Rayを釣りたくて III

フロリダ沖に降り注ぐ栄光の光の中で舞い踊るトビエイを釣り上げる事を望むブログ。スポーツナビ+閉鎖に伴ってIIIとなって引っ越しました。旧記事で画像がほしい記事があればコメントいただければ、気づき次第対応します。

Cobbは復活してるのか?

(目的/動機)

 Cobbは大好きな投手ですね。TBの投手陣の中では一番好きな選手です。あのゆったりとした投球フォーム、カッコよくないですか?

 そのCobbがTJから戻ってきて、今年はちゃんと開幕からローテーションを守っています。ここまで8試合49.1回を投げて3勝3敗、防御率3.65とそれなりに結果を残しているようにも見えます。

 じゃあ本当に彼はTJ以前のCobbに戻れたのか、ちょっと色々眺めてみようかと思います。

(方法)

 いつものテンプレ(笑)に成績を打ち込み、それを眺めます。次にそれでちょいちょい考察していきます。いつもの選手成績予想システムseriseri(今のバージョンはわからないけれどもVer. 1.3.0くらい、という名のただのエクセルファイル)には数字を入れません。もうシーズン始まってしまっている以上、後出しの成績予想はしたくない。

 本記事は現地5/17試合終了後のデータで作成しています。

(結果)

□01

 15年はTJしてるのでデータはありません。以降全部の表でそうなっています。ここまで8先発49.1回3勝3敗は先述した通りです。奪三振は31。

 意外なことにキャリア通じて先発のみで起用されており(中継ぎ起用0)、当然セーブもセーブ失敗もありません。

□02

 見ればわかるので特にコメントはナシで良いですね。16年の数字はかなり悪いのですが、これはまぁ仕方がないでしょう。

□03

 K/9が5.66とキャリアワーストレベルとなっています。一方で、与四球率は悪くなく、キャリアハイペースではあります。また、サンプル数の問題ももちろんありますが、TJ前よりも被本塁打が増えています。K/9が悪化しているため、K/BBも2.38と良くない数字です。

□04

 FIP、xFIPともTJ前よりも数値が上がってしまっています。また、ここ2年のリーグ全体のトレンドでもありますが、HR/FBも上がっているのがわかります。

□05

 GB/FBの数値はTJ前は2を超えていたのが、TJ後は2を切っています。それ以外のLD%やIFFB%に大きな変化は見られません。

□06

 BABIPとxBABIPにはTJ前後で大きな変化はありません(復帰した16年を除く)。全体的な傾向は変わっていません。

□07

□08

 球種の割合については考察で見ていきます。球速については速球はほぼTJ前レベルまで戻っており、チェンジアップもカーブも同様ですから、少なくとも、そういう機能的な面では回復しているとみても問題は無いでしょう。

(考察)

 さて、では色々考えていきましょう。

 まず投球回ですが、ここは現在1登板当たり18.5アウトを奪っており、そのまま6.1イニングくらいの投球回です。これは怪我前の14年までとほぼ同様であり、一先ずはイニング数自体は食えていると言えるでしょう。

 しかし、奪三振率自体は、下がっていて、リーグ平均よりも高い値を記録していたTJ前と比較すると相対的にはより下がっていると言えます。与四球率はほぼ変化がないので(キャリアハイではあるが…)、コマンドの不安定さが原因ではないと思いますが。。。結果的にK/9が下がっているのでK/BBは2.38と低い値になってしまっています。BB/9をこれよりも下げるのではなく、K/9を上昇させることが、ここの改善のコツだとは思いますが(Cobbが割ときっちり三振を取っていた投手なので)。

 続いて本塁打の傾向。HR/9ははっきり言ってTJ前よりも上昇しています。ここは2つほど理由がありますね。一つはHR/FBの上昇で、これはここ2年のリーグ全体の傾向でもあるものです。TBでは敵味方合わせてなぜかよく球が飛ぶようになりましたね(どーむらん!!!)。もう一つはCobb自身の打球傾向の変化でしょうか。元々かなりGB%が高いゴロ系の投手でしたが、この値が徐々に下がってきています。12年には2.77あったGB/FBが現時点で1.64まで下がっています。HR/FBに加えて、フライが増加しているため、そりゃあ本塁打増えるよな、というところです。

□09

 ところで、このグラフ。CobbのGB/FBを示したものですが、中々綺麗な下落傾向でして、15年が欠けていてもなんだか一貫しています。

 打球傾向の話が出たので、ついでにLD%の方も見てみましょう。今年はここまで22%と若干高めな数字が出ていますし、FB%も上昇しているので、ややとらえやすい球が多いのかなという感じがしますが、おおむね誤差の範囲でしょうか。何よりもゴロの減少が気になるところです。

 あとは球種についても見てみましょう。今年はやたらとカーブが多いなという印象でしたが、実際にデータでもチェンジアップという名のフォークが減り、カーブが増えています。チェンジアップはTJ前は全体の1/3を占めていましたが、現在は1/5程度、かわりにカーブが1/3を超えており、完全に逆転しました。まぁ、スプリッター禁止なTBですし、その事実上スプリッターでTJ受けてるんだから、首脳陣から減らせと言われるのは仕方がないかもしれません。

 もっとも、そのスプリッターで三振を多く奪ってたのも事実ですから(4.2回10奪三振とかもしてたよね)、ここがK/9悪化の理由なのかもしれませんね。カーブもCobbのカーブの動きはすごく好きというか好みですが、アレと速球だけだと厳しいだろうなぁとか思ったりもしますね。

 とりあえず、奪三振率が戻ってこないことには現状のCobbでは厳しいものがあるでしょう。チェンジアップの減少と関連があるように見えるのがちょっと辛いところではあります。チェンジアップ多用したら三振取れるようになった、となった場合、Cobbがどう決断するのかが注目ですね。

 いずれにせよ、まだシーズンは1/4程度。ここからCobbがどういう投球をするのかも含めて、楽しくTBを見守っていこうと思います。チャンピオンリング目指してがんばRays!!!

