Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

広島東洋カープは運に恵まれているのか

(目的/動機)

 昨年、広島は非常に運に恵まれていた、だから優勝できた、みたいな論調をたびたび目にしました。そして、今年もここまでは運に恵まれている、だから上位にいるみたいなことも聞きました。本当にそれだけなのか、確認していきたいと思いました。ちゃんとした体裁をとっているけど、割と小ネタなつもり。

(方法)

 私大好きBABIPと得失点を中心にして、セントラル・リーグ各チームの状況を確認したうえで、それを中心に論じていきましょう。議題の中心は、「広島がラッキーなのか」「広島はラッキーな「だけ」なのか」です。

 なお、データはすべてプロ野球ヌルデータ置き場さんから引用しました。いつもながらありがとうございます。

(結果① 2016年)

□01

 順番は単純に差の順(BABIP-被BABIP)にしました。昨年の結果はBABIPで広島がリーグ1位、被BABIPでもリーグ1位、断トツの+0.028の差を叩き出し、得失点も断トツの+187という記録でした。

□02

 なお、縦軸に得失点、横軸に差を取ってみるとこのように綺麗なグラフに。相関係数は0.84程ありますから、かなり高い相関があると言えます。

(考察① 2016年)

 まず、最初に考えないといけないのはBABIPが果たして運で100%語っても構わないのか、という点です。少なくともこれについては否です。詳細については下記URLから飛んでください。以前私がMLBを対象にしてBABIPについて頑張ってみた時の一連の記事です。

(「【連載 第0回】打者の運と実力を探る イントロダクション」http://www.plus-blog.sportsnavi.com/seriseri/article/194)

 基本的にはBABIPは打者の実力がそれなりにかかわるものの、それを無視してしまいかねないほど大きくブレる(=そのブレを解析できないもの=運と呼ぶ)指標でもあるということがわかりました。特にその実力については各打者あるいは投手の打球傾向には大きく左右されます。良い当たりはヒットになりやすいですし、当然ゴロやフライよりもライナー性の当たりがヒットになりやすいですから、そういう当たりが打てる打者はBABIPがよくなりやすく、ライナーを打たれにくい投手はBABIPがよくなりやすいです。そしてそれを吹っ飛ばすくらい運も関係してくるのです。

 その中で、昨年の広島を見てみると、他チームに大きく水をあける+0.028もの幸運な差を発生させ、それと高い相関を見せた得失点でも断トツの数字を示し、そして優勝しました。ついでに得失点と勝率の相関の高さも調べたらわかりますが、野球の場合は面白い結果が出ます。

 もちろん、これについて広島の各選手の実力が非常に高かったという可能性は否定できませんが、それでも広島がある程度以上の運に恵まれていたのではないかと思います。

(結果② 2017年)

□03

 今年も確かに広島はBABIPでも被BABIPでもリーグ首位であり、その差も唯一大幅なプラスを記録している。得失点も92と高い。他チームを見ると、阪神が大幅なマイナスを記録しながらも得失点は大きくプラスである。逆に中日は-0.001とわずかにマイナスなBABIPの差であるが、得失点は-53とリーグで2番目にマイナスを記録している。

(考察② 2017年)

 今年も広島はある程度以上の幸運に恵まれているようにも見えますね。少なくとも不運だということは全くできないと考えます。チーム単位で見ますと相当な幸運にも恵まれているのかなぁというのが感想ですが、そんなんじゃここの読者は納得してくれないと思いますので、こういうのを出してみます。

□04

 まずは打者の方です。OPSは広島が段違いの数字を出していますね。他チームより1割高いです。ちなみにそれ以外は4チーム団子。巨人が酷い数字で沈んでいます。もちろんこれをBABIPに押し付けてしまっても構わないのですが、別な視点でも見ていきます。まずは四球と三振の割合を示すBB/K。これについては選球眼の良さにも掛かってきますし、BABIPに頼らずにアウトにならない力も示します。

 が、BB/Kは0.47でリーグ3位。確かにリーグ上位にはいますが、段違いで首位という感じではありませんね。つまり広島は選球眼が良く、良い球だけを選んでそれをぶっ叩くという戦術に長けている訳ではなさそうです。

