Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

祝 長期契約!? Kevin Kiermaierをポジティブに考える

(目的/動機)

 今日のターゲットはKevin Kiermaierにします。ちょうど6年50M+α?みたいな感じに契約延長間近、みたいなニュースが飛んできましたので、彼がそれだけの契約に見合うような選手なのかどうか、これまでの成績を確認しつつ見ていきたいと思います。

(方法)

 いつものテンプレ(笑)に成績を打ち込み、それを眺めます。次にそれでちょいちょい考察していき、最後にいつもの選手成績予想システムseriseri(今のバージョンはわからないけれどもVer. 1.3.0くらい、という名のただのエクセルファイル)に放り込んで出てきた数字を眺めてみます。

(結果)

□01

 Kiermaier(以下KK)は13年のシーズン163試合目、1ゲームプレーオフで突如として出場登録され初出場した。その後14年以降、事実上のレギュラーとしてTBのCFに収まっている。

 基本的には非力だが、良いスピードの持ち主とされている。マイナーでは通算15本塁打にすぎない。が、MLBではそれなりにパワーを発揮し、3年連続二けた本塁打を打っている。

 また、盗塁に関しては当初は良くなく、14年は5盗塁4盗塁死であったが、16年は21盗塁に対し3盗塁死と大きく向上させている。

□02

 wOBAはレギュラーとしてはほぼ平均的な値を示している。一方WARは高い数字を残していて、3年間365試合出場で13.1となっている。162試合換算だと5.8となる。これは彼の守備による加点が大きい物であるが、いずれにせよチームには大きく貢献している。

□03

 打率は高くないが、昨年は出塁率を上げることに成功した。IsoDはキャリアハイの.085である。パワー面は停滞気味で、打率も下げているが、OPSは安定して.700台中盤を記録できる。

□04

 IsoDが高くなったことからもわかるが、BB%はキャリアハイの9.7%を記録した。一方でK%はほぼ変化無い数字であった。成績の向上に直結する困難な内容の向上を成し遂げたといえる。

 それに伴いP/O、P/PAがともに上昇し、キャリアハイであった。特にP/Oはリーグ平均5.66を上回る5.75であった。

□05

 打球傾向を確認すると、以前はゴロ系の打者であったが、昨年はフライ系にややシフトし、全体としてはニュートラルな打者であった。LD%は標準的な20.6%で15年に引き続き20%を超えた。また、HR/FBが11.1%と再び二桁に乗せている。

□06

 昨年は打率が下がっていたが、打球傾向の変化によるxBABIPの低下があり、さらにxBABIPとBABIPの差があった。

(考察)

 ざっと見ていきましたが、なんか思っていたよりもKKの成績が向上していたので驚きがあります。特に三振率を変えないまま、四球率を上げるという難易度の高い成績の向上を見せていて、これを維持できるとかなり面白いことになると思います。

 これに伴い、P/Oが向上していて、打ち取りにくさはMLBの平均を超えました。足の速さも相まって、かなり嫌らしい打者になってきたのではないでしょうか。P/PAも3.89とそこそこの水準まで上がってきました。あっさりと初球に手を出さなくなったのです。KKはシーズン中、試合に出てれば割と上位打線での起用が多かった割に、出塁率を向上させてるのはすごいですね。これは今シーズンも期待したくなります。

 一方打率は下がってしまっているのですが、これは若干の不運と、極端なゴロ系からニュートラル寄りにシフトしたことが原因でしょうね。それでもLD%は20%を超えていますし、HR/FBが二桁あれば、.250前後は記録できるはずですね。これからの向上のポイントは25%を記録してしまったIFFB%の低下で、ここを下げるだけでかなりBABIPを戻せるのではないかと思います。

 HR/FBもトレンドに乗ったとも言えるかもしれませんが、14年以降、まぁパワーが無い訳ではない程度の打者でしたし、これくらいの数字は期待しても罰は当たらないはずですね。かなりムラっ気の打者ですが、乗っているときは本当手が付けられないですね。何故か乗っているときほど足も速くなる不思議。

 そういう意味では得意のゴロ二塁打は減っている感じではありますが、これはさすがに周囲の警戒もあるからでしょう。その代わり盗塁数も増え、盗塁死を下げるというこれまた素晴らしい成長を見せているので、問題ない様にも思えます。いや、本当驚くほど素晴らしい選手になったなぁと。

 これで6年50Mであれば、年俸調停3年をカバーしてるので、現状のMLB基準ならお買い得でしょうねぇ。TBらしい動きですが、KKにもぜひこれで活躍してほしい物です。

 そしてこれでとりあえず22年まではLongo、Archer、KKとチームの軸が決まることになるので、この間に、さくっと1度か2度、プレーオフをもらっちゃいましょう。今年?もちろんあり得ると思います。なんか北の方のクリスマスでもないのに赤い靴下履いてるところはエース左腕がDLっぽいしね。

(まとめ)

・選球眼が向上した。三振は増やさず四球を増やした。

・打球傾向がニュートラル寄りにシフト。HR/FBは悪くないがIFFB%が気がかり

・やっぱいい選手だよなぁ

 じゃ久々の成績予測と行きましょうか。

469打数124安打 本塁打17 四球51 三振91 二塁打23 三塁打10 .264/.336/.464 OPS.800 wOBA.346

 …う~ん…ポジりすぎ?

(感想)

 思ったよりも良い成績で驚いたとともに、頼もしくなった選手ですねぇ。最初上がってきた時はまたこういうしょーもない俊足巧打系の左バッターばっかり集めて…みたいに思ってたんですけどね。14年のゴロをダブルにするのを見てからすっかりファンに(笑)CFの守備も良いもアリ、調子に乗ってる時のパワーもアリで、中々に面白い選手ですよね、はい。

☆本日のおまけ

 WBCのこと来ると思ったでしょー?来ないんだなぁこれが。ちょっと考えてみたのはNPBのFAのこと。確か選手会の主張として、自動的に登録日数からFAにされてしまうと、レギュラー未満の選手たちが行き場所を失ってしまい、事実上の引退となってしまう可能性が高いために反対をしているというのがありました。が、よく考えてみたんですが

・選手の補強の手段はドラフトとFAと外国人しかない

・外国人枠は4枠しかないから何人も取ってもしょうがない(一応制度上46人までは支配下登録できるはずだがそんな馬鹿なことをするとは思えない)

・ドラフトは全球団合計最大120人しか取れない

 という条件があるので、結局FAで選手が自由契約になってしまうとポジションが埋められないから、誰かしらのFA選手を獲得しなきゃ戦力が整わない(補助戦力であっても)訳で、結局契約をもらえないFA選手+契約をもらえない戦力外通告を受けた選手の合計は今と変わらない人数に収まるはずなのではないでしょうか。。。って考えると踏み絵FAはやめてほしいんですけどねぇ。とはいえNPBは「戦力均衡を考えない稀有なクローズドリーグ」なので、むしろ踏み絵FAで良いのでしょうかね(笑)