(まとめ)

・投球回数はTJ前に戻っている。

・球速はTJ前に戻っている。

・GB/FBの下落傾向は続いている。

・リーグの傾向と併せて被本塁打が増えている。

奪三振率が下がっている。

・チェンジアップの割合も減っている。

・とりあえず健康は取り戻しているが、この奪三振率を戻すのがポイント。

☆本日のおまけ その1

 ちなみにスプリッターと言えばBruce Sutter。彼はスプリッターがないと自分はただのマイナーリーガー。肘を壊すと言われてもこれを投げ続けると言ったそうですね。カッコいい覚悟です。ちなみに彼の握りを写真でみたことありますが、どう見てもフォーク。。。

Red Hot Souza!!!!

(目的/動機)

 Souza Jr.が今いい感じに打っています。ので、彼の成績を眺めてみようという企画です。

(方法)

 いつものテンプレ(笑)に成績を打ち込み、それを眺めます。次にそれでちょいちょい考察していきます。いつもの選手成績予想システムseriseri(今のバージョンはわからないけれどもVer. 1.3.0くらい、という名のただのエクセルファイル)には数字を入れません。もうシーズン始まってしまっている以上、後出しの成績予想はしたくない。

 本記事は現地4/25の試合終了後のデータで作成しています。

(結果)

□01

 ここまで21試合で4本塁打。ペース自体は落ち着いてきましたが、それでもキャリアハイペースは全く変わらず。

□02

 本塁打だけなら驚かないが、2B3Bもキャリアハイペースで稼いでいる。さらに、四球数は既に11、WARも1.4を記録している。wOBAも.428と素晴らしい数字である。

 P/PA(打席当たりの球数)はキャリア平均や昨年とほぼ変化はないが、P/O(アウト当たりの球数)はリーグ最上位クラスであり、キャリア平均と比べても1近く上昇している。

□03

 単純に打率・出塁率長打率ともに素晴らしい数字を記録している。また、BB%、K%いずれもキャリアハイ相当のペースである。(それでも25.6%のK%…。)

□04

 まずBABIPは.431、ただしxBABIPも.359は記録している。GB/FBはキャリア通算とほぼ変わらず1.25である。また、HR/FB25.0%は高いくパワーを見せているが、14年に33.3%、15年に20.5%を記録しているなど、不可能とは言えない数字である。今年の特長としてLD%が34.5%と非常に高い数字を記録している。

(考察)

 ここまではサンプル数こそ少ないものの、かなり良い成績を残しているのがわかります。まずはP/PAとP/Oの比較で、アプローチの質自体はほぼ変わらず、基本的にはカウントが深くすることができています。一方で、アウトになることが減っているのは、三振の減少とBIPでセーフになることが多くなったことが原因でしょう。

 で、その四球率ですが、12.2%とそこそこの率ですが、実際マイナーの成績見てるとそれくらいはやってもおかしくはないという数字です。同様に三振率25.6%もマイナーの頃からすると割と普通。つまり、とうとうSouza Jr.の才能が開花!!!MLBに対応成功と見ることはおかしくはないのです。

 運に恵まれているのではないかという指摘。それは確かにあり得ます。xBABIP.359に対してBABIP.431、その差0.072という数字は維持することは困難でしょう。以前の連載中に調べた通り、不可能ではありませんが、可能性としては0.3%程度。ほぼ不可能と言っても過言ではありません。ですが、それ以外に注目すべき点があるのです。つまりGB/FBの比率を変化させないまま、LD%を大きく上昇させている(つまり良い当たりを多く打てている)のです。これはBABIPの上昇、つまり打率の上昇、出塁率の上昇に直結する数字です。xBABIP.359はそれだけで素晴らしい数字だと言えるのです。併せてHR/FB、本塁打を打つ能力も上がっていますから、なおさら印象が良いですね。

 そういう感じの現状のSouza Jr.。これが今後どのように数字が変化するのかは楽しみなところではありますが、願わくば、これが維持できるようにしてほしいですね。

(まとめ)

 要するに

・幸運ではある。

・でも実力面も上がっているように見える。

・さらに根本的なアプローチや打球傾向は変わらない。

・それらやマイナーの数字と比較すると、ファンが待ち望んでいたSouza Jr.の姿

 という感じでしょうか。

(感想)

 いやぁこれがSouza Jr.の開花した姿であればうれしいですよ。本当。彼のバットが小さく軽く見える姿は見ていて楽しいので、もっともっとファンを喜ばせてほしいです。彼が不調になってくると、バットが大きく重たいものに感じられるようになります。そうなる時期はあるかもしれません。疲れとかで。でも、その時期をうまく乗り切って、良い打者として成長してほしいです。はい。とりあえず運要素が上下するのは想定内として、内容が極端に悪化しないように、頑張って欲しい。がんばRays!!!

 いやぁにしても久々の投稿。なんつーか毎年シーズン当初って本当ネタに困るやーつ。直接観た映像の感想文じゃないからねぇ。。。そして仕事が諸事情につき年度当初は忙しいのである。

今年もクローザーは彼で決まり…たぶん

(目的/動機)

 昨年、クローザーとしてTBで大活躍だった彼。今年はどうなのかなぁという。

(方法)

 いつものテンプレ(笑)に成績を打ち込み、それを眺めます。次にそれでちょいちょい考察していき、最後にいつもの選手成績予想システムseriseri(今のバージョンはわからないけれどもVer. 1.3.0くらい、という名のただのエクセルファイル)に放り込んで出てきた数字を眺めてみます。

 ↑手抜きという。

 ↑いつもそうじゃないか。

(結果)

□01

 15年は先発兼任で13先発30救援であったが、昨年は0先発57救援で完全にリリーフ専任。Boxbergerに代わってクローザーとして37セーブを挙げた。

□02

 奪三振71で15四球とバランスが良くなった。被本塁打6は多いが、失点12にとどまっている。

□03

 奪三振率11.28、与四球率2.84、K/BB4.73はいずれも優秀である。被本塁打率は低くはないが、昨年は全体的に本塁打は飛び交ったシーズンだった。

□04

 防御率は非常に優秀。ただし、FIP、xFIPとの乖離はある。とはいえ、xFIP2.75はこれも優秀と言える。LOB%93.0%は奪三振力が高いことを考えても、明らかに高い。

