Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

もっともアウトがとりにくい打者は誰?その4 打ち取りにくい選手オールスターを作ってみた

 さて、前回はまた一連のP/Oの議論の続きになります。以前の記事を読まれている前提で進めますので読んでない方は以下のリンクから以前の記事をご確認ください。

・もっともアウトがとりにくい打者は誰?

・もっとも効率よく野手を打ち取る投手??

・もっとも効率よく野手を打ち取る投手? その2

・もっとも効率よく野手を打ち取る投手は?その3 救援投手は球数なんか数えちゃいない

・もっともアウトがとりにくい打者は誰?その2 投高打低は統一球のせい?

・もっともアウトがとりにくい打者は誰?その3 投高打低は統一球のせい?解答編

 前回は、どうも年度ごとにP/Oが結構大幅に動いているということをお伝えしました。これからP/Oの核心を探ることとしましょう。今回はじゃあ各個人のP/Oというのはどのように移り変わっていくのか、を確認することとします。

 その前に今回ちょっとだけP/Oの数式を変更致しました。今回は簡易版の様な形になりますが、計算の都合上今後はこの数式に致します。選手によっては微妙に数字が変わっているのをご容赦ください。

 P/O=Pitches/(AB-H+SF+SH+CS)

 これで非常に簡便に計算が可能な一方、私自身が望んでいたエラーでの出塁等が計算できなくなっているのは少々残念です。。。

 まずは巨大な表を乗せますのでご確認ください。今回の基準は07-12年の間の6年間で3000打席をクリアした選手100名となります。

 こんなのでは当然何が言いたいのかわからないので、とりあえず、今回は平均値から見てP/Oを基準としたオールスター/逆オールスターを作って終わりにしたいと思います。またしても先延ばしとなってしまいますが…だって難しいんだもん、この指標。。。BABIPというようないわゆる「運」要素以外にも薬物は抜きにしても、その選手がどれだけ恐れられていて、ボール球が多いかにも因りますのでかなり難しいんです。もっとも大抵の選手は大体キャリアを通じて平均値の±0.5以内に収まるようですが。ですからキャリアで5.5程度の選手がいきなり6.5を超えるのは難しいということですね。逆にBautistaなどはブレークした10年以前の成績を見ても5.92-6.34とかなりの好成績を残していることがわかりますし、これを基準に選手を獲得するのは一つの手かもしれません。

 という訳でまずはTime is Money Ballチーム、時間がもったいないからさっさと初球から手を出していくチームです。

C Pierzynski (P/O4.88)

1B Betancourt (P/O4.46)

2B Jose Lopez(現巨人) (P/O4.91)

3B Orlando Cabrera (P/O4.99)

SS Alexei Ramirez (P/O5.04)

LF Delmon Young (P/O5.00)

CF Wells (P/O4.89)

RF Pierre (P/O5.15)

DH Francoeur (P/O5.12)

 ポジションなんかは割とテキトーに当てはめた感じではありますが、こんなところでしょうか。結構日本人にも馴染みがあるメンバーが揃ってはいます。それにしてもBetancourt、メジャー最低のレギュラーと言われながらも今年もきちんとレギュラーを確保しているのはさすがとしか言いようがありません。また、一部では非常に評価が高いDelmon YoungやAlexei Ramirezなども見えますし、Darvishの女房役としても知られるPierzynskiの名前も見て取れます。このチームだと大体アウトにつき投球数が5球。とすると普通に打っていても先発投手は100球で打者20人も打ち取れてしまいます。つまり彼らが普通に成績を残しているのに先発投手は毎回7イニング投げられ、年間34先発とするとなんと238イニングも投げられることになってしまいます。ある意味、脅威です(笑)

 続いて泣く子も黙るどころかそのまま大人になってしまう程、時間をかけてじっくりと野球を楽しみたい人達で作ったオールスターです。

C Mauer (P/O6.87)

1B Votto (P/O6.75)

2B Utley (P/O6.43)

3B Youkilis (P/O6.89)

SS Bautista (P/O6.60)

LF Dunn (P/O6.70)

CF Werth (P/O7.00)

RF Abreu (P/O6.66)

DH Ortiz (P/O6.72)

 いかがでしょうか。普通に見てもやたらと実績があるスーパースター軍団という感じに仕上がっていますね。他にSwisher(6.61)とPujols(6.50)辺りがポジションが無く追い出されてしまっています。また、Dunn先生をLFで、BautistaをSSで使うという非常に無理矢理なポジションにしていますがご容赦ください。特に2B、SSというのは人材難で本職がSSとするとH.Ramirezの5.97(A-Rodは6.23だけど)まで成績が下がってしまいますし、2BもPedroiaの6.25が次点となります。ここの二つのポジションはやはり打撃よりも守備力が重視されていることがわかる結果となっています。

 また、全体トップはAbreuやOrtiz、Youkilis、Mauer、Vottoといった名だたる「打ち取りにくい」打者を抑えて一人大台の7.00に乗せたWerthでした。これは私自身結構意外な結果ではありましたが、彼の能力値の高さを示したものと言えるでしょう。過去6年で5回の7.00超えは驚異の一言ですし、この安定感が彼の強みでもあるのでしょう。

 さて、こんな打者に先発投手が立ち向かうとわずか15アウト、5イニング程度で100球近くに達してきます。こんな豪華なメンバーあり得ないですけど投手がかわいそうです。。。また07年からのデータのまとめなのでUtleyやAbreuなど懐かしい面々も見える感じで楽しいですね。

 出てきたデータでこんなしょうもない遊びもたまには良いと思います。

 ☆本日のおまけ

 TBはようやく毎年恒例のお盆休み(という名の白星長期休暇)が終わり、無事(でもないけど)連勝です。特に今日はCobbの復帰戦。Longoからの祝砲も飛び出し快勝しました。Priceも調子を戻してますし、ガンガン勝ち星を伸ばしていきたいですね。まだまだBOSは射程圏内なのでしっかり追撃していってほしいです。ジェニの離脱が痛いですけど…

 ☆本日のおまけ その2

 ふと今日調べていたらFan Graphsでは投手のWPAランキング、トップがKurodaという投手だった。ずっと質が高い投手であると思っていたが、この指標では現時点でMLBで最も勝利に貢献する投手ということが出来そうだ。また、このままリーグ首位を維持できれば日本人としては07-08年の齋藤隆以来のこととなりそうです。程々に、BOS戦とかで頑張ってほしいですね。