Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

xBABIP ver.2016をこまごまと

 サボりすぎと言う声が聞こえてきそうです。お久しぶりですseriseriです。そんな訳で本日は2016年のxBABIPを眺めてにやにやする回です。それ以外のことはおまけでまとめてドンとしませう(おまけの方が充実しているのはいつものこと)。

 では早速参りましょう。2016年はMLB全体で本塁打が吹き荒れ、一気にまた得点の多いリーグになりましたが、それとBABIPの変動は連動しているのかどうかが気になるところです。

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 こんな感じになりました、はい。おしまい!!!とするのはさすがに雑すぎるのでやめておきます。

 リーグ全体のBABIPは.300と大体標準的な値に収まりました。昨年が.299ですから、ほぼ変動がなかったことが分かります。これだけを見ると単純に得点の増加は説明がつきません。リーグ打率も15年の.254から16年.255とBABIPの上昇分程度の上昇に過ぎず、ここで得点の増大を説明するのは困難だと言えますね(ちなみに得点は20,647→21,744)。

 ではそれぞれの要素をちょこっと見てみましょう。まず気になるのはLD%のBABIP。こちらは昨年比では若干上昇していますが、まだまだ平均に届くレベルではありません。単純に2012-14年の頃に戻っただけのようにも見えます。

 GBに目を転じるとこちらは.239と過去最高タイの高水準ではありますが、ただここはかなり安定した数字を毎年残しているので、余り影響はないと思います。

 そしてFBはむしろ若干下げた形になりましたが、こちらもほぼ変化がありません。そういう意味ではここ4-6年ほどかなり安定した数字を各指標が残しています。つまり、今年のHRが急増した理由とそれに合わせて得点が増大した理由については「BABIPや打球の安打のなりやすさ」から説明することはできないということが言えます。回りくどい言い方にはなりますが。ちなみに15年と16年で本塁打数は+701本、得点は+1,097ということでこれだけで2/3の得点が上昇した理由が説明ついてしまったりしますね。単純にHRが増えたということで。ただ本塁打が増えた=良い当たりが増えた=BABIPにも影響ありとか思ってて私はわくわくしていたんですが、残念です(笑)

 と言う訳でとりあえず今後の成績予測(本当に今年やるのかどうか知りませんが)ではこれを活用していこうと思います、はい。

☆本日のおまけ その1

 真面目な話題から。TBのRichie ShafferとTaylor MotterがSEAにトレードされていきました。

 Shafferは今年でMLB2年目、25歳の内野手で、昨シーズンは31試合88打席で.189/.307/.292、4本塁打。今シーズンは20試合54打席で.250/.315/.438、1本塁打。パワーは非常に魅力的でしたがイマイチ確実性に欠けるのと多い三振で、とりあえず選手層を厚くするという意味ではアリでしたが、レギュラーにはイマイチ力不足と言う印象。

 MotterはSSを本職で外野もこなすUTでしたがこちらも今年デビューで27歳。今年は34試合93打席で.188/.290/.300、2本塁打と打撃には苦労しました(BABIPが低いのもあるが)。TBはSS本職はたくさんいますし、こちらもレギュラーには力不足を感じる選手でした。いわゆるルール5ドラフトに向けて40人ロースターの整理を必要としていたところで、替えが効く控え選手たちの動きが活発化しています。

 他にもLogan Morrison、Alexei Ramirez、Kevin Japsen、Bobby Wilson、Steve Geltzらがロースターから去っています。TBはこの手のレギュラー未満の選手が多くなりすぎていた印象がありますから、それを整理した形ですね。残ったのはTim BeckhamとかMikie Mahtookとかその中でもいてほしい上位陣くらいですね。

 トレードで代わりに来たのは1BのDalton Kelly(21)と右腕のAndrew Kitterdge(26)、Dylan Thompson(19)と3名のマイナー選手。基本的にはいずれもそこまで期待値は高くなく、将来的には上手く行ってもMLBの層を厚くする選手達だと思います。って考えるとTBは今の控え選手を2名放出して、将来の控え選手を3名手に入れた感じですかね。この中でKitterdgeは今年もAAAで投げていて、23試合38イニングで9四球47奪三振、AAと合計で37試合72イニングで19四球84奪三振とかなり良い成績を残しています。これは来年MLBで投げる姿が見れるかもしれませんね。残りの二人はまだ若いこともあり、もう少し様子見になるでしょうか。

☆本日のおまけ その2

 Jetsはもうここのところ良い話題がありません。さすがにCLEには31-28で勝利しましたが、同地区のMIAには23-27で敗戦、LAにも6-9で敗け連敗です。ここまで3勝7敗で地区最下位とかなり苦しい展開です。

 唯一の望みはFitzpatrickから先発QBがBryce Pettyに変わったくらいでしょうか。半ば強制的にではありますが、世代交代を進めないと相当厳しいと思います。今シーズンはもうドラフト指名権と来季への経験のために使って、ドラフトで良いDBを手に入れましょう。

☆本日のおまけ その3

 ベイスターズ山口の去就についてあちこちのベイスターズファンから(神奈川在住在勤につきどうしても耳年増)残って欲しいだの、FA権がどうのみたいな話をよく聞きます。同じく陽 岱鋼などにも。

 ま、現状の話ならそれもしょうがないんですけどね。それはわかるんです。

 ですが、やっぱり今のFA制度がきちんと機能していないのがありますよね。FAってことは球団の保有権が無くなることで、自分から立候補しないといけないというのがね。球団が一方的に保有権を持ち続けられることがおかしいと思うのです。契約満了につき自由契約となるべきでしょう。契約満了したのに自動更新となるのは、なんかおかしいです。自動更新が契約条項に盛り込まれているならともかく。それでいて不要になれば球団は戦力外通告で契約を切れますから、球団に良い様にされてしまう気がします。それこそ今の不正規労働者と一緒じゃないですかね…。

 そうではなくて契約満了した際に保有権が無くなることで、球団はより戦力の維持と補強にシビアになる必要がアリ、その結果、もっともっと合理的で戦略的なチームの構築をする様になるはずです。MLBでSABRが流行ったのもその影響があるのは否定できません。

☆本日のおまけ その4

 同様に「年俸変動制の複数年契約」ってのもおかしな話です。複数年契約・長期契約と言うのは球団が保有権を維持する=怪我や不振のリスクを負う代わりに選手に出て行かれるのを防ぎ、かつ年俸の高騰を防ぐものです。

 これに対して年俸変動制だと要するに体の良いダンピングでしかなく、1年でも活躍できなければどんどん年俸が下げられる訳で、やはり一方的に球団にとって都合の良いものでしかありません。契約満了しても出て行かれることは少ない(ほぼ無い)ですしね。また年俸が上がると言ってもFAでマネーゲームになるよりは安い額で収まる訳ですから、球団にとっては都合が良いことしかありませんね。これまた今流行の不正規労働者と一緒の構図な気がしますよ。

 こっちも年俸を固定にすることで球団側はより実力面を計るのにシビアになり、より合理的で戦略的なチーム構築を余儀なくされ、そういう意味でも発展が望めるようになるのではないでしょうか。

 これらだけが理由と言うつもりはありませんが、こういうところからでも変えていかないと、と思う次第です。。。じゃないといつまでもなんか仁義と裏からのネゴネゴでなぁなぁに決まっていく世界になってしまい、私はそういうのがすごく嫌です(笑)