□05

 16年はBABIPもxBABIPと比較するとかなり低い値が出ていた。

□06

 LD%が極端に高いのは例年の事である。一方昨年はゴロ系が加速し、GB/FBは1.59と高い値が記録された。フライは29.7%と非常に少なかったが、HR/FBは14.6%と高く、IFFB2.4%と低かった。

□07

□08

 変化球は過去にはスライダー以外にチェンジアップ、カーブをそれなりな割合で投げていたが、リリーフに専念した昨年はほぼ速球とスライダーのみの投球であった。また、球速もリリーフ専念ということもあり、若干だが速くなっている。

(考察)

 いやはや。昨年は驚きの大活躍でした。決してセーブ数詐欺のようなB〇xBerger(隠せてない)や澤〇とは違いますね。

 この理由は大きく二つ。一つはリリーフ専念したこともあるのでしょうけれども、成績が急上昇したこと。三振率を急上昇させ、与四球率を下げたことがそれで、結果的にK/BB4.73は素晴らしい数字でした。結果、イニング当たりの投球数も減っています。もう一つは運の要素が軒並み好調だったことで、HR/FBだけはちょっとアレですが、LOB%93.0%、xBABIP-BABIPの+0.029は再現はほぼ不可能でしょうね(笑)サンプル数が少ないリリーフとはいえ。被本塁打6で失点12って。。。どんだけピンチに強いというのか。

 つまり昨年の実力を再度発揮してもよほどでないと、昨年のような失点の少なさにはならないのではないかと思います。

 打球傾向はかなりユニークな投手ですが、それが加速した感じはあります。LD%の高さがあるのでxBABIPが高く出るのが一つですね。これはもう毎年の傾向と言えるかもしれません。一方で、元々ゴロ系寄りのニュートラルな投手でしたが、昨年はゴロ系が加速して、完全なゴロ投手と言えるレベルになっていました。でも、高い被本塁打率。これはまぁ明らかにHR/FBの魔力なのでしょうね。一方で内野フライが非常に少ないのを見るとフライに関しては当たれば大きく飛ばされる傾向があるように見えますね。

 今シーズンに関してはこの傾向が維持されるのではないでしょうか(リリーフは変わらずなので)。

 投球スタイルは大きく変わった投手でして、今までは4球種あったのが完全に2球種だけになりましたね。一応カーブやチェンジアップを投げたことになっていますが、これは球速見ても、スライダーが変に分類されただけでしょうね。860球しか投げてないし全体で。

 球速はちょっとだけ上昇しましたね。まぁリリーフ専任はそういうことなのでしょうね。

(まとめ)

・三振と四球のバランスが良くなり、好成績に結びついた。

・でもLOB%とBABIPも良くて、幸運でもあった。

・ゴロ系の投手にシフトしてるも、LD%の高さは相変わらず。

・でもHR/FBは高く、IFFB%は低いので、フライは飛んでいく。

・球種は減らして、現在は速球とスライダーだけ。リリーフモードである。

58G 57.1IP 61SO 20BB ERA3.45 FIP3.20 xFIP3.09 HR5 H49

 

 ふむふむ。まぁこんなもんじゃないでしょうかねぇ。これくらいの成績を残せたら上場でしょう。

(感想)

 Colome良いですよねぇ。昨年はさすがに出木杉だと思いますが、多分今年もそこそこやってくれそうですし。リリーフで中々安定感あるのが少なくなってしまったRaysですが、その中でも数少ない計算できるリリーフだと信じています。

 まもなく、開幕。今年も一生懸命がんばRays!!!(久しぶりの奴)

☆本日のおまけ その1

 今年もやってきましたファンタジーの時間。実は機材トラブルでドラフト参加できなくて(泣)ようやくチームを編成しなおした感じです。今年のロースターは現状こんな感じ。

C Yasmani Grandal

1B Freddie Freeman

2B Matt Carpenter

3B Kyle Seager

SS Corey Seager

LF Rajai Davis

CF Mika Trout

RF Carlos Gonzalez

UT Carlos Santana

BN Jabier Baez

BN Russell Martin

監督 Jay Bruce

SP Noah Syndergaard

SP Kenta Maeda

SP Jose Quintana

SP Danny Salazar

SP Lance McCullers Jr.

SP Matt Moore

RP AJ Ramos

RP Jim Johnson

RP Fernando Rodney

RP Brandon Kintzler

RP Kebin Siegrist

 こんな感じ。Bruceさんは我がチームの監督兼マスコット兼控え外野手です(笑)一番好きなMLB選手の一人なので、毎年彼を獲得して、ロースターを圧迫してもらってます。彼が出場することになったら、多分チームはピンチ。全体的にはこんな感じかなぁな野手陣とちょっと寂しい感じの投手陣。特にリリーフ。。。先発多めなのは先発餌にトレードを仕掛けるためであります。良いリリーフください。。。

 開けた瞬間Seager兄弟が両方いて焦ったりした(笑)弟はともかく兄貴はどうなのだろう。。。TroutとThorがいるのはまぁ悪くないね。Carpenterはたぶん3年連続3度目の獲得。いろんなポジションできるのがファンタジーでの良いところ。逆にFreemanは初の獲得。

 LFはUpton(弟)だったのだが、なんかアレなので、盗塁を見込んでRajaiに切り替え。あとはBaezが浮いてたのがありがたい。

 投手陣は本当なんつーかまぁ…。今年はちゃんと先発は回そうと思う。それだけで、多分違う。

 あと実はLFの控えがいないことに今気づいてしまった。。。えー。このメンツで誰もできないのか。Rajaiダメならどうしよ(笑)SeagerもTroutもBaezもBruceもCarpenterもLFできない設定かよ。。。

☆本日のおまけ その2

 そういえばマリオ帽子でお馴染みの元TBのAlex Torres、群馬ダイヤモンドペガサス入りとか。徳島の李学周とともにこちらも観に行きたいところ。

飛躍なるか Souza Jr.

