今季の4番を打たなきゃ困る男~James Loney~
Longoはあきらめました。モチベーションが上がりません。。。健康に過ごせればそろそろモンスターイヤーが来てもおかしくないと思いつつ。
という訳で今日から新規加入選手の今年の予測を行っていきたいと思います。記念すべき一回目は4番を打つことを期待されている男、James Loneyにしましょう。
Loneyは02年にドラフト1巡目(全体19位)でLADに指名されて入団しました。この年はいわゆるマネーボールドラフトですから、有名選手は上下に多数おります。MLBデビューは06年春。当時一塁手だったノーマー・ガルシアパーラの故障に伴い昇格をします。その後、07年にはガルシアパーラをサードに追いやって一塁手に定着すると96試合375打席で15HR、.331/.381/.538という好成績を残し、以来昨年夏までLADの一塁手としてチームを支えました。昨年はAゴン、Crawfordらが絡んだ大型トレードでBOSに移籍、低迷した成績もあり、1年$2MでTBに加入しました。
さて、ではそんな彼の成績を眺めながら、今季の成績を考えてみましょう。
G PA AB H HR SB CS
7 96 375 344 114 15 0 1
8 161 651 595 172 13 7 4
9 158 652 576 162 13 7 3
10 161 648 588 157 10 10 5
11 158 582 531 153 12 4 0
12 144 465 434 108 6 0 3
まずは基本的なところ。もともと怪我には強い選手で、07年に定着して以降、基本的に欠場数は非常に少ないですね。怪我に関しては予測不可能なものもあるものの、これまで大きな故障歴がないというのは利点の一つです。しかしながらパワーポジションと言える1Bを守りながらも本塁打はわずか96試合の出場にとどまった07年の15本が最高で、そういった意味では物足りないと言えるでしょう。盗塁に関してはそもそも多くを期待されている選手ではないものの、企図数に対して成功数が少ないですね。11年のように成功率が高ければ企図数は少なくても良いと思います。TBではみんなやたらと走るようになるので、ひょっとしたら10年以来の二桁盗塁もあり得るかもしれません。
RBI BB K WAR wOBA
7 67 28 48 2.0 0.392
8 90 45 85 0.5 0.335
9 90 70 68 1.6 0.332
10 88 52 95 1.4 0.316
11 65 42 67 2.4 0.328
12 41 28 51 -0.1 0.272
wOBAで見るとちょっと好調だった11年を除いて漸減傾向にあります。しかしWARは割と増減を繰り返しています。これはどちらかというと打撃指標よりも守備指標に大きく引っ張られている様子でしょう。実際の攻撃力は減少傾向にあることが言えるでしょう。
7 0.331 0.381 0.538 0.919 7.5% 12.8%
8 0.289 0.338 0.434 0.772 6.9% 13.1%
9 0.281 0.357 0.399 0.756 10.7% 10.4%
10 0.267 0.329 0.395 0.724 8.0% 14.7%
11 0.288 0.339 0.416 0.755 7.2% 11.5%
12 0.249 0.293 0.336 0.629 6.0% 11.0%
率関係を見てもそのことは如実にわかると思います。07年はOPS.919と1Bの選手としても十分すぎるだけの攻撃力を示していますが、それ以降は.800をクリアしたことがありません。そして昨年はとうとうOPS.629と1Bはおろか全ポジションで見てもレギュラー失格レベルまで落ち込んでしまいました。
一方K%は例年通りか、むしろキャリアでも良い方の数字であることがわかります。逆に四球率はキャリアワーストともいえる数字(本当は06年がワースト)を示しており、全体的には早打ちになった傾向と取れるのかもしれません。そうなると気になるのが打席あたりの投球数ですよね。
Pch P/PA
1374 3.664
2470 3.794
2493 3.824
2511 3.875
2208 3.794
1704 3.665
じゃん。やや減っていることが見て取れますが、そこまで大きな差ではありません。ひょっとするとちょっとした誤差の範囲とも取れるか、もしくは投手がLoneyに恐怖を覚えなくなったと言えるかもしれません。
