常にアウトにしにくい打者、と言えるでしょう。四球を奪う能力も高く、BB%も9%を超えることが可能で、IsoDも相当優秀な数字が出ています。その一方で三振は少なく、選球眼に優れる打者であることがうかがえます。

 しかし12年にBB%、IsoDがともに5.8%、.047と急落したのは懸念事項の一つではあります。つまり…Scott的な感じの状況ですね。自慢だったはずのOBP能力・塁に出る能力がイマイチ発揮できなかったことがわかります。もしこの傾向が13年も続いたとしたらTB的にはあまりよくない状況と言えます。

FB% GB% LD% GB/FB HR/FB BABIP

7 22.9% 56.0% 21.1% 2.44 7.9% 0.364

8 24.7% 58.2% 17.1% 2.35 9.1% 0.311

9 30.0% 50.2% 19.8% 1.68 10.1% 0.317

10 28.4% 53.6% 18.0% 1.89 3.3% 0.282

11 24.7% 57.2% 18.2% 2.32 10.0% 0.316

12 25.1% 56.3% 18.7% 2.25 7.4% 0.273

 さらに彼をアウトにしにくい打者、としているのは彼がゴロ系の打者である点。GB/FBは常時1.7前後以上の成績を残しています。スピードが武器ではないとは言え、ゴロがフライより捌きにくいのは事実ですから、そういった意味でも理想的な内野手と言えるのではないでしょうか。

 さて、12年のEscobarはBB%が下落しただけではなく、BABIPでも運に恵まれず、キャリアワーストとなる.273をマークしてしまいました。また、HR/FBも11年よりは降下したため、結果として出てきた成績もキャリアワーストともいえる成績でした。例えばBABIPなどはこれまでのところ隔年傾向が出ていますし、さすがに去年程度の成績とは思えません。

 とはいえ、最低でもしっかりと年間を通じてSSを守ってくれれば、TBとしてはまぁまぁ悪くないのではないかな、と思います。

 こないだ使った予測システム(笑)にぶち込んでみます。

 

 .286/.347/.392 10HR 67K 52BB 158H 

 安打はキャリアハイをマーク、OPSも.740と十分な数字が出るとの結果が出ました。実際にこれくらいの成績を残してくれるとうれしく思います。

 さて、ではこの成績で打順は何番になるでしょうか。出塁率が高いので上位で使いたいと思いつつ、スピードもパワーも明確な武器にはなりません。しかし、昨年はPena先生が、その前にはJasoが、それぞれリードオフを務めた経験があるようにTBは(というかマドン監督は)スピードという武器がなくても1番、2番を打たせることがあります。

 ですから、さすがに1番をJennningsに譲るとしても2番での起用は十分にあり得るでしょう。

 各打順ごとに可能性を検討したいと思います。

1番:基本Jenningsが座るだろうから、可能性は低いと考えられる。

2番:もっともあり得る打順だろう。他の候補者としてはZobさんやKelly Johnsonが考えられる。

3番:ここはLongoの指定席になるでしょうから、彼の故障がないと空かないでしょう。

4番:十分にあり得る打順です。TBは割と4番だから、とかにこだわらず出塁率が高い打者を上位で使いたがる。他の候補者はLoneyやScott、Joyce、Zob、Kelly Johnsonら。

5番:やはりあり得る打順で、他の4番候補と同様のメンツが考えられる。

6番:右打者を続けたくない、左打者を続けたくない、のようなシチュエーションでは考えられる打順です。今年はScott、Joyce、Loney、Kellyと左打ちが揃っています。

その他下位打線:出塁率が期待通りであれば、あまり現実的ではない打順です。MolinaやScott、Joyce(左腕時)等が考えられるでしょう。

 といった感じですかね。個人的には5番打者あたりが一番多い起用になるのでは?と踏んでいます。総合的な攻撃力でライバルとなるだろうZobよりは下、Kellyとは同等かちょっと上、と踏んだ結果からですね。ただ、今年のTBは割と一発がある打者もそろってますので、楽しみっちゃあ楽しみですね。