Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

キューバで歴史的な快投を見せた左腕 TJからの復活へ

 キューバハバナのEstado Latonoamerikanoで行われたキューバ選抜とTBのオープン戦。先発のMooreが6回無失点の好投を見せ、Loneyが2安打1HR3打点の打撃を見せ、4-1で勝利です。満員のスタジアムが良い感じの盛り上がりを見せていましたね。やはりラテン系の野球の好きさは素晴らしいものがありますよね。

 せっかくなので今日のターゲットはこのMatt Mooreにしましょう。成績予想記事をアップしたつもりになっていて、結局まだアップしていなかったのですね(笑)

 Mooreは衝撃的なデビューを11年9月/10月に見せて以降、Priceに続くTBの左腕エースとして活躍してきました。が、14年途中に怪我で離脱するとTJ手術に踏み切ることになり、昨年後半にそこから復帰してきました。昨年は期待されたほどの、つまりTJ前程の成績を残せたとは言えないのですが、今年はTBの投手陣の中核としてフルシーズンの活躍が期待されます。先発投手が命綱のTBにとって今年は是非とも復活を見せてほしい投手です。彼の成績をいつものように見ていきましょう。

□01

 07年のプロ入り以降一貫して先発で育成されてきて、現在も先発投手です。まぁそれについては良いでしょう。先発投手は皆そういうものです。イニング数で見ると11年にマイナー込みで164.1イニング、その後12年に177.1、13年は150.1イニングと先発の軸にしては少々物足りないくらいのイニング数でした。14年に怪我して、昨年は12先発で63イニングを投げました。ここまで5年間のMLBのキャリアで410イニングの投球に留まっています。基本的にそれなりに球数がかさむ投手ですので、200イニング到達はそれなりに難しいハードルだと言えます。実力は超一流だと思っているのですが、むしろローテの後ろ半分で投げる方が向いているスタイルかもしれません。逆に昔のPriceにも似ているとも言えるでしょう。ここからPriceは一気にコントロールが向上して、現在の素晴らしい投手に進化しました。

□02

 三振数の多さが光りますが、同様に与四球も多いのが気がかりです。また、昨年一昨年は怪我やイニング数の少なさもありましたが、与四球の傾向が変わらないまま奪三振数が落ちているのが気がかりなところではあります。

□03

 マイナー時代は恐ろしいまでの奪三振率でしたが、MLBデビュー以降は他の投手と同様、それなりの数字に抑えられています。一方、それなりに多い四球数は変わっておらず、K/BBを見るとちょっと厳しい数字が並んでいます。特にここ2年は怪我のこともありますけれども、それでもガンガン使い込むには躊躇させるには十分な数字です。今年はTJ休暇明けから1年経過するということで、ここがせめて13年レベルの奪三振率まで向上してくれることを望みたいところです。また、与四球率も下がってくれることを期待したいのですが、そんな簡単に与四球率が下がったらこれほど楽なことはありませんから、そうそう上手くはいかないでしょう。Hickeyコーチの手腕には期待したいですが。

□04

 ERAは程々な数字が通算して出ているのですが、FIP、xFIPはそれよりも悪く、実際にはそこまで支配的な投球ができている訳ではありません。問題はやはり先に見た与四球率の悪さだと言えます。ここが向上されない限り、大活躍は厳しいでしょう。特にTBは得点力が低いチームですから、少々の失点が取り返しのつかない数字になってしまうことが多々あります。LOB%はこんなもんでしょうね。奪三振率が向上すれば、それなりな数字を見込むことが出来るでしょう。

□05

 与四球が多いですから、WHIPは高く、塁上を多くのランナーでにぎわせます。BABIPとxBABIPの関係はこんなもんでしょう。イニング数がそれなりに多い12年13年は十分誤差の範囲に収まっていますし、それ以外のシーズンは根本的にイニング数が全然足りてませんね。

□06

 ゴロフライ比で見るとあまり変化はありません。大体1前後に収まる一般的な投手です。問題というか、注目すべきは14年15年に急上昇したLD%です。やはり怪我の影響からか、本来の投球が出来ず、通常よりも捉えられやすい吸湿だったことが言えるのではないでしょうか。但し、手術前はGB/FB1.67と大きくゴロ系に傾いたのち、15年には戻っているのが面白いところです。今年以降はまた1前後の数字に収まるのではないかと考えられます。

□07

 14年以降、怪我の影響なのか、速球の割合が減少しているのが気になります。やはりダメージは大きかったのだと考えられます。また、その頃からカッターをレパートリーに加えています。個人的にはカッターは投げるのが難しい球という印象があって、カーブとの親和性は疑問符があるのですが、そこは個人の力量とか適性がありますからわかりませんね。それ以外、カーブ、チェンジアップが彼の持ち球ですが、私は彼のカーブは結構好きだったりします(というか、速い速球とカーブのコンビネーションがとても好き)。

□08

 球速も14年以降落ちているのが気になりますが、昨年はそれも戻ってきてる感じです。これが12年並みにまで戻るだけで全然違うはずですね。ここには載せませんが、14年以降はコンタクトも多くされるようになっていて、やはり球速の低下と質の低下が両方あったのがわかります。また昨年も完全には復帰できていない様な数字でしたね。今年、試されることになります。

 と言う訳で本日のまとめです。

・エース級に見せかけて、与四球率が高く、実はそこまでの成績は期待しにくい。

・球数は多く、イニングは食えない。怪我明けなことも考慮されるかもしれない。

・14年以降は怪我のこともあり、全体的に成績が悪化。球速もコンタクト率もLD%もすべて下落。ここを戻せるかが今年の焦点。

・それでもカッコいい投球ができる投手だよね!!!

 では成績を予想してみましょう。

26G 142.2IP 130SO 65BB ERA3.79 FIP3.68 xFIP3.88 HR11 H108

 なんかやたらとFIPが良く出てきてしまいました。なんか変な感じがするのでひょっとしたら式が間違ってる?(笑)もしかしたら今後計算しなおすかもしれません。開幕前に。

 でもこれくらい投げてくれれば良いんじゃないかね。頑張れMoore!!!

 ちなみにSmylyのイニング数/登板試合数も控えめ、Odorizziも34試合先発は無理。出してないけどErasmoも多分若干控え目で30試合先発位になるはずで、その隙間を夏場に復帰予定のCobbと次のエース候補のSnellが埋めたりする形になるのではないでしょうか。今年に限ってはベテラン先発陣を補強していませんが、Andriese辺りも含めて若い投手陣で何とかするのではないでしょうか。それにしてもMooreもOdorizziもCobbもSmylyも怪我もあったりでイマイチ突き抜けきれない投手が多いですねぇ。ここが揃って爆発すると逆に手が付けられない先発投手陣になるんじゃないですかね?(希望的観測 笑)