Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

牧田はMLBで通用するのか? ~NPB投手のMLB成績プロジェクションを目指して~ その3 まとめ+成績予想編

(目的/動機)

 前回に引き続き、リクエストがあった、西武ライオンズの牧田のMLB移籍した場合のプロジェクションを目指した一連の記事になります。本記事では最後の成績予想を行います。

(方法)

 まずは牧田投手のこれまでの成績を確認し、その中で、過去2記事についてみてきた指標を中心にして、今、MLBに移籍したと仮定した場合の成績を考えてみます。予想する成績は成績予想システムseriseri(という名のただのエクセルファイル)に色々数字を放り込んで眺めてみます。

(結果)

□01

 まずはこれ。基本的には先発投手でしたが、新人の2011年と昨年はリリーフでも起用されていて、特に昨年は50試合で0先発と初めて中継ぎ投手として専念した形です。

□02

 奪三振数は先発していたころから、年間三桁は12年のわずか1回だけ。与四球も50以下とこちらも少ないですが、いずれも少ない印象があります。

□03

 ここで確認するとよりわかりやすいです。K/9はキャリアハイが新人年の6.06で、ここ数年は4点台と寂しい数字です。K/BBはこれまたキャリアハイが1年目の5.38でこれは立派ですが、ここ数年はBB/9が2点台後半ということもあり、1点台半ばと正直数字としては失格クラスの成績となっています。一方HR/9は相当良い数字が出ていて、通算でも0.44と素晴らしい数字が出ていて、これまで見てきた選手の中ではマー君やダル程ではありませんが、岩隈・前田・松坂なんかよりもはるかに良い数字を残しています。本塁打は打たれにくいことが彼の特長だと感じます。

□04

 防御率は基本的に当てにはしてないのでアレですが、FIPと比較すると大体毎年近い数字を残していますね。乖離の大きい13年16年はLOB%が高く出ていて、かなり運が良かったことがわかります。特に昨年は異常な数字だと感じます。

 最後に「前の記事で示したように無理矢理計算した」GB/FBです。大体1点台と基本的にはフライ系でもなく、ゴロ系でもなくニュートラルな打者だと感じます。MLBに言った場合はフライ系に傾くかもしれません。

(考察)

 なんか結果欄で色々書いちゃったのですが、ざっくりというと、なんか思ったよりも奪三振が少なく、四球が多い投手(正確には多いというよりは三振とのバランスが悪い)となりました。これだけを見ると正直かなり不安があります。逆に売りは無駄な本塁打が出ないことだと感じますので、基本的には強い当たりを打つことをさせない投手であると言えるでしょう。GB/FBがニュートラルであるにも関わらず、被本塁打が少ないことはHR/FBの値が小さい=強い当たりを打たせないという考え方が成り立つからです。

 ただし、これがMLBでも成り立つかというとそれは疑問で、MLBの方がフライが多く、本塁打も多い、かつ三振数は変わらないのに四球数が増えることがこれまでの記事で明らかになった通りで、MLBの方が高パワーかつ選球眼が良いので、MLB移籍した場合、急激に成績が悪化してしまう可能性があるかと思います。もっと狙って三振が奪えたらよいのですが、先発とリリーフで奪三振率があまり変化無いようなので、狙って三振というのは無いかと思います。

 それと、何も書いてきませんでしたが、おそらくMLBに移籍した場合、先発ではなく中継ぎに転向させられる気がします。まぁ変則投手というのもありますし、成績を見るとちょっと先発では苦労しそうなのと、過去にもNPBで先発してもMLBでリリーフに転向という投手はいくらでもいるためです。

(まとめ)

・低い奪三振率と、そこそこ高い与四球率

・そこからくるバランスの悪さが不安。

・被本塁打率が良く、球を捉えられないことが武器。

・この武器がMLBで通じるかどうかが肝。

・打球傾向はニュートラル。MLBではフライ系にシフトする可能性がある。

 こんな感じでしょうか。ではこれを用いてざっと成績予想をしてみましょう。今回は起用法は全く分からんのですが、とりあえず50試合50イニングというざっくりな感じで率モノを計算してみました。

G50 IP50.0 SO25 BB18 ERA4.68 FIP4.27 xFIP4.85 HR4 H53

(K/9=4.50 BB/9=3.24 K/BB=1.39 GB/FB=0.98)

 まぁこんなもんじゃないでしょうかね。現状MLBでは三振が取れない投手はかなり生き残りが厳しい訳ですが、この数字でどう評価されるか。。。

(感想)

 なんか思ったよりも残念な数字になってしまったのが、個人的にはがっかりです。見ていて好きな投手の一人だし、もっとできると思っていたのですが、実際に数字があまり伸びていなかったのが…。投手って難しいですね。

 あ、あとこれが決してWBCでダメだとかいう理由じゃないんですけれどもね。そのWBCでは結構しっかりと起用されるようなので、ちょっと楽しみでもあります。

 こんな感じでNPBの投手のプロジェクション企画でした。いやはやめんどくさいったらありゃしない。数字が全然ないし、というところですかね。結構てきとーな予想が多くなるのはしょうがない。つーかそもそも3本の記事をまとめて書いたんだからめんどくさいに決まってるよなぁ…。疲れたからおまけは無し。