Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

もっとも効率よく野手を打ち取る投手は?その3 救援投手は球数なんか数えちゃいない

 これまた以前作った新指標Pitch/Out(P/O)に関しての議論の続きとなります。以前の記事を読まれている前提で進めますので読んでない方は以下のリンクから以前の記事をご確認ください。

・もっともアウトがとりにくい打者は誰?

・もっとも効率よく野手を打ち取る投手??

・もっとも効率よく野手を打ち取る投手? その2

 さて、続いて2012年の救援投手のP/Oを調べてみました。今回基準は30IP以上ということにしました。

 救援投手は

・先発投手よりも力が劣る者

・スタミナに不安はあるが、短いイニングなら支配的な投球ができる者

・ある特定のシチュエーション(対左とか)に強い者

などが中心的な存在であると考えることが出来ます。また、前の投手が残していったランナーが残ったシチュエーションなど、いきなりタフで絶対にアウトを取りたい場面や、長打を防ぎたい場面での登板が多くなると考えられます。ということはそれがP/Oという効率を重視した指標ではどのように表れてくるのかが知りたくてやってみました。ちなみに、おそらく出てきた結果は全く意味をなさないと考えられます。

 ではご覧ください。

 とんでもなく長いのは置いといて。先発投手の物と見比べてみると、数字が大きい方に傾いているようにも見えますが、やはりサンプル数が多い分(先発88、救援210)、最高の数字は救援投手の方が上ですね。Drew Storenの4.34は非常に良い数字であると言えるでしょう。

 一旦上位・下位で目に付く投手を見てみると上位には上原(8位)、岩隈(21位)なんかがいて、同じ日本人としてはちょっと誇らしい気持ちになりますね。TBの選手では14位Badenhopや16位Rodneyが目につくところです。

 一方下位の選手ではワースト2位のAxford、3位のMarmol、11位のWaldenら荒れ球で有名な選手らが揃っており、やはり救援といえども余計な与四球は球数を増加させてしまう結果になることがわかります。ちなみに彼らの球数では(仮に配球をそのままに)先発をやったとしても5イニング持たず、結果として規定投球回数のクリアが困難な投手になってしまうでしょう。

 さて、ではどれくらい、救援投手が1アウトを取るのに球数を使っているのかを視覚的にわかりやすくするためにグラフにしてみましょう。まずは救援投手だけのグラフです。前回同様、P/O0.1刻みで人数を縦軸にしてあります。

 これだけでは良くわからないですよね。次に先発投手とまとめてみます。

 おまけで数字だけではなく割合でもやってみます。

 非常に良くわかるかと思いますが、明らかに救援投手は先発投手に比べて山の頂点が右に、P/Oが大きい方に傾いているのがわかります。また、山の広がりも救援投手の方が広く、様々なタイプがいることがわかりますね。

 今回の記事では全く何らかの結論を出すつもりはないのですが、救援投手は球数を使ってでもフィールドに打球を飛ばしたくないシチュエーションも含めて、球数を気にしない傾向が先発投手よりも多い、ということが言えるでしょう。また、サクサクとアウトを積み重ねられる救援投手は希少価値が高く、かつ効果的に使える、ということが言えるかもしれませんね。なおご存知史上最強クローザーRiveraは通算(02年以降)で4.98という優秀な値をたたき出しています。

 というような感じでこの項目はおしまいにしましょう。

 おまけ

全く意味はないけど救援と先発をくっつけたグラフも作ってみた。