 次にAB/HRを見ましょう。とりあえずパワーナンバーの指標として連れてきてみました。これは1本塁打当たりに要する打席数です。こちらは広島が段違いの数字を叩き出して、リーグ1位です。続くのがLuck最下位だけど得失点プラスの阪神とBABIPの差が小さいけれども得失点は大きくマイナスの中日というのが面白いですね。

 要するにどちらかというと現状の広島については、打撃の方は、リーグでもトップクラスのパワーを持っていて、そのパワーで高いBABIPを残せる可能性が高いでしょう。強く叩いた打球が多いのでベースのBABIPが上がりやすい、ついでに本塁打も増えやすいということですね。まぁ右打ちだの進塁打だの小技だの言わない方がいいってことですよ

 とはいえ、不運ということはできなく、おそらく運についてもややプラスな数字は出ていると思います。

□05

 もちろん投手陣の方も確認しましょう。広島はやっぱりリーグ1位のOPSですね。羨ましい。つーか投手の被OPSが1位で打者のOPSがぶっちぎりの1位だったら弱いはずがないのだ(byジャラ〇ンガ)。

 ついでにOPS2位は阪神ですね。それ以外の4チームは団子ですが、巨人はここでも最下位。そりゃあ簡単には勝てませんね。

 投手の実力を最も端的に表す指標でもあるK/BBを確認すると実は広島はリーグ最下位の数字なんですね。その数字わずかに1.88です。ちなみに数字示してないですが、奪三振よりも与四球が多すぎる(リーグワースト)が問題ですね、これ。

 次に出したランナーを返さない度LOB%はリーグで真ん中くらい。これについては普通の感じなので特筆すべきことはありません。

 そしてFIPは色々絡むのですが、リーグ2位、FIPとERAの差もリーグ2位です。要するにいい感じに実力以上に防御率が良く出ているとも言えます。これは別に直接BABIPには関係しませんが。

 投手陣については、割とかなり運が良く出ているように見えますね。実力がずば抜けてる感じがしません。

(まとめ)

 じゃあまとめてみましょう。

・今年も広島は素晴らしいBABIPの差と得失点を記録している。

・打撃についてはリーグトップのBABIPでトップのOPS

・打撃はパワーナンバーもずば抜けて1位。パワーで高いBABIPを残している可能性。

・投手陣も今年もリーグトップのBABIPとトップのOPS

・ただし、K/BBはワーストでF-Eも高め。こちらは運が味方したように見える。

 結論:打撃は良い。不運でもない。投手陣はかなり怪しいが、運が良い。なので全体としても運が良い方ではありそう。とはいえ、運だけではない。

 というところで今日はここまで。

☆本日のおまけ その1

 Twitterには載せましたがCLのAB/HRランキング

広島 35.54

阪神 46.49

中日 47.56

横浜 52.82

巨人 60.91

東京 63.90

…打者有利の本拠地球場とはいったい何なのでしょう(笑)

☆本日のおまけ その2

 なんか例のボールにモンスター入れるゲーム。マイナーチェンジ版は楽しみですね。たぶん買います。…早くツリーでシングル50連勝しないと…(割とマイナー使いなので…)。

☆本日のおまけ その3

 その上のゲームのGo版。こっちも結構やりこんでる勢なんですよね、私。お金は払ってませんが。そして周りが青くて、孤立無援(徒歩5分以内のジムがすべて青のLv.10で月単位で安定しているし、崩しても48時間以内に元に戻る)すぎるのが難点ですが。。。つーかそれよりも強制的にCPゲーにしてしまったハピットモンスターである。アレにフェアリーと高い攻撃力を与えなかったのが本家の良心だったのに。黄色いムーミンは高CPでもちゃんとフェアリーや氷でCP差1,000超くらいでも十分対策できたのに、今のハッピーなすびはそれだと制限時間までに倒しきれないでTODされるし、ゲージ技食らうのでダメージが大きくて…。メタゲームとしての体をなさなくなるとちょっとねぇという感じです。