Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

驚くほどすごい選手なのか?~Wil Myers編~

 どうやら本ブログのアクセス数が1,000,000を超えたようです。ご贔屓いただいている皆様、そうではないけれども見てくださった皆様、感謝です。本ブログも本格稼働してからちょうど2年といったところでの大台達成はちょうど切りが良い感じですね。大体2年間で1,000,000ですから1日平均1,300超、また、記事数が前回の記事で132本(大体週1ペース)ですから記事平均で7,500超の閲覧を頂いている計算です。これほどまで多くの皆様に見ていただけるとは本当にありがたい限りです。また、それだけ公共性や公平性もある、ということになりますので身が引きします思いでもあります。まだまだ拙い点も多々ございますがこれからも本ブログ「Rayを釣りたくて」をよろしくお願い致します。

 という訳で本題に入りましょう。今日のターゲットはせっかく1million祭りだからビッグネームを連れてくることにします。昨年のビッグディールでKCから移籍して、6月にMLBデビュー、13HR53RBIと後半戦のTBのツインキャノンの片割れを担った若き主砲、Wil Myersです。ウィルのLが一つだけなのがポイントですね。

 とりあえず基本情報を押さえておきましょう。William Bradford “Wil” Myersは1990年12月10日生まれの22歳。6ft3int(190.5㎝)、205lb(92.7㎏)と堂々たる体躯を持つ右投げ右打ちの外野手です。ノースカロライナ出身で、2009年のドラフトで3巡目全体91位でKCに指名され、プロ入り。その後、捕手から外野へとコンバートされ、打撃が開花しました。2012年12月9日のトレードで目玉としてTBへと移籍してきました。今年は開幕前から新人王候補に挙げられていましたが、開幕はマイナー。6月に昇格すると主砲Longoと共に強力な主砲コンビとして活躍し、88試合で打率.293、13本塁打、53打点という立派な成績を残しました。来年はさらなる飛躍が期待される選手です。

 それでは彼の今年残した成績を分析し、来年期待される数字を考えてみたいと思います。まずは基本的な数字から見てみましょう。

 13年に彼が残した成績をAAAとMLBで並べてみます。やはりパワー・スピード両面でマイナーの方が良い成績を残していますが、MLBの成績も決して悪い物ではないです。一年目の選手にしては十分すぎる成績でしょう。マイナーでも試合数を上回る三振数をしている点が気になる程度です。また、やや四球数が減ったかな?という印象を受けます。

 続いて率関係の数字を見ていきましょう。

 打率に関してはマイナー時代よりも上げていますが、パワー、出塁率、四球率が悪化しています。三振率はほとんど変わらない程度と言えます。この中で心配なのは四球率の悪化ですね。わずかに1.2%ではありますが。この8.8%という数字はマイナー含めてキャリアワーストの数字です。マイナーでは最大18%を超える数字さえもたたき出していたことや、常時10%を維持していたことを考えるとさびしい数字です。やはり少しMLBに対応するには時期尚早だったのでしょうか。

 続いてSABR的な要素を見てみましょう。やはりマイナーの方が良い成績が出ていますが、それでも十分すぎる成績と言えるでしょう。シーズン半分だけの出場でWAR2.4は素敵な数字です。チーム内では6位ということでどんだけTBの選手はWARの数字が良いのだ、という気もしますが。。。

 P/PAに目を移してみると3.96とほぼ4という数字ですが、P/Oは5.25と非常に低いレベルにあります。しかし三振も四球も多めなので、好球必打で初球からも積極的にうちに行く選手であると言えるでしょう。そういう形で好成績を残している選手にはNYYのR. CanoやDETのMi. Cabreraなどがおります。

 最後の表ですが、ここでは打った打球の内容を見ていきます。LD%は基準となる20%をほんの少しだけ超えた数字で、フライが全体の1/3を占め、残りはゴロです。大体標準的な打球のばらけ方と言えるでしょう。またHR/FBは15.5%とMLBでもパワーは強力なスタッツとなっていることを表しています。

 この結果、xBABIP、つまり打球の内容から本来想定されるべきBABIPは.309に対して記録されたBABIPは.362と非常に大きな数字になっています。Luck(運)の欄に示したように5分3厘程、本来より高くBABIPが出ていると結果になりました。マイナー時代のBABIPはそこまで高くないので、おそらくそこまで幸運に恵まれた訳では無さそうですので、今後は逆に揺れ戻しが来ることが想定されます。このまま打率も下がるというあまり想像したくない結果が出るかもしれません。

 さて、今シーズンは非常に調子が良く、新人王も狙える好成績となりましたが、来シーズンはどうでしょうか。やはり運が良すぎた感覚もありますし、研究もされていきます。また、TBではプロテクトを期待することは出来ませんから長打も…という心配もあります。こういった状況を鑑みてとりあえず去年も使った予測システムをちょっとだけ向上させた「野手成績予測システムseriseri Ver1.2」(←かっこよく言いたいだけ、大したものではない)に頼って計算をしてみます。細かい内容はお話できませんが、出力された数字を見てみると以下の通りなりました。

PA658(155試合想定) H135 BB60 SO165 HR25 2B38 3B1 

.225/.296/.417 OPS.713 wOBA.311

 見事に二年目のジンクスにはまるという結果が出てきました。その代りパワー面での向上が見られる成績です。あまりにも打てないTBの選手達としてはちょうど良さそうな数字にも見えてしまい、ちょっと怖いです。そしてこんな数字をどこかで見たこともあるような…はっ…まさか…せっかくFAで放出したちょび髭軸足くりんくりんお兄ちゃん、BJ Uptonにそっくりな成績。盗塁数の予測を入れていない分、余計にそっくりです。

 あーあ…彼の将来はあんななのか。。。外れることをまじめに期待するしかないと思います。という辺りでおしまいにしましょう。

 頑張れMyers!!!