(目的/動機)

 楽しみにしている選手ですが、特に今年の飛躍を期待したいSteven Souza Jr.についてちょっと調べてみたくなりましたので。

(方法)

 いつものテンプレ(笑)に成績を打ち込み、それを眺めます。次にそれでちょいちょい考察していき、最後にいつもの選手成績予想システムseriseri(今のバージョンはわからないけれどもVer. 1.3.0くらい、という名のただのエクセルファイル)に放り込んで出てきた数字を眺めてみます。

 ↑手抜きという。

(結果)

□01

 昨年は120試合468打席に出場し、17本塁打7盗塁の結果を残した。一方盗塁死も6を記録し、成功率は53.8%である。フルシーズン2年目であり、120試合468打席17本塁打はいずれもキャリアハイである。

□02

 二塁打や打点はキャリアハイを記録している。四球数がわずか31にとどまり、三振数は159を記録した。この三振159はリーグ10位タイの多さである。

 wOBAは.308と低く、WARも1.3にとどまった。いずれも前年よりも成績を下げている。また、P/PAは3.92とそこそこの水準ではあるが、P/O5.53はリーグ平均よりも下である。

□03

 打率.247はキャリアハイであったが、出塁率.303は15年から比較すると下落した。四球率6.6%も15年10.8%よりも下がっている。一方で三振率は微増しているのもわかる。OPS長打率が上がったことによりほぼ横ばいであった。

□04

 LD%が24.9%と高い値を記録した。このことで、xBABIPの値が引き上げられている。パワーはある打者だがFB%が34.2%、GB/FBは1.20となりどちらかと言えばゴロ系の打者である。そのため、HRの数が延びていない。ただしHR/FBは18.5%と高い値である。

 xBABIPと比較すると打率はかなり幸運であるのがわかる。

(考察)

 では成績を受けての考察をしましょう。その前に、Souza Jr.は27歳の選手(シーズン早々に28歳になる)ですが、よく考えればまだフルシーズン2年が経過して、今年3年目の選手です。なんか主軸の扱いとか見ると、もっとキャリア長かったように見えますが。特に三振が多い打者はある程度対応に時間がかかることを考えれば…とポジってみます。

 さて、そういう訳で昨年は120試合とキャリアハイの試合数でした。まず足ね。足は決して遅い打者ではないですが、7盗塁6盗塁死はよろしくないでしょう。これなら走らない方がマシかもしれません。ちなみに15年も12盗塁してますが、成功率は66.7%でそこまで高くはありませんね。

 次。足以外の打席の中での攻撃面は15年と比べるとかなり不満が残るような成績でした。問題は何と言っても159もの三振数に対してわずか31しか奪えていない四球。K%34.0%、BB%6.6%というところに深刻さが表れています。ちなみに投手目線でのK/BBは5.13ですからね。酷いです。

 彼は元々はかなり打席では深いカウントにすることを好みます。P/PA4を記録できる能力はあります。昨年は3.92と減りましたがそれでも一定以上の水準はあるのがわかります。その中で、三振は多い物の、四球も多く奪い取るといういわゆるAdam Dunn型の打者だったのですが、昨年は四球がちっとも奪えず。P/Oは5.53とかなり低い値でして、せっかく深くして好球を待っていたにも関わらず、それが結果(出塁=アウトにならない)につながっていないのが問題です。

 ここが改善されない限り彼の成績の向上は見込めないでしょうね。

 打球傾向に関してはこれまた不思議な選手です。かなりゴロ系の打者なんですよね。これがキャリア一貫して。それでも本塁打が多く感じるのはHR/FBが高いからで、15年20.5%、16年18.5%と高水準です(まぁ16年に関してはリーグ全体で高かったのですが)。ただこれ以上のパワーの上積みは難しいですから、より強いフライを打つことが彼の本塁打の増加につながるでしょう。…うん。あとはバットに当たれば。

 この「バットに当たれば強い」というのはSouza Jr.の大きな特長の一つだと思います。昨年のLD%24.9%というのはリーグ12位相当の高水準ですし、高いHR/FBと相まってかなりすんごい打者の様に見えるんですよね。それでもゴロ系という不思議さがあって、ユニークさが際立ちます。

 とりあえず彼について求めたいことは、まずはバットに当てる。そしてフライを増やす。ライナーは減らさない。もっとよく球を見て四球を増やす。むちゃくちゃかもしれませんけれども、それぞれできるポテンシャルがあるように見受けられるのがまた、彼に期待をかけたくなる点なのです。特に四球を増やすことに関しては以前できていましたからね。まずはここから、でしょうか。

 …なんだかベイスターズの石川選手みたいですね(笑)そうならないように期待したい(笑)

 今年はなんだかんだで昨年並みの120試合450打席くらいが与えられるのではないでしょうか。守備も良いしね。

(まとめ)

・三振の多さがまずは課題。四球とのバランスが悪いのがそれを強く際立たせる。

・選球眼が悪くなっているように思える16年であった。

・実はゴロ系の打者ではある。

・でもHR/FBは高く、LD%も高い。とにかくバットに当たれば強い(笑)

・ポテンシャルの高さは感じるから、頑張って欲しい。

413打数96安打 本塁打18 四球37 三振150 二塁打17 三塁打1 .232/.295/.408 OPS.703 wOBA.307

 …う~ん…ポジってみたはいいけどこんなんじゃダメじゃんね。。。16年とほとんど変わらないし、成績。やっぱ打席の1/3も三振しながら、四球率一桁は良くないよねぇ…。

(感想)

 本当ポテンシャルの塊で、すごい好きな打者なんですが、どうにもバットがボールに当たらない。バットがすごく軽そうに、まるで針を振ってるくらいの感じで振りぬくのは爽快なんですけれどもねぇ。当たればボールはどこまでも飛んでいくし。そういえば大田泰示がそういう感じの打者だったなぁとか思いながら。

