Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

またしても薬物違反…

 正直この話題を積極的に避けていた事実はあるのですが、いつまでも避け続けても仕方がないと思うので書いてみようと思います。

 当然ご存知の方は多いと思いますが、マイアミの医療機関元経営者アンソニーボッシュ氏が禁止薬物を09年から昨年まで処方していたという告発があり、その顧客リストにはA-Rod、Gio Gonzalez、Bartolo Colon、Melky Cabrera、Nelson Cruzらの名前があったと言います。

 禁止薬物の使用による違反の等の規則は05年に正式に定められ、以後多くの選手が違反して、出場停止をされたり、過去の使用について謝罪を行っています。一応TBの例で言うと古くはカンセコ、最近ではMannyが2度目の違反をして突如引退したり、Tim Beckhamがマイナーで50試合出場停止になっていたりします。

 今回の一件では昨年実際に出場停止を食らったColonやMelkyの名前も見えますが、残りの選手は誰もスクリーニングにはかかっていませんね。

 私はこの件について非常に悲しく思います。これまで幾多の選手が同じ轍を踏み続けているのにまだ踏み続ける馬鹿者がいるのはその最大の理由ですし、そもそも人体を守るために作られたルールを自ら首を絞める形で違反してどうする、と。これを違反することで、一つはもちろん使用者の肉体に過度な負担をかけることにもなるのですが、それ以上に社会的な信頼度の失墜は非常に大きなものがあると言えます。様々な違反からの復活劇には割と甘いアメリカでもこの一件に関しては(なぜか)非常に厳しい立場を貫いています。もっとも、薬物のすごさはやはり禁止されていても使いたくなってしまうのでしょう。MelkyやColonの復活劇を見れば一目瞭然です。そうやって急成長した選手をも疑うのもこれまた心苦しいのですが…(ZobとかBautistaとか)。

 さて、そんなことを言ったものの、私は以前も申した通り、例えばBondsらいわゆるステロイドボーイズの殿堂入りには賛成の立場をとっています。特にルール違反になる前の薬物違反を謝罪した者、実際に公式の(違反者を取り締まるための)検査にはかかってない者などは十分に殿堂入り資格があると思います。

 今回の一件でもNYYはA-Rodとの契約を解除したい、との報道もありますし、当然出場停止等の措置を取るべきだとの考え方をする方もいるかと思いますが、私自身は逆に基本的には特段のなんらかの措置をするべきではないと考えています。

 その理由として、今回の件は完全に内部告発が元となっており、明確にスクリーニングでの違反者ではないということ。まぁMelkyやColonは引っかかってますけれども。

 はっきり言って最近のこの状況証拠で「黒」とされてしまう状況は気に入りません。そりゃあ確かに怪しいのかもしれません。間違いなく禁止薬物を打った人もいるのでしょう。A-Rodは前科ありますしね。しかし、検査で引っかかってないということはホルモンだったりの異常は見受けられないということでもあります。STが始まればまた検査がありますし、そこで引っかかったらもちろん言い訳はできません。だけど、そうじゃなきゃ、逆にその内部告発の証言しか証拠となるものが無い訳ですよ。

 もちろんA-RodやMelkyの言葉をそのまま信用するわけにはいかないのも事実ですが、だったらなんでこのよくわからない医者(というか医療機関の経営者)の言葉は信用できるんですかね?この医者が彼らスーパースターの足を引っ張ろうとして告発した可能性だってなくはないはずですよね。それで(仮に)白だった選手まで信じることができなくなったらファンとしてこれほど悲しいことはありません。

 さらに、この告発をした人間は09年からドーピングをしていることを言っています。この人間は当然、09年には禁止薬物であったことを知っているはず。知っていて、なぜその薬物を提供した?となります。しかも昨年まで提供していたとのことですから、提供をやめた途端に(もしくはまだ今年は提供していないか)告発ということで、考えてみればかなり悪質にもとれます。少なくとも性善説をとるなら一貫して性善説を、性悪説であれば一貫して性悪説である必要があるかと思います。少なくともMLB選手だけを疑って告発者を疑わないというのはよくないと思いますね。

 というわけでまとめ。

 私のスタンスとして、正確な薬物検査で引っかかれば黒、本人からの告白で黒、また状況証拠や第三者の告発だけであれば白、と考えます。

 唯一微妙な例がライアン・ブラウンで彼ばかりはグレーゾーンですね。個人的には白だと思っていますが。

 そして割を食ってるBagwellももちろん、検査で一切引っかかってないBondsなんかの殿堂入りは当然だと思います。仮に薬を使っていたとしても。