Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

Cobbは復活してるのか?

(目的/動機)

 Cobbは大好きな投手ですね。TBの投手陣の中では一番好きな選手です。あのゆったりとした投球フォーム、カッコよくないですか?

 そのCobbがTJから戻ってきて、今年はちゃんと開幕からローテーションを守っています。ここまで8試合49.1回を投げて3勝3敗、防御率3.65とそれなりに結果を残しているようにも見えます。

 じゃあ本当に彼はTJ以前のCobbに戻れたのか、ちょっと色々眺めてみようかと思います。

(方法)

 いつものテンプレ(笑)に成績を打ち込み、それを眺めます。次にそれでちょいちょい考察していきます。いつもの選手成績予想システムseriseri(今のバージョンはわからないけれどもVer. 1.3.0くらい、という名のただのエクセルファイル)には数字を入れません。もうシーズン始まってしまっている以上、後出しの成績予想はしたくない。

 本記事は現地5/17試合終了後のデータで作成しています。

(結果)

□01

 15年はTJしてるのでデータはありません。以降全部の表でそうなっています。ここまで8先発49.1回3勝3敗は先述した通りです。奪三振は31。

 意外なことにキャリア通じて先発のみで起用されており(中継ぎ起用0)、当然セーブもセーブ失敗もありません。

□02

 見ればわかるので特にコメントはナシで良いですね。16年の数字はかなり悪いのですが、これはまぁ仕方がないでしょう。

□03

 K/9が5.66とキャリアワーストレベルとなっています。一方で、与四球率は悪くなく、キャリアハイペースではあります。また、サンプル数の問題ももちろんありますが、TJ前よりも被本塁打が増えています。K/9が悪化しているため、K/BBも2.38と良くない数字です。

□04

 FIP、xFIPともTJ前よりも数値が上がってしまっています。また、ここ2年のリーグ全体のトレンドでもありますが、HR/FBも上がっているのがわかります。

□05

 GB/FBの数値はTJ前は2を超えていたのが、TJ後は2を切っています。それ以外のLD%やIFFB%に大きな変化は見られません。

□06

 BABIPとxBABIPにはTJ前後で大きな変化はありません(復帰した16年を除く)。全体的な傾向は変わっていません。

□07

□08

 球種の割合については考察で見ていきます。球速については速球はほぼTJ前レベルまで戻っており、チェンジアップもカーブも同様ですから、少なくとも、そういう機能的な面では回復しているとみても問題は無いでしょう。

(考察)

 さて、では色々考えていきましょう。

 まず投球回ですが、ここは現在1登板当たり18.5アウトを奪っており、そのまま6.1イニングくらいの投球回です。これは怪我前の14年までとほぼ同様であり、一先ずはイニング数自体は食えていると言えるでしょう。

 しかし、奪三振率自体は、下がっていて、リーグ平均よりも高い値を記録していたTJ前と比較すると相対的にはより下がっていると言えます。与四球率はほぼ変化がないので(キャリアハイではあるが…)、コマンドの不安定さが原因ではないと思いますが。。。結果的にK/9が下がっているのでK/BBは2.38と低い値になってしまっています。BB/9をこれよりも下げるのではなく、K/9を上昇させることが、ここの改善のコツだとは思いますが(Cobbが割ときっちり三振を取っていた投手なので)。

 続いて本塁打の傾向。HR/9ははっきり言ってTJ前よりも上昇しています。ここは2つほど理由がありますね。一つはHR/FBの上昇で、これはここ2年のリーグ全体の傾向でもあるものです。TBでは敵味方合わせてなぜかよく球が飛ぶようになりましたね(どーむらん!!!)。もう一つはCobb自身の打球傾向の変化でしょうか。元々かなりGB%が高いゴロ系の投手でしたが、この値が徐々に下がってきています。12年には2.77あったGB/FBが現時点で1.64まで下がっています。HR/FBに加えて、フライが増加しているため、そりゃあ本塁打増えるよな、というところです。

□09

 ところで、このグラフ。CobbのGB/FBを示したものですが、中々綺麗な下落傾向でして、15年が欠けていてもなんだか一貫しています。

 打球傾向の話が出たので、ついでにLD%の方も見てみましょう。今年はここまで22%と若干高めな数字が出ていますし、FB%も上昇しているので、ややとらえやすい球が多いのかなという感じがしますが、おおむね誤差の範囲でしょうか。何よりもゴロの減少が気になるところです。

 あとは球種についても見てみましょう。今年はやたらとカーブが多いなという印象でしたが、実際にデータでもチェンジアップという名のフォークが減り、カーブが増えています。チェンジアップはTJ前は全体の1/3を占めていましたが、現在は1/5程度、かわりにカーブが1/3を超えており、完全に逆転しました。まぁ、スプリッター禁止なTBですし、その事実上スプリッターでTJ受けてるんだから、首脳陣から減らせと言われるのは仕方がないかもしれません。

 もっとも、そのスプリッターで三振を多く奪ってたのも事実ですから(4.2回10奪三振とかもしてたよね)、ここがK/9悪化の理由なのかもしれませんね。カーブもCobbのカーブの動きはすごく好きというか好みですが、アレと速球だけだと厳しいだろうなぁとか思ったりもしますね。

 とりあえず、奪三振率が戻ってこないことには現状のCobbでは厳しいものがあるでしょう。チェンジアップの減少と関連があるように見えるのがちょっと辛いところではあります。チェンジアップ多用したら三振取れるようになった、となった場合、Cobbがどう決断するのかが注目ですね。

 いずれにせよ、まだシーズンは1/4程度。ここからCobbがどういう投球をするのかも含めて、楽しくTBを見守っていこうと思います。チャンピオンリング目指してがんばRays!!!

(まとめ)

・投球回数はTJ前に戻っている。

・球速はTJ前に戻っている。

・GB/FBの下落傾向は続いている。

・リーグの傾向と併せて被本塁打が増えている。

奪三振率が下がっている。

・チェンジアップの割合も減っている。

・とりあえず健康は取り戻しているが、この奪三振率を戻すのがポイント。

☆本日のおまけ その1

 ちなみにスプリッターと言えばBruce Sutter。彼はスプリッターがないと自分はただのマイナーリーガー。肘を壊すと言われてもこれを投げ続けると言ったそうですね。カッコいい覚悟です。ちなみに彼の握りを写真でみたことありますが、どう見てもフォーク。。。