 

☆本日のおまけ その1

 最近ね、こっちの更新滞りがち…なのは。ポ〇モンもあるけどこっちのせいでもあるんですよね。

□05

 買っちゃったのです。超大型水槽。1500㎜×900㎜×600㎜で、15㎜厚のアクリル板の重合接着ですよ。いやぁこれ眺めてるだけで楽しいのですよ。ポイントは何と言っても奥行き900㎜。スリム水槽なんて認めねぇ。

 それにしてもねぇ…最近のネイチャーアクアリウム(笑)とは本当に合わないんですよねぇ私。基本的には魚とかいきものを飼育することが楽しい派なので、別にインテリアがどうとかこうとか考えてません。なので、最近のネイチャーアクアリウムを中心としたアクアリストの皆様とは考えが合わず。そういう意味では全く面白くない水槽だらけだなぁと思うのですよ。なんかもう見かける魚もお決まりで。とりあえずざっと今の水槽文化で嫌なところはこんな感じ。

・とにかく小型化。小型魚・小型水槽。

・どこ行っても画一的な水槽。同じような道具使って同じような魚のいる水槽を作ってる。

・ちっとも自然じゃないネイチャーアクアリウム(笑)の影響強すぎ。

・アレはダメ、コレじゃなきゃダメという既成概念ですべてが進行しているようなこと。

・ソイル(笑)

・弱酸性(笑)

 ざっとこんなところですかね。まず1点目。私小型魚は嫌いじゃないですけど、小型水槽は好きじゃないですねぇ。水質も水温も安定しないし。ちっこいから世話めんどくさいし。30㎝キューブとか恐怖ですよ。で、そこに外部とか(笑)底面最強説を唱えたい。で、水流(笑)が強いとか。もう何が何やらわかりません。ってか60㎝規格を置くだけで怖いとか何言ってるの?みたいな感じが…。ちなみに我が家は現在アカヒレ50がカイヤン3、ヘラブナ2、メインのスッポンモドキの荒(あらめ)君で飼育されています。別にアカヒレは食われません。こういう混泳技術のある人とか、今はいないですよね。

 2点目。同じような水草を同じような水槽で、同じような魚を入れて。自分の価値観でこの魚がめちゃくちゃカッコいいから飼育したいとか、そういう考えがある人がいない気がする。おかげで見かけなくなった魚が多数いるよね。小型魚でも。ペンテトとかシザーステールラスボラとかレオパードタティアとかアフリカンランプアイとか。確かに持て余して放流よりは良いのかもだけどさー。もっとこう飼育の面白さを教えてくれるような魚が減ってる気がする。

 3点目。ネイチャーアクアリウムは正直意味が分かりません。ちっとも自然じゃないし、魚フレンドリーじゃないし、水量自ら減らしてるし、魚が泳ぐスペース削ってるし…なんていう大型魚大好き人間にはちょっとねぇ(笑)あとね。全体みどりみどりしすぎ問題。ネイチャーアクアリウムと言いつつ、汽水域を再現した様なマングローブの根っこみたいに作った水槽とかそういうのが見たいですが、見かけませんね。無理矢理緑色にしてるし。。。

 4点目。それこそ混泳技術なんかでよく見かける奴ですかね。あとは濾過が足りないとか足りてるとかでも見かける気がします。過密飼育だのなんだの。確かに、明らかに相性が悪い奴とかもいますけど、それも絶対じゃないし、やり方ってのがあると思うんですよね。先に誰入れるとか。ちなみに私は昔マナマズとランプアイを混泳させてましたが、別に何ともなく飼育できてました。過密飼育なんかはそれこそガンガン水替えと必殺サンゴ砂で対応すればよい訳で。バクテリアなんてそう簡単に減りません(笑)むしろ普段どんだけみんなバクテリア少ない水槽で飼育してるんだか…。そんなベアタンク至上主義者です。ちなみに水を回していない底砂(ソイルでも良いけど)が生物濾過で重要とかイミフ。底面みたいにちゃんと水流回して、酸素供給してやれば別だけど。逆に底面が手間かかるとかも理解不能。底砂敷いてる時点で手間はかかる。

 5点目。ソイル(笑)あんなボロボロに崩れるものをしかも半年に一回替えなきゃいけないものを使うとか。。。普通に田砂とサンゴ砂で良いじゃん?みたいなね。水草水槽の人の考えが多いからだと思うんですが。要するに飼育を楽しみたい人が減ってるんだと思うところですかね。あとはなんか商売に乗せられてるか(笑)

 6点目。弱酸性(笑)これは知らないうちにスタンダードになっていたもの。これも水草水槽の影響力だと思うんですが、ちょっと前のとにかく魚の飼育技術の方が大事だったころは硝酸塩を増やしても中性近くを保つように、どこかしらにはサンゴ砂が入っていたものです。フィルターの中とか、水作の中とかどこかしら。今じゃ天敵ですからねぇサンゴ砂(笑)変われば変わるものです。ちなみにseriseriはサンゴ砂、必ずどっかしらに入れてます。どんな魚の飼育であっても急激な酸性化を抑えられるのと併せて、水替えした時の水質差を小さくするので。そいやカルキ抜きも10年くらい使ってないなぁ(笑)

 って色々語ってみましたが、要するに水槽やってるけど、理解してくれる友達少なくて悲しいという一言でまとめられるのでした。

 大型魚も好きだけど、アロワナもポリプも肺魚もダトニオもアフリカン・南米関わらず大型シクリッドもガーも淡水エイもピラルクもピラニアもカショーロもディスカスもナイフも基本興味ないというひねくれものだと余計に友達がいないのである(笑)ナマズ可愛いよねナマズ。それ以外だとコイ系とスズキ系が好きです。雷魚もOK。

