今更ながらDeJesus獲得の根拠を考えてみるについて追記する
というのもですね、とても大切な内容が抜けていたから追記することにしました(前回記事)。その内容とは何かと言いますと、私が勝手に開発(笑)して勝手に選手の評価に使っている指標Pitch/Out(P/O)ですね。DeJesusのことを記事にしようとした最大の理由が彼のP/Oにあるんですよ、ということを言いたかったのですが…前の記事ですっかり失念していたので新しく記事を立ち上げてみようとしました。
さて、そのP/Oとはなんぞやって方は以下リンクからご確認ください。
・もっともアウトがとりにくい打者は誰?
・もっとも効率よく野手を打ち取る投手??
・もっとも効率よく野手を打ち取る投手? その2
・もっとも効率よく野手を打ち取る投手は?その3 救援投手は球数なんか数えちゃいない
・もっともアウトがとりにくい打者は誰?その2 投高打低は統一球のせい?
・もっともアウトがとりにくい打者は誰?その3 投高打低は統一球のせい?解答編
・もっともアウトがとりにくい打者は誰?その4 打ち取りにくい選手オールスターを作ってみた
という訳で今日は追記なのでもうさくっと行きましょう。DeJesusのP/Oを時系列に観ていきます。
関連がありそうなデータとしてBABIP、BB%、K%、wOBAを並べてみます。
ひとまずP/Oに目を向けてみます。この間(07-12年)の平均は5.92で、一応この間3,000打席をクリアした100選手の中では43位に位置しています。P/Oの基準値は5.7くらいで、6.00をクリアする選手が大体チームに2人弱いるイメージですから5.92というのは悪い値では無くそれどころか平均を上回る、年俸や見た目の成績以上に相手投手を疲弊させる打者であることがわかります。
前回はBB%の高さとBABIPによる成績の回復を見込んで獲得したということを言いましたが、これに加えて、P/O、つまりアウトに対して標準よりも多い球数を投げさせているということがわかります。
この点もさらにフリードマンに見込まれた、ということが言えるかと思います(実際フリードマンはこの指標使ってないとは思うけど)。
さて、彼を見ていると非常に典型的なことがわかってきました。まずはBABIPとP/Oの欄をご覧ください。P/Oが期間中最高をマークした2010年にはBABIPは.355とかなり運に恵まれていることがわかります。一方BABIPが低い方に振れている07年はBABIP.289に対してP/O=5.59、11年でもBABIP.274に対してP/O5.78という数字が出ています。ともにBABIPとP/Oが連動していることを証明しているでしょう。
さらに続いて12年を見てみましょう。BABIP.301と幸運でもなく不運でもなく、という状況ですが、期間中2番目に高い6.12という値を出しています。それについて見ていただきたいのがBB%です。期間中8-9.1%と安定していたBB%がこの年は10.5%と他の年に比べると15%以上高い数字を記録しています。通常5.9台だった数字が6.1と3-4%程上昇させた理由と言えるでしょう。
これらのことから、やはりP/Oは典型的な打者においてはBABIPとBB%に大きく影響を受けることが確認できます。同様にwOBAも引きずられていることがわかるでしょう。そういう意味ではP/Oはまだまだ、「結果を表現している」だけの指標と言え、私が目標とする「未来を予測できる」ツールではないと言えるでしょう。
という訳で短いですが今日は以上とします。