FB% GB% LD% GB/FB HR/FB BABIP
7 36.4% 42.1% 21.5% 1.16 13.9% 0.350
8 34.2% 43.7% 22.1% 1.28 7.3% 0.315
9 35.0% 42.8% 22.3% 1.22 7.3% 0.299
10 32.2% 43.3% 24.5% 1.34 6.3% 0.302
11 37.1% 40.5% 22.4% 1.09 6.9% 0.309
12 29.4% 45.8% 24.7% 1.56 5.3% 0.269
さて、これが重要な点です(私にとっては)。これを見るとなかなか面白いところが見えてきます。まずはGBとFB。昨年は急激にフライが減少し、ゴロが急増しました。もともと俊足とは言い切れない選手ですから、GB%はなかなかヒットに結びつくとは考えられません。そのためかBABIPはキャリアワーストの.269と低レベルでした。しかしLD%は24.7%とキャリアハイの数字をたたき出しており、また三振数が少なくなっていることから、視力の衰えを指摘することは困難でしょう。そのためBABIPは純粋に運が向いてこなかったと考えることができるでしょう。
ここにTBが安価だったとはいえLoneyを選んで獲得した理由が見えるでしょう。つまり、TBとしてはBABIPから見える不運が大きく、特に率関係では持ち直してくると考えられるから、と言えるでしょう。昨年のKeppingerと同じような期待と言えそうです。BB%の低さ、K%の低さがそれを裏付けています。BABIPの持ち直しは期待しても構わないと個人的には考えます。
しかしながら不安な要素はHR/FB。こちらは攻撃力と同様に漸減し続け、昨年はとうとう5.3%という数字になってしまいました。平均では大体10%ですから、平均の半分程度のパワーしか示せていません。まぁ当然1Bとしては失格レベルなのですが必ずしもパワーだけを欲していないTBとしてはそれなりの出塁能力さえ見せられれば最低限の仕事はクリアできていると考えても構わないのでしょうか。
最後に今年の予測をする前に、対左投手との成績を見てみましょう。これはとりあえず12年の成績と通算成績を示しておきます。
12 0.217 0.247 0.261 0.508
C 0.248 0.302 0.355 0.657
12 0.254 0.305 0.357 0.662
C 0.294 0.351 0.439 0.790
やや…という数字で済ませるには悪い数字が見て取れます。特に左対左を嫌うマドンの親父ですから、ひょっとしたら怪我が少なくても出場試合数が減少するかもしれませんね。その場合の代替はTatManことRobertsとしょーん君になるでしょう。そうなってほしいですけれどもね。
という訳で今年の彼の成績予想をしたいと思います。これは昨年Longoの時に作成したものに対してFB、HR/FBなどの指標を加えて作った改良版で行ったものです。
初期値として入れるべき数字:打席数、K%、BB%、BABIP、2B数、3B数、FB%
打席数:580
K%:12%
BB%:7%
BABIP:.315
2B:34
3B:1
FB%:32%
HR/FB:7%
打席数は怪我しない前提ではあるものの、左腕時に試合に出場しないことも考慮して145×4で580と想定をしました。K%はやや悪化の12%、BB%もその分上昇して7%としました。TBに入ると球団側の指導も兼ねて多少投球数を増やさせる傾向が見て取れるためです。続いてBABIPは昨年の反動がやや弱めに出て.315と予想。キャリアでもクリアできている値ではありますし、LD%が高いこともあってこの数値としました。2B、3Bの数は割とテキトーではあるものの、大体これだけ打てれば十分でしょう。
FB%は32%と昨年よりは増えるものの、基本的には弱気な数字。HR/FBも昨年より上昇させるも、基本的には弱気と取れる数字を採用しました。その結果が以下の通りです。
.288/.338/.410 10HR BB41 K70 H155
こういう予想系だとよくある、キャリアの平均値みたいなものがたたき出されてしまいました。またこれくらいの数字だとひょっとしたらJoyceの方が良いかもしれませんね、主軸を打たせる打者としては。まぁ守備は良い選手ですから、TBにとっては大きくプラスに傾くかもしれませんね。
そろそろシーズンが楽しみになってきましたね。