 そういう理由で(まぁ今はアジア圏の水槽にしたいのもあるが)、現在はスッポンモドキ(甲長18㎝、導入後2年)とカイヤン3匹(20-27㎝、導入後2年弱)、アカヒレ50(導入後1年弱)、ヘラブナ2匹(8㎝、導入後3か月)というややカオスな水槽になっているのです。ここに今度はアカヒレ(100くらい?)とタナゴ(30くらい?)とトランスルーセント(20くらい)とソウギョと入れたいですね。本当はチョウザメとかバラとかパーカーホとかハマギギとか淡水ドラムとかナイフとかアオウオ入れたいけど、多分どれも難しそう(笑)あとは苔要員兼餌兼クチバシ伸びすぎ防止兼いたずら防止のおもちゃとしてのアップルスネール入れたいけど、今売ってるのかしら?別な水槽で繁殖させて入れてあげたいのだが。。。

☆本日のおまけ その2

 Davis DeJesusがひっそりと引退しました。お疲れ様でした。TBでは選球眼の良いベテランとして活躍してくれました。私も好きな選手の一人でした。

祝 長期契約!? Kevin Kiermaierをポジティブに考える

(目的/動機)

 今日のターゲットはKevin Kiermaierにします。ちょうど6年50M+α?みたいな感じに契約延長間近、みたいなニュースが飛んできましたので、彼がそれだけの契約に見合うような選手なのかどうか、これまでの成績を確認しつつ見ていきたいと思います。

(方法)

 いつものテンプレ(笑)に成績を打ち込み、それを眺めます。次にそれでちょいちょい考察していき、最後にいつもの選手成績予想システムseriseri(今のバージョンはわからないけれどもVer. 1.3.0くらい、という名のただのエクセルファイル)に放り込んで出てきた数字を眺めてみます。

(結果)

□01

 Kiermaier(以下KK)は13年のシーズン163試合目、1ゲームプレーオフで突如として出場登録され初出場した。その後14年以降、事実上のレギュラーとしてTBのCFに収まっている。

 基本的には非力だが、良いスピードの持ち主とされている。マイナーでは通算15本塁打にすぎない。が、MLBではそれなりにパワーを発揮し、3年連続二けた本塁打を打っている。

 また、盗塁に関しては当初は良くなく、14年は5盗塁4盗塁死であったが、16年は21盗塁に対し3盗塁死と大きく向上させている。

□02

 wOBAはレギュラーとしてはほぼ平均的な値を示している。一方WARは高い数字を残していて、3年間365試合出場で13.1となっている。162試合換算だと5.8となる。これは彼の守備による加点が大きい物であるが、いずれにせよチームには大きく貢献している。

□03

 打率は高くないが、昨年は出塁率を上げることに成功した。IsoDはキャリアハイの.085である。パワー面は停滞気味で、打率も下げているが、OPSは安定して.700台中盤を記録できる。

□04

 IsoDが高くなったことからもわかるが、BB%はキャリアハイの9.7%を記録した。一方でK%はほぼ変化無い数字であった。成績の向上に直結する困難な内容の向上を成し遂げたといえる。

 それに伴いP/O、P/PAがともに上昇し、キャリアハイであった。特にP/Oはリーグ平均5.66を上回る5.75であった。

□05

 打球傾向を確認すると、以前はゴロ系の打者であったが、昨年はフライ系にややシフトし、全体としてはニュートラルな打者であった。LD%は標準的な20.6%で15年に引き続き20%を超えた。また、HR/FBが11.1%と再び二桁に乗せている。

□06

 昨年は打率が下がっていたが、打球傾向の変化によるxBABIPの低下があり、さらにxBABIPとBABIPの差があった。

(考察)

 ざっと見ていきましたが、なんか思っていたよりもKKの成績が向上していたので驚きがあります。特に三振率を変えないまま、四球率を上げるという難易度の高い成績の向上を見せていて、これを維持できるとかなり面白いことになると思います。

 これに伴い、P/Oが向上していて、打ち取りにくさはMLBの平均を超えました。足の速さも相まって、かなり嫌らしい打者になってきたのではないでしょうか。P/PAも3.89とそこそこの水準まで上がってきました。あっさりと初球に手を出さなくなったのです。KKはシーズン中、試合に出てれば割と上位打線での起用が多かった割に、出塁率を向上させてるのはすごいですね。これは今シーズンも期待したくなります。

 一方打率は下がってしまっているのですが、これは若干の不運と、極端なゴロ系からニュートラル寄りにシフトしたことが原因でしょうね。それでもLD%は20%を超えていますし、HR/FBが二桁あれば、.250前後は記録できるはずですね。これからの向上のポイントは25%を記録してしまったIFFB%の低下で、ここを下げるだけでかなりBABIPを戻せるのではないかと思います。

 HR/FBもトレンドに乗ったとも言えるかもしれませんが、14年以降、まぁパワーが無い訳ではない程度の打者でしたし、これくらいの数字は期待しても罰は当たらないはずですね。かなりムラっ気の打者ですが、乗っているときは本当手が付けられないですね。何故か乗っているときほど足も速くなる不思議。

 そういう意味では得意のゴロ二塁打は減っている感じではありますが、これはさすがに周囲の警戒もあるからでしょう。その代わり盗塁数も増え、盗塁死を下げるというこれまた素晴らしい成長を見せているので、問題ない様にも思えます。いや、本当驚くほど素晴らしい選手になったなぁと。

 これで6年50Mであれば、年俸調停3年をカバーしてるので、現状のMLB基準ならお買い得でしょうねぇ。TBらしい動きですが、KKにもぜひこれで活躍してほしい物です。

 そしてこれでとりあえず22年まではLongo、Archer、KKとチームの軸が決まることになるので、この間に、さくっと1度か2度、プレーオフをもらっちゃいましょう。今年?もちろんあり得ると思います。なんか北の方のクリスマスでもないのに赤い靴下履いてるところはエース左腕がDLっぽいしね。

(まとめ)

・選球眼が向上した。三振は増やさず四球を増やした。

・打球傾向がニュートラル寄りにシフト。HR/FBは悪くないがIFFB%が気がかり

・やっぱいい選手だよなぁ

 じゃ久々の成績予測と行きましょうか。

469打数124安打 本塁打17 四球51 三振91 二塁打23 三塁打10 .264/.336/.464 OPS.800 wOBA.346

 …う~ん…ポジりすぎ?

