Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

【連載 第15回】打者の運と実力を探る 最終章 ~まとめと提案~

 本稿は連載をしているひとつながりの記事です。 過去記事についてはリンク先からご確認ください。

 ようやく長かった連載(第一回は3/20掲載)も終わりに近づいてきました。当初は4/12までに終わると思ったんだけどなぁ。そこから4か月も後ろにずれてしまいました。

[第一項:ここまでのまとめ]

 本連載ではまず第一章においてBABIPが運によって左右されているかどうかについて考察しました。その結果として、BABIPの分布は正規分布に見えながらも、実際はxBABIPもLuckも正規分布していることから、BABIPは結果的に正規分布に見えるだけであり、実際は実力・運などが複合的にまじりあった結果であることがわかりました。

 第二章ではその運は完全に運であるかを考察しました。その結果、極端な数字を残さないまでも、幸運な選手は幸運を維持し、そうではない選手はなかなか幸運に転じることが無いことがわかりました。つまり、幸運な打者は何らかの方法で(つまり打球特性に因らない理由で)、幸運を維持しているのです。一方で、運の要素を否定できることはなく、かなりの割合で影響力をもっているため、ある程度の上下動は避けられないことも確認できました。

 続く第三章では、どういった打者が幸運であるかを様々な指標を用いて探してみました。その結果、各種指標との相関は無く、どのようなタイプの打者が幸運になりやすいかは不明でした。また、球場の特性に因って多少(最大1分程度)の運の上下動があることも確認できました。但し球場については、飛びぬけた打者などの影響を排除することが難しいことや、実際の運不運の上下動程大きくは無いため、ごく限定された影響だと言えます。さらに通算で見てもHollidayやIzturisの様にLuckが運だけで左右されていないことを強く照明する選手もおりました。単年度ではこれはかなりマイルドな結果にもなりました。これらはLuckの上下は実力でかなり左右される一方、単年度の成績では判別は難しいことの追認となります。以上のことから、xBABIPを鵜呑みにすることはかなり難しいが、あくまで参考程度には使えるということでした。

[第二項:まとめ]

 第三章まで調査を続けた結果、どうもxBABIPは打者の真の実力を示せていないことがわかりました。ただし、現状他にとって代わる指標もないため、これをあくまで参考として使用することとします。また、かなり信用していませんでしたが、それなりにパークファクターは打者の実力に干渉してくることも明らかになりました。当初とは違う結論ではありますが、それなりに意義のある調査だったと思います。

□01

 ご覧のとおり、リーグ平均BABIPとリーグ平均xBABIPとでは大きな差があり、xBABIPはかなり高めに出てしまっている印象があります。

 で、終わると思ったら大間違いでして。このxBABIPの改良に取り組んでみたいと考えています。ということで第三項に入ります。短いですけど、今日はここまで。