Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

今更ながらDeJesus獲得の根拠を考えてみる

 TBはもう無理ですから。放っておきます。もう仕方がないですよ。BOSがあんなに強いとは思わなかった。脱帽です。TBは2年連続で「POに一番近くで出れなかったチーム」をゲットできそうな中途半端な勢いを感じます。それはTBだけじゃなくて周りのチームの勢いも考慮した上で。

 このままいくとALEからBOSとNYYがPO進出という、いったい誰がシーズン前に想像したよ?という状況かもしれません。最終的にALEの予想は全部ひっくりかえっちゃったよって人までいそうですね。

 という訳で、TBは置いといて…現時点でTBの新外野手としてWASから謎の電撃トレードで獲得したDavid DeJesus選手獲得の根拠を完全に今更ながらではありますが、見ていきたいと思います。

 彼はここまで主に右投手の時に1番打者で出場しており、TBでは18試合で13安打6四球、.271/.352/.354という成績を残しています。サンプル数が少ないので何とも言えませんが、外野3ポジションでの出場をしており、そういった意味ではかなり便利屋的に起用されています。それでは過去の成績を確認してみます。

 KCからOAK、CHCと渡り歩いている選手です。基本的にはレギュラーでの起用が長く続いています。盗塁数の割に盗塁死がやたらと多いのが気になります。また、最近はやや衰えが見えているという風にも取れそうです。ちなみに年は1979年生まれの33歳です。まだ老け込む年齢ではなさそうかとは思いますが。

 総合的な攻撃指標のwOBAでは概ね.340以上の数値を出していて平均以上の攻撃力を持っていることがわかります。またWARではそれ以上に優秀な成績を出していて、こちらは守備力の優秀さも示しています。

 OPSは7割台中盤くらいが通常の値と見ることが出来ますが、IsoDは非常に優秀な成績を見せており、昨年は二桁の10.5%です。また、三振数も多めではありますが、ともにカウントを深くすることが出来る選手であると考えられます。近年はやや三振が増加していて、年齢による衰えが忍び寄っているのかもしれません。

 通常よりもゴロが多い選手で、俊足系左打者としては正しい方向性であると思います。また、あまり多くは期待されていないパワー面ではHR/FBが10%に届かず、通常7%台であることからパワーは非常に乏しいと言えるでしょう。

 BABIPはキャリアでも.313を誇りますが、LD%の高さ、俊足系左打者でゴロが多い点を考慮するとやや高めに出ていてもおかしくは無いと考えられます。

(ついでに参考2)

 さて、それでは今年は、そしてTBが獲得した理由はどうなのでしょうか。年齢に因るものでしょうけれども、やや三振が増加傾向にあり、また、パワーの衰えが見え始めています。LD%は19.0%で08年以来最低の数字を記録していて、その分BABIPが下がっているようにも見えます。

 逆に期待する側としてはBABIPの揺り戻し、HR/FBでの幸運への転調を期待することで、ある程度の出塁力と相まって、十分ともいえる攻撃力を持ちそうです。

 TBはもっとも、彼に対して買っているのは左で外野を全ポジション守れることであるのはわかっています。しかしそんな選手は世の中に腐るほどいますが、その中でも安定して出塁ができることと今後多少好調に転調し得ることの二点が決め手になったと言えるでしょう。実際、TB移籍以降は期待通りと言っても良い程度の活躍を見せていますし、守備は相変わらず上手です。

 ま、どうせPOには出れないし、彼は今年FAだし、どうしようもなくなっちゃったんですけれどもね…。

 しかしながらどうもこれはJ.Wrightの呪いの様な気がしてならない(笑)

 そんな彼を見ていると面白いことに気づきます。彼はもともとデビューはKCですが、10年オフにOAKにトレードで移籍すると、翌年はCHCと2年10Mで契約します。結果的にトレードに出されましたが、彼はOAKのビーンGM、CHCのエプスタインGM、そしてTBのフリードマン上級副社長という出塁率重視型SABR学派御三家ともいえるチームに所属したことになります。

 実は彼ら3名はやはりというかなんというか結構似たような思想をもっていて、特に脇役的な存在になると同じような選手を獲得しがちなんですね。具体的に見てみると、現在のTB所属選手の中ではDeJesusくらいなのですが、今年OAKに所属した選手だと、Coco CrispやLowrie、Reddick、Colon、Okajima、Mossらエプスタイン時代のBOSの選手やJaso、Vogt、BalfourらTB出身の選手が数多く見ることが出来ます。今年CHCにいた選手だとNavarro、Garza、Edwin Jacksonといった08TB奇跡のリーグ優勝メンバーが3人もいますし、OAKからはSweeneyなんかの名前も見えます。古い例になると、TBでもHinskiやPenaの例があります。やはり、獲得したい選手なんかは特に同じような思想の元、チーム構築をしているGM達はやはり同じような選手を獲得して、同じような期待をするのでしょうね。まぁ…資金力の面でTBは遅れを取るのでどうしても供給側になるという悲しい事態ではありますが…。