(感想)

 思ったよりも良い成績で驚いたとともに、頼もしくなった選手ですねぇ。最初上がってきた時はまたこういうしょーもない俊足巧打系の左バッターばっかり集めて…みたいに思ってたんですけどね。14年のゴロをダブルにするのを見てからすっかりファンに(笑)CFの守備も良いもアリ、調子に乗ってる時のパワーもアリで、中々に面白い選手ですよね、はい。

☆本日のおまけ

 WBCのこと来ると思ったでしょー?来ないんだなぁこれが。ちょっと考えてみたのはNPBのFAのこと。確か選手会の主張として、自動的に登録日数からFAにされてしまうと、レギュラー未満の選手たちが行き場所を失ってしまい、事実上の引退となってしまう可能性が高いために反対をしているというのがありました。が、よく考えてみたんですが

・選手の補強の手段はドラフトとFAと外国人しかない

・外国人枠は4枠しかないから何人も取ってもしょうがない(一応制度上46人までは支配下登録できるはずだがそんな馬鹿なことをするとは思えない)

・ドラフトは全球団合計最大120人しか取れない

 という条件があるので、結局FAで選手が自由契約になってしまうとポジションが埋められないから、誰かしらのFA選手を獲得しなきゃ戦力が整わない(補助戦力であっても)訳で、結局契約をもらえないFA選手+契約をもらえない戦力外通告を受けた選手の合計は今と変わらない人数に収まるはずなのではないでしょうか。。。って考えると踏み絵FAはやめてほしいんですけどねぇ。とはいえNPBは「戦力均衡を考えない稀有なクローズドリーグ」なので、むしろ踏み絵FAで良いのでしょうかね(笑)

牧田はMLBで通用するのか? ~NPB投手のMLB成績プロジェクションを目指して~ その3 まとめ+成績予想編

(目的/動機)

 前回に引き続き、リクエストがあった、西武ライオンズの牧田のMLB移籍した場合のプロジェクションを目指した一連の記事になります。本記事では最後の成績予想を行います。

(方法)

 まずは牧田投手のこれまでの成績を確認し、その中で、過去2記事についてみてきた指標を中心にして、今、MLBに移籍したと仮定した場合の成績を考えてみます。予想する成績は成績予想システムseriseri(という名のただのエクセルファイル)に色々数字を放り込んで眺めてみます。

(結果)

□01

 まずはこれ。基本的には先発投手でしたが、新人の2011年と昨年はリリーフでも起用されていて、特に昨年は50試合で0先発と初めて中継ぎ投手として専念した形です。

□02

 奪三振数は先発していたころから、年間三桁は12年のわずか1回だけ。与四球も50以下とこちらも少ないですが、いずれも少ない印象があります。

□03

 ここで確認するとよりわかりやすいです。K/9はキャリアハイが新人年の6.06で、ここ数年は4点台と寂しい数字です。K/BBはこれまたキャリアハイが1年目の5.38でこれは立派ですが、ここ数年はBB/9が2点台後半ということもあり、1点台半ばと正直数字としては失格クラスの成績となっています。一方HR/9は相当良い数字が出ていて、通算でも0.44と素晴らしい数字が出ていて、これまで見てきた選手の中ではマー君やダル程ではありませんが、岩隈・前田・松坂なんかよりもはるかに良い数字を残しています。本塁打は打たれにくいことが彼の特長だと感じます。

□04

 防御率は基本的に当てにはしてないのでアレですが、FIPと比較すると大体毎年近い数字を残していますね。乖離の大きい13年16年はLOB%が高く出ていて、かなり運が良かったことがわかります。特に昨年は異常な数字だと感じます。

 最後に「前の記事で示したように無理矢理計算した」GB/FBです。大体1点台と基本的にはフライ系でもなく、ゴロ系でもなくニュートラルな打者だと感じます。MLBに言った場合はフライ系に傾くかもしれません。

(考察)

 なんか結果欄で色々書いちゃったのですが、ざっくりというと、なんか思ったよりも奪三振が少なく、四球が多い投手(正確には多いというよりは三振とのバランスが悪い)となりました。これだけを見ると正直かなり不安があります。逆に売りは無駄な本塁打が出ないことだと感じますので、基本的には強い当たりを打つことをさせない投手であると言えるでしょう。GB/FBがニュートラルであるにも関わらず、被本塁打が少ないことはHR/FBの値が小さい=強い当たりを打たせないという考え方が成り立つからです。

 ただし、これがMLBでも成り立つかというとそれは疑問で、MLBの方がフライが多く、本塁打も多い、かつ三振数は変わらないのに四球数が増えることがこれまでの記事で明らかになった通りで、MLBの方が高パワーかつ選球眼が良いので、MLB移籍した場合、急激に成績が悪化してしまう可能性があるかと思います。もっと狙って三振が奪えたらよいのですが、先発とリリーフで奪三振率があまり変化無いようなので、狙って三振というのは無いかと思います。

 それと、何も書いてきませんでしたが、おそらくMLBに移籍した場合、先発ではなく中継ぎに転向させられる気がします。まぁ変則投手というのもありますし、成績を見るとちょっと先発では苦労しそうなのと、過去にもNPBで先発してもMLBでリリーフに転向という投手はいくらでもいるためです。

(まとめ)

・低い奪三振率と、そこそこ高い与四球率

・そこからくるバランスの悪さが不安。

・被本塁打率が良く、球を捉えられないことが武器。

・この武器がMLBで通じるかどうかが肝。

・打球傾向はニュートラル。MLBではフライ系にシフトする可能性がある。

 こんな感じでしょうか。ではこれを用いてざっと成績予想をしてみましょう。今回は起用法は全く分からんのですが、とりあえず50試合50イニングというざっくりな感じで率モノを計算してみました。

G50 IP50.0 SO25 BB18 ERA4.68 FIP4.27 xFIP4.85 HR4 H53

(K/9=4.50 BB/9=3.24 K/BB=1.39 GB/FB=0.98)

 まぁこんなもんじゃないでしょうかね。現状MLBでは三振が取れない投手はかなり生き残りが厳しい訳ですが、この数字でどう評価されるか。。。

(感想)

 なんか思ったよりも残念な数字になってしまったのが、個人的にはがっかりです。見ていて好きな投手の一人だし、もっとできると思っていたのですが、実際に数字があまり伸びていなかったのが…。投手って難しいですね。

 あ、あとこれが決してWBCでダメだとかいう理由じゃないんですけれどもね。そのWBCでは結構しっかりと起用されるようなので、ちょっと楽しみでもあります。

 こんな感じでNPBの投手のプロジェクション企画でした。いやはやめんどくさいったらありゃしない。数字が全然ないし、というところですかね。結構てきとーな予想が多くなるのはしょうがない。つーかそもそも3本の記事をまとめて書いたんだからめんどくさいに決まってるよなぁ…。疲れたからおまけは無し。

牧田はMLBで通用するのか? ~NPB投手のMLB成績プロジェクションを目指して~ その2 GB/FB編

(目的/動機)

 前回に引き続き、リクエストがあった、西武ライオンズの牧田のMLB移籍した場合のプロジェクションを目指した一連の記事になります。

(方法)

 過去、MLBに移籍したNPBの投手たちのNPBでの成績とMLBでの成績を比較することで、牧田投手が今MLBに移籍したらどれくらいの成績が期待されるかを考えます。

 今回の項目は投手の打球傾向がNPBMLBでは変動するのかどうかを確認してみます。これにより、前回の記事では記載しなかったHR/9の挙動についても結論が出せるのではないかと考えます。

 現状、NPBのGB/FBを手に入れる手段を私は持っていません。せいぜいプロ野球ヌルデータ置き場さんからGO/FOを入手できるだけです。

 これをこんな感じで加工することで、仮想のGB/FBを計算してみようと思います。

□01

 MLBのデータではありますが、GBのBABIP、FBのBABIPは私は持っている訳で(参照:xBABIP ver.2016をこまごまと ) 、GO=(1-GBのBABIP)GB、FO=(1-FBのBABIP)(FB-HR)と無理矢理仮定することで、GB/FBざっくりと仮定してしまいます。全く正確とは言えないものですが、大体の傾向はつかめるものとします。(突っ込みは色々あると思いますが、所詮はアマチュアの数字遊びブログですので)

 これをプロ野球ヌルデータ置き場さんのデータの残っている05年以降のNPBでのデータが残っている投手について行います。ですから基準は前回の基準+05年以降MLB移籍前3年のNPBでの合計投球回数が150イニング以上の投手とします。ここに含まれるのが岩隈・上原・田中・ダルビッシュ・前田・川上・黒田・高橋・松坂の合計9名となります。

 この計算されたGB/FBとMLBでのGB/FBを比較して、考察していきます。

(結果)

 一覧だと長いので、選手ごとに区切って示します。

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□07

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 今回は選手の平均は計算しません。

(考察)

 これらの結果から何がわかるかというと、NPB時代よりもMLB移籍後の方が明らかに数字が増大したHR/9に対して、各投手がフライ系に移行した結果、フライが増え、被本塁打増につながったのか、それともMLBの打者のが試合で発揮するパワーがNPBの打者よりも上なのかを見ることができます。

□11

 全投手についてグラフに落としてみます。縦軸がNPB時代のGB/FB(無理矢理計算したもの)、横軸がMLB移籍後のGB/FBとなります。

 見てわかる通り、かなり綺麗な右肩上がりの分布となっています。R^2の値が0.8037、つまり相関係数が0.896とかなり強い相関がみられることです。このことから、NPBでゴロ系投手だったのに、MLBではフライ系になる、みたいなタイプの変化が無いということです。

 ただし、全体的に中央右肩上がりの線よりも上に点が打たれている選手が多く、NPB時代と比べるとややフライを打たれる割合が多くなっていることがわかるかと思います。打球傾向自体に大きな変更は少ない物の、やはりMLBの方がフライは多い傾向に、NPBの方がゴロが多い傾向くらいは見えるかと思います。

 そして、再度HR/9に注目をしてほしいのですが、明確にNPB時代よりもMLB移籍後の方が率が高くなっています。その割合は約1.5倍となっています。確かにフライが多く打たれる傾向にはありますが、投手の打球傾向に大きな差が無いことがわかりますから、ここからMLBの打者の方が明確にパワーがあることがわかります(HR/FBが明確にMLBの方が高い)。これはNPBが統一球を使おうが、その前だろうが傾向は変わっていないです。こんなこと当たり前ではないかという声も聞こえてくるでしょうが、それを数字で確かめないで証明する方法なんて私は知りませんから、こういうやり方をするしかないのです。

(まとめ)

・GB/FB、つまり打球傾向に関してはNPBMLBでは大きな差はない。

・ただしMLBの方がフライを打つ傾向は少し高い

・そしてパワーはMLBの方が多く打たれている。

(感想)

 今日は短めで。まぁ予想通りというかなんというか。ただ面白かったのはやっぱりGB/FBの相関係数ですかね。ここまで高い数字ってあんまり見ないと思うんですよ。せいぜいがチームOPSとチーム得点数(ここの相関が異様に高いからOPSが重宝される。いろんな切り取り方あるけれども大体0.9以上の数値が出ますね)くらいで、ほかで相関係数高いって言って0.6程度のものはたくさんあります。この中に疑似相関をまぎれさせられたら大変ですわ(笑)でも今回のものは相関があるって言っても問題なさそうだし、これは牧田投手の成績予想には使えそうであるですね。

 次回の記事でいよいよ最終回、牧田投手の成績を予想しちゃいましょう(笑)